言論の泉 NO16(2016.6~8) 都知事選とオリンピック,沖縄の決断,地方分権と地方創生の功罪など

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鬼面兵衛門の言論の泉
座談会/2016.8.15

司会 鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美   (大学生)
成島裕子  (家事手伝い)
植山和美  (トラック運転手)
曾根重雄  (飲食店経営)
糸島史郎  (大工)
白根小百合 (会社員)
田所康志   (商社員)
三田 信   (農業)
上西みどり (公務員)
大野 誠  (警備員・派遣)
片桐琢磨  (露天商)
荒戸康人  (土木作業員)
金森良子   (主婦)
小寺三津美 (廃品回収業)
相良吉兼  (年金生活者)
北里芳信  (団体職員)

※出席者はいずれも仮名

1都知事選とオリンピック
諜報謀略機関の充実
2沖縄の決断
3参院選と憲法改正
4景気は回復したか
5地方分権の功罪と地方創生
6高校野球中継のこと
7TPPと農業改革

鬼面 : こんにちは、お盆でお忙しいところ時間を割いていただきました。今日は6~8月分、まとめて論議します。
熊本地震の爪痕が未だ癒えておりません。被災者の皆様にお見舞い申し上げます。
それからね7月1日夜、ダッカのレストランでJICA勤務の邦人7名を含む23名が殺害されました。イスラム国がらみのテロ事件のようです。日本の大学で教鞭をとっていたバングラディシュ人が関与しているとの情報もあります。犠牲者並びにそのご家族にお見舞い申し上げ、哀悼の真を捧げます。(黙祷)
イギリスのEU離脱、北朝鮮の度重なる弾道ミサイルの発射実験、中国による南シナ海の支配を否定したハーグ仲裁裁判所の判決、また東シナ海では尖閣における中国公船の航行など事件に枚挙のいとまがありません。
スポーツ分野では8月5日、リオ五輪が開幕しました。またイチロー選手の通算3000本安打の達成は日米野球界の偉業といえましょう。
国内では参議院議員選挙で自民党が圧勝し、また都知事選では小池さんが圧勝しました。
8月6日、9日は先の大戦でそれぞれ広島、長崎に原爆が投下さ、同月15日にポツダム宣言を受諾、敗戦が確定しこの日に全国戦没者追悼式が行なわれています。先の大戦で犠牲となられた人々に哀悼の真をささげ、黙祷しましょう。(一同黙祷)
国政の焦点は院の内外における憲法改正の準備作業かな。それからね、米軍基地・普天間の辺野古への移転が暗礁に乗り上げています。今年3月、国と沖縄の和解が成立したんですがね、こじれて結局国は埋立承認の取消処分の是正指示を沖縄県知事に行ったところ、沖縄側が反発して再び国が福岡高裁那覇支部に提訴し、法廷闘争になっているわけですね。来月16日に判決がでます。知事は和解後、実は埋立問題について総務省の国地方係争処理委員会に仲裁を訴え出て、同委員会から「双方が納得できる結果を導き出す」との裁定を得てたんですね。ですから沖縄側はそもそも国の提訴に納得していない。その上裁判は国が手続き論を主張していて基地問題の究極の司法判断を求めるものでもない。ですから僕は国が勝訴すると見ています。判決後の県側の手の内が見えませんが訴訟合戦は避けるんじゃないかな。結局、国も県も沖縄県民の「こころ」を察し落としどころを見つけないと根本的な問題解決に至らないし、政府と沖縄の戦いは終結しない。対外的にも印象がよくないですね。日本政府の統治能力がわかる裁判だけに、アメリカはもちろん中国、北朝鮮など極東諸国も注目しているでしょう。
それから8月8日、天皇陛下がお気持ちを述べられ、生前退位の法制をはじめとする問題整理の必要性が浮き彫りになりました。陛下のご労苦、お身体を思うとこの問題を放置してきた責任の所在こそ追求されてしかるべきと思います。誰もが日々の報道などを見ていて陛下のご負担の大きさを心配していたわけですからね。
リオ五輪が開幕し、なんとなくうきうきとした雰囲気が国内に漂っています。高校野球と重なって野球は場違い、浮いちゃっている。(笑い)
今日はフリーに論議しましょう。どなたからでも結構です、何か。

(都知事選とオリンピック)
金森 : 東京は都知事選で盛り上がりました。投票率は思ったよりよかったですね。小池さんが300万票近く獲得して都民の意思がはっきりしました。私は施設もイベントも豪華で華やかな夢のような五輪を期待しています。小池さんが公約されたオリンピック予算の見直しが気にかかります。
鬼面 : 金森さん、東京都民でしたよね。競技会場や関連施設の建設費のこと?
金森 : もちろんです。競技会場を一新してほしいわね。そして世界一安全で心地よい競技環境を整えた東京をアッピールしてほしいですね。私、2020年には80歳を超えちゃうの。オリンピックまでは元気でいて三途の川で土産話をしたいですね。(笑い)

鬼面 : 新知事の思いはあなたの期待する五輪とは少し違うんじゃないの?
金森 : もちろん経費は大切に使ってほしいですね、税金ですもの。でもね行き過ぎると大会が暗くなりますし商工業者もメディアも納得しません。東京は世界に冠たる大都市でしょう、税収でもね。還元しないと…。小池さんは自民党を離党されたわけじゃないよね。責任放棄はできません。(笑い)

成島 :あなたがそういう発言されるとは意外です。選挙の公約が守られなければ選挙民が黙っていないでしょう。形式的な見直しじゃ納得しませんよ。猪瀬さん、舛添さんがあのようなことになってただでさえ都民は他府県人から批判的な目で見られていますよ。都民の投票能力と申しますか三度同じようなことになればもう首都を任せられない、そんな目で見ていますよ。しかも離党もせずまたぞろ元領袖と二人三脚じゃあやっぱりそうかと東京が好奇の目にさらされはしませんか。選挙民は商工業者やメディア関係者ばかりじゃありません。はっきり申し上げて労働者の平均年収にも満たない方が随分いらっしゃる。年金の掛け金や介護保険料の負担にあえいでいらっしゃる。そういう労働者の切なる願いを反故にすれば政治の堕落といえるんじゃないかな。しかしね、 経費を削れば国が是正指示を出す。国に逆らうと東京も沖縄と同じ運命かな。(笑い)

荒戸 : ちげえねえ。都民はオリンピックの経費負担の見直しをするというから小池さんに投票したんだろ。小池さんの手口をみねえで都民の投票能力は評価できねえ。経費の見直しの中身をよく見てから評価するだよ、首長にふさわしいかどうかをよ。離党するかどうかは政治家個人の判断だろ。都議会を考えるとうまく世渡りしたほうがええかもしれん。しかしそれじゃ首だで。

成島 : 経費を削れば国が是正指示を出す。国に逆らうと東京も沖縄と同じ運命かな。(笑い) しかしね、都民はオリンピックの経費負担の見直しをするというから小池さんに投票したんじゃないですか! 都民や小池さんをみくびった話ですよ。それじゃ選挙で選んだ意味がありません。それに離党するかどうかは政治家個人の判断でしょう。

片桐 : そんなことどうでもよいこっちゃ。テレビの方がよお見えるしな。それに日本はイスラム国の標的になってんやろ。あぶない、あぶない。あえて言うたらわしらの生活をようしてからオリンピックやってな、そんな思いや。

北里 : 合理的にお金を使う、過去のマネー漬けのオリンピックの反省からIOCはいろいろと非難されて対策を打ってきた。開催国も節度を考えて動かないとね。IOCに陳情して競技種目をあれやこれや増やしたり、競技施設をむやみに新築するようなことはしてほしくありません。適当な会場がなければ隣国の協力を得たっていいと思うの。徹底的に精査して税金をむやみに使ってほしくないですね。政府は東京都にムリムリ補助金や交付金を押し付ける必要はないでしょう。裏負担も馬鹿にならないんだから。オリンピックはそもそも民間の行事ですよ。政治的に利用すべきものじゃないしね。
鬼面 : 仰るとおりIOCは五輪誘致や競技種目のありかたについて、様々の問題をかかえています。それを知っていながら傍観者然としているでしょう。開催国の懐具合を見定めて優柔不断な態度をとることこそ問題でしょう。為政者も五輪を政治的に利用する下心が見え隠れしていないか鏡に姿を映してみるべきですね。開催費用、競技種目の縮減に向け主体的に協力し動かないとね。そういうことこそ国を挙げてどんどんやればいい。都合のいい競技種目の加増が開催国の利権のように扱われることは大問題ですね。世界一の大都市東京の知事だからこそ五輪開催の在り方に一石を投じることができる。手腕に期待しましょう。公約だからね。
荒戸 : 小池さん自民党員だって。離党してねえんだって。でもよ、お終いは政府与党の方針に折れ従うだよ、きっとそうなるよ。オリンピックはゼニを撒くいい機会だからよ。景気対策にもなるし野党も文句もいわねからよ、だから安倍さんも猪瀬さんも必死に誘致運動しただよ。舛添さんはそんな空気をよんでやっかみから会場の建設費に注文をつけたんだろ。そこらにもオリンピックが政争の道具になっちゃった証よ。

相良 : なんということを。酔っ払っているんですか。
荒戸 : 酔っ払ってるのはおめえだろ。イスラム国やその同調者が狙ってんだよテロをよ。それによ、五輪期間中、中国に尖閣をうろうろするのはやめてくれとか、北朝鮮に弾道弾の発射実験はやめてくれとか、安全を保障してくれってだれが他国に頼むだよ。仕掛けられて立ち往生じゃ、赤っ恥をかくだけよ。状況によっては選手が出場辞退するかもしれねえよ。
相良 : また変なことを仰る。

(日本の諜報謀略機関の充実)
大野 : そうかな? インテリジェンス組織の未成熟な日本では早急に諜報謀略機関を整備しないと、五輪のような大イベントは打つ資格すらないと非難されますね。警備は一流でもテロリストは有象無象にいるからね。穴ができると一瞬でしょう。日本ではCIAのようにペンタゴンの整備には大分時間がかかるし予算もつかないでしょう。その隙間を狙われる可能性もないとは言えない。公安、警察庁のテロ等の広域情報収集能力の強化や自治体警察と警察庁、法務省との事件処理のシステム化や情報の共有化等の連携は強化してほしいね。オリンピックは良い機会ですよ。諜報謀略組織を実態的に早く整備しないとテロに対処できないし、日本の安全は確保できない、と私は思います。五輪は試金石です。

鬼面 : 僕もインテリジェンス組織の整備は喫緊の課題と考えています。先進国でこれほどンテリジェンス組織の整備を怠ってきた国はまずないでしょう。テロも戦争も仕掛けられると防ぎようがない。現状がそうでしょう。国内のメール情報等々がプロバイダーの協力によってアメリカのインテリジェンス機関に把握されていることが取りざたされた事件もありました。日米間でそうした高度な謀略協定のようなシナリオを描きつつ先々イベント対策などを講じないとテロは防げない。それほど周辺国の情報収集能力は高度化していて、テロリストもまた追いつけ追い越せでせめぎあっているでしょう。過去、我が国はロシアのミグ機の侵入を阻止するどころか、追尾すらできなかった苦い経験があります。仕掛けられる前に情報を採って即応できる体制がないとね。その収集能力と即応力こそ国の礎でしょう、今はね。
話を戻すと、只今金森さんや荒戸さんから新知事の手腕を不安視する発言もございました。しかし今回の選挙で都民は五輪負担の見直しを支持し、小池さんは当選された。メインの政策は絶対的なものと判断せざるを得ません。見直しをしたものの抜け殻じゃどうしようもありません。新知事は徹底的に負担の見直しをされるんじゃないかと思っています。負託にこたえるってことは答えをちゃんと出すってことですからね。もちろん組織委員会もJOCも都民の意思に反して国の指示に従えということは難しいからね。いずれにしても税金を投入するんですから、裏の動きを封じるためにも力のある中立的なコーディネーターが必要ですね。交渉過程を透明化する必要があります。

(沖縄の決断)
田中 : 先ほど鬼面さんから辺野古訴訟のお話がありました。中国の海洋進出や北朝鮮の弾道ミサイルの発射実験等々、これは日本がその標的になっていて、防衛を考えると沖縄を重要視せざるを得ませんね。憲法解釈の変更をして集団的自衛権云々といってみても沖縄における米軍の負担は変わりません。或いは海兵隊の駐留経費の全額を負担してもらわないと駐留しなくともいいと考える人がアメリカにいます。対日安保の分流と申せましょう。いろんな見方ができますね。さらに一歩進んで日本の扱いは米中で話し合えば金がかからないとまあ、そんな日本を無視した方向性を唱える人も皆無でなくなるかもしれません。最近の米中関係はなんとなく親和的ですからね、むしろ日本の冷静な対応を求めているでしょう。
アメリカと中国で世界の警察権を分け合う時代に発展するかもしれない。そんな勢いが中国にありますね。北朝鮮の核弾道ミサイルはほぼ実用化されたとみてよいでしょう。北朝鮮は弾道弾を日本海に着弾させることがあっても、アメリカ本土を脅かすようなことは行っていない。好んで北朝鮮が標的にされるタネを撒くはずもないからね。自制していますよね。

相良 :しかし日米は沖縄を防衛拠点と考え続けているってことですよ。国民のなかには沖縄に向かって税金を渡しているんだから基地ぐらい我慢してねっと、そう思う者がなきにしもあらずです。日中戦の危機に陥るともう、沖縄は無人島になるんじゃないかと危惧します。日本は尖閣や竹島周辺の固有の領土に侵入されても警告や臨検すらまともにできないわけだからね。海保と自衛隊、一体何人控えているんですかとね。
田所 : 朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争に沖縄の米軍基地が使われました。戦略上、これ以上の基地適地はないってことでしょう。都市には顔があって沖縄は基地の顔ができている。だから栄えている。国からお金も入ってくる。不満を言い出したらきりがない、我慢してほしいと考える国民もいる。

田中 : そう簡単に片づけられないところに沖縄問題があります。もう少し沖縄の歴史と現状を認識すべきですね。
鬼面 : さきほど沖縄は国からお金をもらっているというお話がありました。特措法に基づく予算配分のことでしょうがちょっと誤解があるんじゃないか。沖縄の歴史的な経緯から議員立法によって予算配分の成り立ちが本州の府県とは異なる扱いになっているわけです。沖縄に基地があるからお金をつけるということではまったくないし、特別配分があるわけではない。北海道も同じですね。本州では都府県といういわば小藩が分立していて、加えて国の行政組織が縦割りになっています。各省は管轄区域を分割統治し、出先機関が各都府県内の主だった道路や港湾、河川などの整備や管理を行っている。ある意味、非常に非効率ですから国の組織の再編統合が行われ、道府県についても道州制の検討がなされてきました。そうしないと地方分権もも進まないわけで行政上のネックにもなっている。しかし沖縄はそうじゃない。しかし沖縄はそうじゃない。日本に復帰後、沖縄事務局が一元的に公共事業等の国直轄の事務事業を執行しているわけですね。非常に合理的な運営が行われている。沖縄県に対する一括交付金も他府県と比較して制度上、異なるものではありません。沖縄事務局が執行する国直轄費と交付金の合計予算額が恰も沖縄県の手取り金のように思われているがそうではない。本州では一般的に、国直轄予算と交付金の合計額を都府県に割り戻して○○県に〇〇億の予算を配分云々の表現をしませんから沖縄が基地と関連付け大金をもらっているように国民は錯覚する。国家公務員の人件費や庁費などを勘案すると県民一人あたりの投資額は沖縄県が多いとは言えません。人口が少なく投資効率が悪くなるのは当然ですからむしろ抑えられているといっていいでしょう。
田中 : 私は沖縄の人々はお金より平和で静かな社会を求めていると思います。

片桐 : 沖縄の進む道筋に答えがないやろ、だあれも想定もできとらん。言えることは今の日米両国の考えでは沖縄は防衛の前線基地から永劫に逃れられへんで。尖閣の領海内に中国船が出入りしてんで。日本が尖閣を国有化したんは最近や、その前はどこの国のもんかわからんかったんやろ、棚上げしとったんや。日本の実効支配云々といわれてきたが中国は納得しとらん。領土は国家間で認め合うことや。それができんかったら国有化したんやろ。南シナ海と同じ構図や。いざとなったら中国は国連の意見を聞かんやろ。アメリカかておんなじや。敵対国の要人の殺害など実力行使するやんか。裁判結果でも国連決議もでてへんで。自国の利害を損なうものへの報復をかってにやるやろ。中国は南シナ海の次は東シナ海を抑えにかかるんとちゃうか。そんだけの力があるさかい中国は尖閣の日本の領海を堂々と航行しとるんや。北朝鮮もおんなじや。あっちは移動式の弾道弾の発射台やら無人機をもっとるやろ。方々から核弾頭を打ちこまれたり、海面すれすれに無人機が飛来して攻撃を受けかけても落としようがないんとちゃうの。中国も北朝鮮もそんなことせえへん言うたかて保証の限りやないさかいにな。もうのんびりしてる暇などないはずや。

田中 : 尖閣、日本海と自国の防衛に理屈を立てて日本攻撃の準備は整えている。日本の領海であれば排除できる。尖閣など東シナ海で小競り合いがあると沖縄の出番がくるよね。
上西 : 沖縄の民心はもう日本政府とアメリカから離れてしまったとみていいのかしらね。双方、民心を繋ぎとめる「こころ」を沖縄に示してこなかったと思うの。人は結局、力を誇示して押さえつけると反抗するわね。沖縄が琉球として独立することを願う人が増えつつあるようね。琉球語を標準語に変えてまで経済も文化も本土に近づこうと努力したが米兵や軍属などに人権を蹂躙される事件がしばしば起こっています。傍で見ていて何もできない辛さを味わっているのは沖縄の人たちでしょう。知事が顔に泥を塗られて返ってくることがあっても辛い気持ちを共有できるのはウチナンチュウーでしかなかったでしょう。ここに沖縄の悲劇と独立への渇望が凝縮されているように思うの。アメリカの次期大統領選は11月、米軍の撤退或いはポスト海兵隊が少しでも現実味を帯びると憲法改正が政府与党の視野に入っちゃう。
鬼面 : しかし、どちらにころんでも沖縄の悲劇は止むことはない。

田中 : 私は近い将来、沖縄の進路選択の論議に火がつくと思うの。しかしそれは営々として築いてきた経済社会の崩壊を示しているから簡単ではない。島民が決断すればそれは奄美諸島や鹿児島本土にまで飛び火すると思うの。即独立でなくとも政治的な中立宣言乃至独立運動へと進化するかどうか、中央政権の反目と有形無形の攻撃を受けることは沖縄県民の視界に入ったと思うのね。
小寺 : よくわからない。政府は革命運動と見做せば抑圧乃至押さえ込むこともできる。
田中 : ですからね、最初は政治的な中立宣言を党是とする政党の出現や中立運動がコミュニティーから湧きで奔流になる、そんな変化ですかね最初はね。
鬼面 : すでに起こっている。あんたの言うことを否定はしないがアメリカがそうはさせないでしょう。アメリカの財政事情や残虐な事件の発生によって日本の国論を二分するようなことがあっても沖縄はやっぱり自由主義社会の砦であることには変わりがない。独立運動がおきて衝突すればまずアメリカが実力行使して鎮圧するでしょう。

田中 : 内乱の収拾、基地が大事だからね。それじゃ何も変わりません。
鬼面 : 政府与党は世論を喚起し、党是に沿った憲法改正を行なって(発議して)、軍隊を整備するでしょう。アメリカが撤退乃至現有勢力を割けば極東の均衡は防衛分担によってしか実現できないでしょうからね、日米で協議が行なわれる。衆議院議員の任期満了が再来年の暮れでしょう。消費税10㌫への引き上げ時期とも重なっているので、時期的には国防の危機感を煽って秋口に解散に打って出る。議席を積み増しして臨時国会で一気に憲法改正の発議をするんじゃないかと僕は考えています。防衛力の再整備は消費税値上げを後押しする良い材料にもなりますからね。

(参議院選と憲法改正)
白根 : 参院選で野党は一人区でよく頑張りましたよね。しかしトータルでは大敗、自民は公明、維新を加えて参院で3分の2議席を確保しましたからね、国を動かせる。
荒戸 : 安倍さんはきっとがっかりしているよ。沖縄で米兵の事件があっただろ。辺野古への基地移設も政府と和解したようでそうでねえよな、前より悪くなっちゃった。何やってんだと国民はみてるよ。それからねアメリカで共和党のトランプ氏が対日の問題でもわめいているだろ。駐留米軍にもっとゼニを出せとか言って…。嫌ならてめえ勝手にしやがれってことだろう。安保も何もあったもんじゃねえ。やっぱ自国民がかわいいからよ、日本の犠牲にはなりたくねえとね。
鬼面 : そういう思いもあるかもしれない。だけどそうはならないと思いますよ。沖縄は自由主義社会の砦でしょう。過去の出撃記録をクリアーすると反自由主義国への重石がなくなってしまう。日本に代替能力がないのは当然でしょう。新たな極東の政治地図の塗り替えが始まる。
小寺 : だから日本の領土が極東諸国の草刈場にならないよう憲法改正、つまり軍制を整えないと日本は生き残れないということでしょう。国民のそんなことは大体わかるから自民党に投票する、そこが与党支持者の本音じゃないのかな。だから鬼面さんは再来年の解散総選挙後の改正発議を指摘してるんでしょう?
北里 : 安倍さんは同日選に打って出て選挙後の憲法改正の発議を想定していたのかな。でもね地震やテロといろいろ起こって同日選は吹っ飛んでしまったよね。でも参院選に勝利したわけだから、院内外で淡々と勉強会や審議が始まって次期衆議院総選挙では、堂々と自民の憲法改正案を問う選挙になるんじゃないかと思います。総選挙前に、一気に改正発議というわけにはいかないと思いますよ。自民党案そのままで院の発議案がまとまるとも思えませんし、やっぱり衆参両院、特に衆議院で自民党単独で三分の二以上の議席がないと発議できないでしょう。そんなことは十分、自民党はお見通しと思いますよ。それからね第一、国民は自民党案の内容をよく知らないよね。自民党は参院選の公約として改正内容の説明まで行っていないからね。やっぱり次期総選挙で具体の内容を公約としてアウトラインを提示して単独で三分の二以上の議席をとる。後は数の力で両院を押し切って発議する。そんなストーリーじゃないかと思います。それならわかる。
荒戸 : 誰もわかんないよ。何が起こるかわからないのが人の世、俺はね再来年まで待たずに来年中にも解散してあれやこれやの公約をして選挙するんじゃねえかと思うだよ。単独で三分の二とりてえだろうな。

田中 : 尖閣や弾道ミサイルの実験など日本周辺は大変、憂慮すべき事態ですね。領海に漁船や艦船が出入りし、領海を侵され、弾道ミサイル実験も領海めがけて打ち込まれ止むことはない。対処もできないそういう哀れな姿を国民に見せておいて、一挙に議席を増やして憲法改正の発議に向かうと推することもできるでしょう。でもね他国は敏感ですよ。先の大戦の総括ができていないでしょう。開戦に至る軍幹部の責任、靖国問題、大陸で起こした事件等々に周辺諸国の理解がまったく得られていない。それらの問題をおろそかにして改正論議に走ると、対日攻撃が激化して破滅的な結果になりはしないかと心配です。靖国問題などでは戦犯の合祀を問題視する方もおられますがその指揮下で戦死されたご遺族の多くは肉親もまた戦犯と同視されるという感情から問題に触れたがらないでしょう。情はよく理解できます。
荒戸: 兵は指揮官じゃねえだろう。戦争に負ければ自刃したり、囚われの身となれば切腹や獄門だろう。敗戦は悪だからよ、兵とは別の重い処罰を受けるだよ、世界共通の戦争のルールのようなもんだで。だからよ戦争を指揮し負けた者は兵とは別の処遇で墓に入るだで靖国は特殊な思想的背景を思わざるを得ないな。兵とは一緒に祭らないのが古来の風じゃねえのかよ。靖国でもおんなじだよ。しきたりに従ってそうしなければ戦犯が浮かばれねえんじゃないの。

鬼面 : 極東裁判を経てきましたからその辺りの日本人の判官びいきというか感情的な問題もあってそういうお祀りをしたひとたちがいるんでしょう。考え方は様々でしょう。
ところがね政治家の靖国参拝はちょっと違っていて支援団体との関係を探るとそこは明々白々になるんじゃないかと思いますよ。独自の戦争観をお持ちかもしれないので聞いてみないとねよくわかりません。しかし田中さんが仰ったことは大変心配な状況にあると申し上げなければなりません。特にこの2~3年、僕たちは思考の時間を共有しなければならない。
さて、植山さん、仕事は順調ですか。

(景気は回復したか)
植山 : 大型車の運転は力仕事のようなところがあって大変ですが育児でお金が必要なときは親方が仕事を回してくれるんですよ。景気が少し上向いている気はしますがどうでしょうかね。
片桐 : 月例経済で景気の好循環が続いている、引き続き底堅い動きがみられる言うてもどうかな、実感湧けへん。経済には山があるやろ。谷底までころがってこんな。「百キン」があるから何とか生活できてる。
上西 : 設備投資や消費支出が改善されていない、中国経済の減退等々が続いていましょう。よくなるはずがありません。大阪の電気街など歩くと随分、外人の買い物客でにぎわっているようですがね。
荒戸 : 一部の経済がまわっているだけだろ。パート、非正規が横行してよ日本がおかしくなっただよ。俺たちはもともと飯場を転々としてたから何もねえけどよ、いまの若けえもんは可愛そうだよ。利益が従業員に還元されない、なんてこった。いつからこんな国になっっちまっただよ。

田所 : 資本主義国の一般的傾向ですよ。企業道徳の貧困がグローバル化して非正規の問題は世界共通の課題ですね。地方の工場従業員の過半が非正規のところもあるでしょう。貧富差の拡大を助長してしまった。高齢化とも重なって市町村の負担も重くなっている。ところが社会主義国、共産国はマイナス経済の影響を受けにくい体質があるし、長期的には安定感がある。資本主義国が乗り越えないといけない課題ですね。
片桐 : デフレが不動産の動きを止めとる。家売っても査定はゼロ、ごみやで。せやから高齢者の生活はグレードアップしていかん。老後は郊外に家買うてのんびりと暮らす気にならんちゅうことや。査定ゼロやったら何のため家買うたんや。働いた結果がこんなことかちゅうことになる。あほらしいわな。わしがそんなこと思うくらいやで、年寄りは泣いとるで。不動産が社会資本として認められとらん。こんな国ってあるかいな。
上西 : 涙金くらいは上乗せしてくれるでしょう。不動産売買に税制が持ち込まれ、原価償却済みの評価くらいしかえられない。そのあたりは本当に問題と思うの。不動産に別途の評価基準があるべきね。そうしたことこそ国は基準を示すべきと思うわ。経済がころがっていくようにしないとね。
鬼面 : デフレ経済の改善が進んでいない証でしょう。規制がそれに拍車をかけている。都市計画や建築制限がそれですね。昭和40年代のインフレと乱開発の恐怖が霞ヶ関にまだ残っていて地方行政に影響を与えている。そこはクリアーにして市町村を指導しないと計画行政は動かないし、経済再生の推進力にもならないでしょう。

(地方分権の功罪と地方創生)
上西 : 近年、地方分権が熱病のように蔓延していて危惧感があります。地方分権は賛成ですが受け皿を考えずに進めると大変なことになりますね。先ほど鬼面さんが計画行政のこと仰ったでしょう。都市計画の線引き、つまり都市計画区域と市街化調整区域の線引きの権限が市町村におりました。都市計画区域が廃止になると住宅等の建築ができるようになります。しかしね農村では農業振興区域の線引きの見直しが進まない、したがって都市計画解除の恩恵が極めて限定的にしか現れていない。これじゃ何にもならない。地域の発展を阻害している。戦後、フリーズしたままのところも随分多く、農作放棄地や飯米農家、趣味で農産物の生産を続ける農家の農地が有り余っていてもどうしようもなく動きがとれない。農作放棄地や飯米農家、趣味で農産物の生産を続ける農家の農地が有り余っていてもどうしようもなく動きがとれない。市町村内部で未だに開発か農地の保全かの論議をしていて調整能力が死んじゃってるのよね。そんな状態じゃないかと思います。権限委譲の効果が減退し、社会経済の発展を阻害している。市町村の体制や執行能力を考えると国は権限移譲にともなう自治体の仕事につきアクションプログラムを示すなど技術指導を早急に進めるべきだわ。特に農振区域の見直し、これは自治体で対応できます。農地法の許可は未だ中央集権になっていて政府が市町村農業委員会を指図してますよね。転用許可基準の緩和を大幅に進め農協に許可権限を委譲するなど岩盤を切り崩さないと安倍さんが目指す強い農業は生まれてこないし、耕作放棄地の拡大を止めることはできない。末端でもね市町村が遠いところにいて農業委員などに指図している時代じゃない。時代遅れもはなはだしいね。わかっていてやらないと責任問題というより農政が歴史に残る失策を重ねることになるでしょう。

鬼面 : そのとおりです。地方分権はよいことだと思いますが自治体内部のセクト主義が一番問題で次は能力の問題があるんじゃないかな。そこは分権を進める限り国が技術指導を強化しないとだめですね。権限が自治体に移ったのでそちらの窓口を紹介します或いは自治体に聞いてくださいとかの返答じゃじゃどうにもならない、頓珍漢のきわみですね。住民は埒が明かないから国に訴えるわけだからね。分権がうまく進まない、申告案件があった、そういう状況が見え隠れするようになれば国は技術指導を行なわないと国・地方を通じた行政レベルの向上が望めない。
荒戸 : 分権はええことだよ。でもよ怠慢に慣ちまったから自治体の動きを変えることは難しいと思うな。官吏は新しい考えには抵抗を示すだよ。それからよ役所内の仕事に縄張りがあるんだろ。建築屋と河川屋、田んぼ屋の競争は熾烈だろ。そんなことも頭においていて自治体の仕事を考え直さないと分権は猫に小判なっちまう。

糸島 : 荒戸さん、だめですよ。もうそんな時代じゃないよ。建築屋が何か言ってきたらきいてやらないと拒否すれば自治体は仕事ができないんだから。納税者がそんなこと言い始めたら自治体はますます動きません。
荒戸 : そうかよ。わかったけど仕事は人がするもんだで。見解の相違ってこともある。しかしそれを口実になんもやらなければ罷免を求めるだよ、おいら達はよ。
曾根 : 地方創生は地方分権そのものでしょう? 結果が分権の評価になる。プレミアム商品券の買占めとかよからぬことを考える者もいる。あれって何なんですか。中身が見えてこない。それで地方創生になるの?
上西 : 進行中です。(笑い)

曾根 : ああゆうことって商店街は歓迎しているの。一時的に売り上げは伸びると思うけど続かないでしょう。恒常的に経済効果が現れないと商業者も喜んでばかりおられない。
片桐 : 地方創生は都道府県知事や市町村長の人気取りでやっとるんやろ。そんなことばっかりや市町村がすることは。地方創生は産業を起こして暮らしやすい地方をよみがえらせ、人口を増やすことやろ。先ほど上西さんから国の提示モデルと実際の創生プラン見せてもろたけど、市のプランは何やねん。住民にできもせんようなメニューを引き写して怪しげな人口推計をしてるだけや。プランを審査して有望なところに金をつぎ込んだらええのんと違うの。現状はちょっとも地方創生になっとらん。ばら撒きや。国政の鼎の軽重が問われるで。

鬼面 : 津々浦々、地方の創生をおしなべて進めるわけだから国の方針は間違いともいえないでしょう。問題は運用ですよ。国はそりゃいろいろとメニューを出してプレゼンテーションしているから選択の趣旨を違えず姑息な手法を使わず、見せ掛けを排除して地方の振興に全力を投入ほしいね。そうすると人口も増える。皆さん地元自治体の創生プログラムを読んで評価してみてください。フォローして、それぞれわが町の創生プランを持ち寄って論議してまいりましょう。
それからね、分権ブームでどんどん地方に権限が委譲されとんでもない状態に陥っている事務事業がいくつかありますね。国や都道府県はその執行状況を精査してきちんと技術指導しないととんでもない混乱が生じる。

荒戸: 飯場にいると里道水路つまり法廷外公共物と私有地の境界争いから工事がストップすることが間々あるだよ。法廷外公共物特に里道を取り込んじゃって私有地化してしまったり、ひどいものになるといったん私有地を寄付して道路となっていたはずのところが元の畑になっていたりするだよ。人の欲は賽の河原よ。ひとつまたひとつ、積み重ねていくだよ。
鬼面 : 権限委譲によって市町村長が法廷外公共物の財産部局長に指定されています。しかし里道水路の財産管理は杜撰といっていいほどいい加減ですね。市町村の官吏ですら市道か里道か区分けができない者がいますね。従前から農業用道路或いは用水路として使用されてきた経緯があって維持管理は実体的に各集落が行なうものという感覚であって、それが国有財産であるという認識がないとしか思えない。とんでもないところに管理権限が下りたわけです。道路台帳すら整備していないところがあり実に嘆かわしいですね。そういうところは道路敷地として寄付を受けても嘱託登記すら実行していない。だから荒戸さんが仰ったように何かにつけもめるわけですよ。水路も普通河川として管理の密度に濃淡があります。いい加減にしている所はやっぱりうまくいかない。そこらのけじめが市町村行政の評価にもなるし、暮らしにくい逃げ出したい市町村と烙印を押されることにもなる。結局、人の泣き笑いは足元が照らされているかどうか、気にも留めないところにまで神経が行き届いた行政が行なわれているかどうか、そこが行政の信頼性に直結すると僕は若い人によく言うんですよ。地元にお帰りになって法廷外公共物の財産管理のことも調べてみてください。宿題にしましょう。(笑い)

それからね道路の掘り返しの問題。年度初めに道路管理者の調整会議があるんだから国が主導してかなり綿密な打ち合わせをやっておかないと市民の不満がやがて噴出するだろうし、やっばり税金の無駄使いですから心して懸命にやっていただきたいですね。
荒戸 : 俺はね、市町村の若い官吏の問題と思ってんのよ。市民と接触するだろう。きちんと説明できれば納税者だって気色ばんでものをいうことはないと思うだよ。路面の凹凸面が基準値以内ですから問題ありませんじゃきょうび誰も納得しやしないよ。基準の意味合いちゅうか例えばよ、腰痛持ちの人なら自動車で問題個所を通行するときはこうしろああしろといった心がけを言いつつ、苦情が出ないように市当局としてはこう考えているとかいったようなことをだな、ひとの気持がわかる接遇と、やっぱ掘り返しの許認可の際、やたら許可しないことでねえかな。調整会議後の申請は翌年、検討するちゅうようなことだな。道路は社会資本だからよ、そのくらいの心得はあってもバチは当たらねえだよ。

(高校野球中継のこと)
北里 : オリンピックが始まって日本選手の活躍に期待しています。いま国内では高校野球が始まっています。しかし国民の目はオリンピックに釘付けでしょう。僕など普段、野球に関心はないし野球中継を見ないから、高校野球に違和感を覚えます。どうして中継なのか、スポーツの普及、振興それからNHKの電波しか届かないところってもう日本にはないでしょう。野球をテレビ中継する意義が薄れたといってよい。普及振興すべき種目はほかにあるでしょうって思います。
片桐 : そのとおりや。俺が生まれてからずーっとKHKは春、夏の2回、高校野球を中継しとるで。何でかなと思うな。普及率が高くてポピュラーな競技だからといって放映すべき根拠にはならん。スポーツの底辺を広げて世界に通用する競技種目を一つでも二つでも増やしていく、テレビは効果絶大やからね。野球はもう独り立ちできててる競技やし陸上競技や他の球技などに切り替えてほしいな。野球から卒業していいころや。それからなネットの普及によってテレビももう時代遅れになってきてもた。ネットでなんぼでもスポーツ中継見られるやん。テレビは画面の大きさだけがとりえや。しかし、もうそれもネットに追い越されるやろ。
金森 : 同感。もう野球ばかりの時代じゃないものね。ピックアップして録画放送に切り替えるとか、時代にあった放映のあり方を考えてほしいわね。それに受信料の問題。高すぎるわね。職員給与の見直しや施設整備のあり方など総合的に改革してほしいわ。綱紀の粛正は言わずもがなですよね。ラジオはいい役割を果たしているわね。今夏、息子の運転で郷里まで自動車で移動する途中、NHKの夏休み子供科学電話相談だっけ、聞いたけどよかったわ。あの番組は大人の視聴者も多いそうね。回答者はみんな屈指の文化人でしょう。アナウンサーもよく訓練されていてさすが会話のプロね。いい番組にいい職員がいるのね。テレビもBBCとまでいかなくともやればできると思うの。改革してほしいわ。
三田 : 一言いいですか。
鬼面 : 欠席かと思っていたので失礼しました。どうぞ。

(TPPと農業改革)
三田 : TPP協定の発効がまったく進まないでしょう。僕はねあんな内容だったら発効しない方がいいと思っているんですよ。
鬼面 : 農業分野のこと? アメリカは国内の不満を抑えきれない状況も見え隠れしていますね。特に農業分野ですね。自由貿易のはずが中身のない制限貿易になっちゃった。
白根 : 本当に忌々しいわね。国会質問など聞いていると完全自由化を唱える質問者はいなくてみな農業擁護のシュプレヒコールばかりでしょう。国民の代表があれじゃ消費者でなくとも疑問もつでしょう。何で飛び乗ったのTPPに。既得権益を守るため?

荒戸 : あなたがいくら騒いでも農業交渉はみな昔から同じだで。だからこんな足腰の弱い農業国になっちまっただよ。補助金もらって、戸別補償してもらって、不作なら補償金もくれるこんないい国、世界中にねえよ。大きな家に住んでよ、いい暮らししてるよな。俺たちと似たような土木作業をしていながらどうしてそんなに優遇されるのか不思議だで。
三田 : 先回でしたか鬼面さんが農地の集約と入札による大規模農業を提言されていましたが賛成します。なぜ進まないのか。JAが進める形ではやっぱり自由化に勝てない。企業的経営を徹底的に進める、コメの輸出が可能な生産コストを実現する、私は農業で生き残る日本のかたちができなかったことに苛立ちを感じます。
鬼面 : 三田さん、気持ちは理解できないこともありませんがもう少し平静に、時期を待てばよしい。団塊の世代が20年すれば地権者としても完全にリタイアーします。あなたはその時、まだ50歳代でしょう。生産性の高い農業を追求して、あきらめずにがんばっていただきたい。

片桐 : そんなこと、三田さんに求める方がおかしいわ。すぐに農業を変えんとアカンのやろ。国が農業に税金をつぎ込んでるんやろ。のうのうと終生、農業つづけられたら困る。補助金を返上してやってほしいな。わいらは国から一銭ももろとらん。からだ壊したらやっていけん生活や。同じ肉体労働でなんでこれほど違うの。農民はかわいそうな人やないで。

荒戸 : キミがいくら声を荒げてもどうにもならないよ。国の制度は自治体から国まで議員という岩盤で守られているからよ。議員は農家票がほしいわけだよ。議員は農業の生産性でアメリカの農家に太刀打ちできないこと知ってんだろ、だからよ関税撤廃に反対してTPPでなくなっちゃったんだよ。政治のイロハよ。

鬼面 : 団塊の世代がいずれ世代代わりします。新しい農業の再生に向け、三田さん頑張ってください。
今日はこれまででとします。北近畿で干ばつが続いています。暑い時期、畑作農家の潅水作業は本当に命がけです。お見舞いと豊穣をお祈りします。    了」

言論の泉 NO15 衆参同日選,女性遺棄事件と基地の行方,TPPと農政,東京都知事の海外出張

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鬼面兵衛門の言論の泉
座談会/2016.5.27

司会 鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美  (大学生)
植山和美   (トラック運転手)
曾根重雄 (飲食店経営)
糸島史郎   (大工)
白根小百合 (会社員)
田所康志   (商社員)
三田 信   (農業)
上西みどり (公務員)
大野 誠  (警備員・派遣)
片桐琢磨  (露天商)
荒戸康人  (土木作業員)
金森良子   (主婦)
小寺三津美 (廃品回収業)
相良吉兼  (年金生活者)

※出席者はいずれも仮名

1衆参同日選の可能性
2女性遺棄事件と基地の行方
3TPPと農政
4東京都知事の海外出張

鬼面 : こんにちは、3ヶ月ぶりの座談会でございます。体調が悪くてね、延び延びになってしまいました。さて今日は伊勢志摩サミットの二日目、最終日ですね。オバマ大統領の広島訪問もございました。アメリカの反動主義に思いを致すとき、オバマには円満な常識が感じられますね。原爆資料館を訪れ、演説は原爆を投下した核保有国の為政者が持つべき自戒と犠牲者への祈りを捧げたものでした。一方、先の大戦の真珠湾攻撃について僕は日本人がアメリカ国民に対しどれほどの断罪を行ってきたか疑問なしとしません。東京裁判が日本人に偏屈なナショナリズムに火をつけてしまっている。為政者は虚心坦懐にアジアは無論、世界の人々に対し戦争犯罪人への総括を示さないと真に尊敬されません。そんなことにも思いを致しながら、オバマ大統領の演説を聞いていました。暗雲漂う世界経済、北朝鮮の核保有の問題、テロ、難民等々、話題は盛りだくさんです。それから先月14日には熊本の地震で大惨事となりました。東南海地震や首都直下型地震が取りざたされているときに熊本で発生し、大分県にまで及ぶ大地震になりました。「九州大地震」と言ってよいでしょう。亡くなられた方に哀悼の真をささげ、被災者に心からお見舞いを申し上げる次第です。(一同、黙とう) 東京や大阪で想定されているような地震が発生すると数十万人もの犠牲者がでる。しかし首都の移転や東京都区部に住む人々の移住など広い意味での震災対策は遅々としていますね。これはやっぱり地震予知の難しさが国民に妙な安心感を与えている、そんな思いもあるわけでございます。TPPの行方も気になりますね。参加国の足なみがそろっていない。特に農業・自動車分野は自由貿易の根幹にひびが入ったまま条約が締結されてしまった。アメリカ議会の賛同がすんなり得られるか、大いに疑問です。発効が相当遅れるんじゃないか、そんな思いもあります。それから東京都知事の政治資金の使い方や出張経費の問題で国民のひんしゅくをかっていますよね。公務員の出張経費といいますか宿泊費や旅費は法律或いは条例にしばられるので、今回の東京都の問題は事件に発展する可能性も否定できない。第三者委員会の調査報告でお茶を濁せるのかどうか、都議会も疑惑の解明に率先しないと失った信頼を取り戻せない。日本列島はいまも嵐が吹きやまない。おいおいと論議を進めてまいりましょう。

(衆参同日選の可能性)
荒戸 : 夏の選挙が楽しみだよ。総理には衆参同日選をやってほしいね。屁理屈は要らねえよ。
小寺 : 安保や経済、根幹のところをクリアーにするためにも同日選は必要ですね。

田所 : 仕事でヨーロッパや東南アジアへよく行きます。ヨーロッパではアジアと言えば昔から中国なんですね。今日、中国なくして世界の経済も和平も語れない。事実、ヨーロッパは中国に異常に接近し始めている。新しい時代に突入しているから日本も発想を変えていかないとね。

鬼面 : 今の日本じゃだめってこと? 新らたな中国政策が必要ってことですか。
相良 : 僕も基本、田所さんとおなじ考えなんです。領土の問題はさておき、中国は、例えば基礎素材の粗鋼生産量は日本の約8倍ですよ。人口は13億5千万人でしょう。内需と加工品の輸出によって経済は膨らむ一方ですね。粗鋼は日本の12倍、アメリカの4倍、ヨーロッパの約2倍の生産量ですよ。ダンピングだの国家の介入だの中国を非難したって、中国から見るとそれはやっかみ、自由主義経済陣営の市場介入なのでしょう。GDPは近い将来、アメリカを抑えて中国が頂点に立つ、止められますか?

金森 : もう中国をサミットから排除する時代じゃないわよね。仲良しクラブのサミットじゃね、経済、軍縮などにもよい影響を与えない。
大野 : 中国だってロシアだってサミットに出席したことがあるんだけどね。悪いことをするから排除されるんじゃないの。

相良 : そういう感覚だから一向に埒が明かないわけだ。
田中 : G7の選民思想と共産主義への嫌悪感が障害になっている。サミットは主要国首脳会議でしょう。中国、ロシアをはずした主要国なんて変ですね。私はこの会議は極めてセクト色の強い首脳会議と思っています。真の主要国会議とは言えません。中国やロシアを排除すれば経済も世界の和平も語れない。自由主義国家の仲良しクラブじゃだめですよ。中ロとの対立は深まるばかり。
片桐 : ほんまに世界はひとつにならんとあかん。中国やロシアを会議に呼ばんのはおかしい。抗争相手に頼っといて、サミットで排除すれば何の解決にもならん、対立を激しくするようなもんやろ。一緒にやればよいこっちゃ、おえらいさんクラブの慰労会やったらやめといたほうがええ。浪費の余裕はどこの国にもないはずや!(笑い)

鬼面 : 衆参同日選からだいぶ遠のいた話になりました。話を戻すと、僕は与党の「消費税10パーセント」の再々延期に同日選の臭いがします。
白根 : 同感です。再々延期は経済政策の失敗を公言するようなものですね、しかし消費者たる選挙民には朗報になる。選挙対策を重ねた与党の策略ですよ、これは。円安株高が進んで、インフレターゲットは未達成。アメリカ財務省は先月29日、日本を監視リストに入れましたよね。ドイツや中国を指定したのとは意味が違う。円安に為替操作の疑いがかけられている。政府と日銀の関係が蜜月とは思いませんが金融政策への関与・指導とまで言わなくとも距離感が問題、リストに挙げられて当然かもしれませんね。「アベノミクス」を批判しても「増税の先送り」には勝てないわね。先送りを公約して同日選を仕組まれたら選挙民が飛びつかないわけがない。野党は大敗するでしょう。納税者たる国民はもともとデフレの方がいいんだから、当たり前の話ね。

上西 : みなさん増税は必要と思っていらっしゃるわけね。先送りはすべきでないと。歴代内閣の財政運営のまずさが800兆円を超える財政赤字をうんだわけでしょう。もちろん与党を選んだのは国民、経済が失敗すれば増税で政府与党と国民が共同責任で増税に耐える。再々、頼みもしないのに与党が延期してくれる。国民はタナボタね。本当に与党は民心をよんでいますよね。
鬼面 : 赤字はそう減るもんじゃないからね、与党は善後策を示さないと。延期だけじゃダメですね。

上西 : 硬直化した予算編成の抜本見直し、土地政策の見直し、規制緩和等々財政健全化のための大計を示すべきでしょう。のほほんとしている時じゃないのだから日本は。ドイツの将来を見据えた政策の企画能力と推進力を見習うべきだわ。与党は財政が崩壊して後年にツケを回すかどうかの瀬戸際の判断を求められているわけでしょう。再々延期はいただけません。まず約束通り増税を実行して国民の信を問う、責任政党らしくね。同日選は悪いとは思いませんよ。しかし姑息な考えで、再々延期の旗を立て国民に返事をくださいじゃこれほど国民を見くびったはなしはないよね。

相良 : 選挙前に緊急経済対策を打ち出して、勝って補正予算じゃだめです。赤字の山を重ねるだけでしょう。まず増税ありきですよ。
田中 : そのとおりですね。予定通り増税を実行して硬直化した予算編成の見直し、思い切った土地対策や規制緩和をやらないと景気はよくならないでしょう。生産の土台を変えないとね。

鬼面 : 公共事業の出番をつくるってことかね? 地震対策をはじめ、都市基盤整備の強化など課題は山とあるからね。
荒戸 : 俺なんか土木の仕事はある方がいいけどよ、それじゃ放漫経営の悪循環。アベノミクスの失敗は国民に感づかれているだろ。うまくいかないこともあるさ。そこはもういっぺん消費税を先延ばしして、同日選に打ってでて衆参で三分の二とって突っ走る方がええだろ、俺はそれに期待してんのよ。

田中 : 何に向かって突っ走るのですか?
荒戸 : わかってねえな、憲法改正だよ。アメリカに過剰な期待もできねえだろ。先日、沖縄で事件あっただろう。米軍には早く出て行ってもらわねえとね。国は自力で守るのが一番さ。同日選はその布石が打てるチャンスだぜ。与党が楽勝の時代はもう巡ってこねえからよ、せいぜいやりたいことをやってしまうだよ。

鬼面 : バブル崩壊から25年経った今日、地方都市の地価は10分の1以下に下落したところもありますね。団塊の世代が汗水たらしてやっと手に入れた土地がそんな状況ですからね、庶民は政治を恨んでももう二度と大金をはたくようなことはしないし、財布の口も堅いですよ。高齢者は今はデフレを望んでいますね。若者もデフレの方が暮らしやすいと思っている。年俸程度で中古住宅が手に入る時代になったからね。インフレになるとそうはいかない。しかし法人はそうでもない。パナマに金庫を預ける者は放っておいても痛し痒しのところはありますね。(笑い) だから僕はもう露骨にインフレを連呼しないで規制緩和や土地対策なんか相当、思い切った政策を打ち出すと思っています。だけど、例えば都市計画区域を白地にしても農地規制がそのままじゃ現状は何も変わらない。そこは省壁を乗り越え、地方に任せるような手法は選択しないで、現代版土地対策推進要綱が必要ですね。それからね安倍内閣にはもともとTPPをテコに農地を流動化させる着想もあったかと思いますがTPPに聖域論争が侵入して初心とはだいぶ違うところに堕ちてしまった。TPPは骨抜きにされてしまった。

上西 : 都市計画は自治体の仕事でしょう。確かに地方分権の時代といわれていますね。しかし鬼面さんが言われるとおり、自治体は分権が負担になっているよね。体制や能力を考えないで地方分権を推し進めると逆効果ですよ。奇妙な地方再生論が跋扈して混乱が生じましょう。まあしかし分権の趣旨は買えるので、そこは国は補助者になったつもりで地方に対し技術援助をしないと批判の矛先が霞が関に向いてしまう。都市計画や土地対策などは上意下達といいますか、霞が関がプレゼンテーションをしないと地方は動きません。
片桐 : 期待されるとプレッシャーでもがき苦しむだけや。俺にはそんなことどうでもよいこっちゃ。総理は同日選をやりたいんとちゃうの。田中さんが言うように選挙に勝って公共事業復活元年にして地価も上がるようにして、憲法改正でもなんでも思うようにしたらええのんと違うか。俺はデフレは嫌いやしそう思もとんねん。それからなアメリカはアジアからもヨーロッパからも撤退したがっているんやろ、本音は。ロシアや中国が強よなりすぎたからな、逃げるが勝や。わしらも覚悟しとるで。鉄砲担ぐときには担がんと周りからなめられてまう。

鬼面 : 結局、与党は消費税の再々延期をして同日選はやらず、参議院の票を固めるとみるのが順当なところかと思います。熊本大震災や先月起きたアメリカ軍属による女性遺棄事件の選挙への影響を考えると、無理をすると与党の独走態勢が崩れる可能性が無きにしも非ずでしょう。ここは様子を見て参院選で足元をしっかり固めて衆院の解散の時期を待つとみるのが常識的な線かと思います。

(沖縄の20歳女性遺棄事件)
小寺 : 5月19日、沖縄の20歳女性遺棄事件のニュースが流れ、衝撃を受けました。米軍が駐留する限りこの種の事件が沖縄から消えることはありません。まず犠牲者のご冥福をお祈りしたい。(一同、黙とう)
片桐 : 小寺さん、あんた甘いで。女の人は20才、俺と同い年や。もてあそばれた挙句、殺され捨てられた。棒で殴られて強姦されたという情報も流れとる。政府は事件が起こるたびにアメリカに厳重抗議を繰り返すだけで、ちょとも事件はなくならん。殺されて厳重抗議で終わりやったら政府はいらん。

荒戸 : そうだね、第二次世界大戦が終わってもう70年だろう、片桐君が言うように大統領が変わればほっといてもアメリカは沖縄から出ていくだで。だけどよ、日本政府は中国や北朝鮮など極東の治安維持に自信がないからよ、それじゃ困るって駄々こねて引き止めにかかるだよ、政府は。

田所 : そういうことも察して総理は憲法改正にご執心でしょう。そのための同日選ですよ。自民党の千歳一隅のチャンスだからね。そこは選挙に勝って、ナショナリズムを鼓舞して憲法改正。中、台、韓、北と向き合ってこそ日本は自立したと世界の人々は思うでしょう。
大野 : しかし先々、アメリカが撤退し憲法改正しても沖縄に同規模の自衛隊部隊が駐屯することには変わりがないでしょう。いつの時代にも沖縄は前線になる。

荒戸 : そのとおり。沖縄は安保の必要性は認めていても、もう国土防衛の盾にはなりたくねえと、まず米軍基地の撤去を求めている。事件が起こるたびに運動に火がつき、爆発寸前になっちまった。家族が強姦されて何もできねえでそばで見ているだで沖縄の人は。その辛さを俺たちも共有しねえとな。アメリカにやりてえだけやられちまって、ヤマトンチュウーに知らん顔されちゃあな、基地問題は解決しねえ。だからよアメリカが撤退後は自衛隊基地も求めんだろな沖縄の人は。

鬼面 : ヤマトンチュウーもマスコミもあまり沖縄を取り上げることに積極的でなくなった。誰もが触れたくないと思うようになった。沖縄の不幸は回答のない算式から始まった。もはやだれも問題を解く勇気を失いつつある。これはもう地位協定の問題じゃ全然ないわけですね。ヤマトンチュウー対ウチナンチューの闘いなんです。近い将来、奄美も沖縄とひとつになって行動する時が来るでしょう。敗戦後は奄美も沖縄と対になって辛い思いをしてきましたからね。言われるような独立問題が現実味を帯び、日本が騒然となる日が近いことも否定はできないでしょう。沖縄県民は国内外のどのような軍隊の駐留も排除する、島を歩けばそのような決意が見て取れますね。

田中 : アメリカへの脅威が中ロから中東、北朝鮮に遷移する中、沖縄の戦略基地としての重要性は決して低下していません。アメリカがそう簡単に沖縄を放棄することはないでしょう。集団的自衛権の解釈変更をして、また自衛隊の総力を挙げてしても、日本は米軍の肩代わりは憲法上できないし実力もないでしょう。それで平和が保たれ、日本の風土になっちゃった。結局、また金を積み増しても沖縄駐留を米軍にお願いするしかないと国民の多くは思っていますよ。

糸島 : 米軍基地は日本各地に分散しているね。機能の見直しをして沖縄から本土に米軍基地を移し替える。そういうこともやるべきだ。先ほど田中さんが自衛隊を弱視するような発言をされたが、だったら憲法改正をして核武装すればいいでしょう。日本には原爆6000発分に相当するプルトニュームを保有している。それがまた欧米の日本の対する心遣いというか警戒心になってそれなりの敬意を払ってもらっている、俺はそう思うんだ。ロケット技術も一流だろ、核弾頭を搭載すれば弾道ミサイルに転用できる。

田中 : なんてことを仰るの。戦後、日本国民が世界に示したしょく罪を無為に期するほどの暴言、取り消してください。
糸島 : 取り消す必要はない! 何がしょく罪か。憲法改正と核武装は俺の思想とするところだ。取り消すものか! 卑屈に生きることはごめんだ!

鬼面 : 田中さん、糸島さんは革命を起こすとおっしゃっているのではありません。憲法を改正して核武装を行えとおっしゃっている。あんたが取り消しを求めることは糸島さんの思想信条を否定することになる。注意して発言してください。

(TPPと農政)
三田 : 先ほど鬼面さんからTPPに絡め土地の流動化のお話がありました。前回の会合で話したように私はTTPに期待はあったけれど結局、何もかも中途半端。耕作放棄地の積み増しだけ進んで日本の農業は極度に衰退した。残念ですね。
曾根 : 何がどういけないの? 僕は食堂をやっていて多少高くても安全安心、うまいコメを探し求めています。TPPで農産品の聖域が最低限、守備されたことにむしろ感謝しているんですがね。

三田 : TPPはモノやサービスの自由化圏をつくることでしょう。聖域なんて主張する方がおかしい。TPPの趣旨に逆行する忌々しき事態といわねばなりません。曾根さんが使っておられるコメの生産者は専業の方?

曾根 : わかりません。毎月4袋、120キロくらい米屋から買います。地元の棚田米です。よく知っているところなので多分、兼業農家だと思います。

三田 : 私が目指す農業とはちょっと違います。話の腰を折るようで申し訳ないが、私はやっぱり農業で食っていける生産性の高い農業を追及したいね。たぶん総理もそのように考えてTPPに参加されたんでしょう。しかしそれは農業者を厳しい環境にさらすわけですね。農水省や農協はもちろん農村を票田とする国地方の議員もみなついていけない。だったら何でTPPに参加したんでしょうかね。がっかりですね。

金森 : 大半の農産品は、10年以内には自由化になるでしょう。コメだって5万トンですか、部分自由化でまとまったでじゃないですか。生産者には生産性向上対策として大型圃場の土地基盤整備や機械の補助がつく、ソフトも盛りだくさん用意されるんでしょう。それで生産性が向上すればいいんじゃない。

荒戸 : もっともだ。今よぉ、コメをつくる主力は団塊の世代だろ。年代は65から70歳の世代だよ。コメを取り上げてみろ、みんな病気になっちまうだよ。健康寿命を延ばしてよぉ、せいぜい元気でいてもらわねえと医療費で財政もがもたねえ。趣味の農業でいいじゃねえか。俺も土方しているけどよ、現場にも炊事とか片づけとかよ、体力に合わせていろいろ仕事があっから食わしてもらってるだよ。合理的にやっちまうと息苦しくておれには合わねえ。助け合って生きてきたからよ、みんな仲良く生活するだよ。

三田 : 多くの人は荒戸さんと同じような考えでしょう。しかし健康寿命をいくら伸ばしたって20年もしないうちに団塊の世代はリタイアします。兼業でたんまり年金もらっている人たちでしょう。企業的経営というか生産性が重視される農業に誘導しておかないと日本の産業構造は変わらない。

田中 : 米の主産地の東南アジアや中国は粗放農業でしょう。生産性は低いが雇用の安定に一役買っている。労賃が安いからコメの生産費も格段に低い。しかし品種は長粒種、日本食には使えない。アメリカのカリフォルニア米は短粒種の日本米に似ている。しかし生産費はキロ単価で国産の6~8倍も低い。これじゃ太刀打ちできません。日本でも10ヘクタール規模の水田も珍しくなくなりました。それでも生産費はカリフォルニア米と比較して6倍程度の開きがあります。全然、競争になりません。圃場の規模が違う。アーカンソーの水田では100ヘクタール超える田んぼがごろごろある。日本のコメ作りも100へータール規模に整地し直していく、そんな努力を惜しんでならないと思うの。

三田 : そのとおり。農地の集積や流動化を初めからあきらめている。高齢農家の田んぼ1枚の賃貸の斡旋じゃどうにもならない。箱庭の農業から抜け出せていない。(笑い)
荒戸 : それでいいじゃねえか。日本に水平線が見えるような農地はねえからよ。

三田 : 地勢に応じ作物を変え、特産化をはかればよろしい。どこもかしこもコメである必要はないでしょう。
鬼面 : 農地の集約化は区画整理事業として目的的に100ヘクタールとか巨大な圃場を造成し、耕作者は入札で決めるのいいかもしれない。もちろん仕事にあぶれる農家がでてきます。しかし農地の借料が払われる仕組みをつくれば地権者は本業に精出せばよいわけで生活はむしろ向上する。水利権や土地改良資金の捻出など課題は山とあるが今やっておかないと競争に勝てないし、農地は荒廃してしまう。私利私欲を捨て、大局にたって農地を動かさないとどうにもなりません。政治も農政も着想の転換が今ほど必要なときはないと思っているんですよ。

三田 : そのとおりですね。100ヘクタールの圃場が誕生するかどうか、この先20年間の農政は大事です。今人口減少が棲ざましい勢いで進行している。4~5集落の農地が1生産法人によって耕作されるような状況を想定し、態勢を整えないと効率的な農業は行い得ないし生き残れない。

植山 : 自治体は手をこまねいているわけじゃないでしょう。いちばん危機感を持っているはずです。三田さん、行政は耕作放棄地や遊休農地対策を何もやっていないと仰るのですか?
三田 : そう、何もしていないのに等しいですね。

鬼面 : 高齢化によってリタイアした農家の多くは無償でヤミ小作に出している人が多いですよね。農地の管理料を考えると無償で貸してもその方がいいわけですよ。それでも農地を貸さずに耕作放棄地が急激に増えている、全国的にね。補助金を出して耕作放棄地を開墾するなど農地の集積に熱心な市町村も中にはありますね。しかしそんな努力も賃貸期間を10年以上とか何とか条件をつけるものだから貸手が現れない。農家は買ってほしいわけで、ミスマッチがおこる。こんなことをやっていたら耕作放棄地は増える一方ですよ。第一、それは農地の集積でもなんでもない。せいぜい国土の美化運動にすぎません。農地はやっぱりこの完全自由化によって市場経済に任せ、流動化させるのが一番いいですね。TPPがその引き金になるはずだった。見切りをつけて農業から撤退する人は農地を手放す。賃貸じゃなくて売買によって集積が進むと私は見ていたんですがね。残念です。農政がまた違う方向に歩み始めたと憂慮しています。

白根 : 三田さんの恨み節も聞き納めかな。農村の過疎化は進む一方でしょう。TPPによって一時的に対策補助金がばら撒かれ潤うでしょうが、その先はどうにもなりません。そんなことの繰り返しじゃ、農村は衰退の一方、悲しいですね。
三田 : 仕方ないですね。私も農業は趣味にして、また別の事業を考えます。(笑い)

(東京都知事の海外出張)
片桐 : 東京都知事の舛添さん、えらい豪勢な海外旅行しとったな。1週間ほどで5000万円や。随行の事務方とか秘書を入れて20名やったかな。航空費が1500万円、知事はファーストクラスやで。ホテルも会議室つきで1泊20万円ほど。みな税金や。自前の旅行やったらここまではやらんやろ。それでも悪いことしたとは思とらん。第三者委員会で調べてもろて免罪符をもらう筋書きやろ。都民やなかっても怒るで。前の猪瀬さんは徳州会から5000万円借りて怪しげな借用書がでてきとった。政治資金報告書に記載漏れでこっちは違反、犯罪やった。舛添さんはどうなんかな。贅沢な出張は今回だけやないようやし、怒るで。税金払わん人も出てくるやろ。

植山 : 舛添さんは正義感が強い、頭のいい人というイメージですね。低姿勢で言葉は巧み、まさか贅沢三昧の出張を繰り返していたなんて誰も想像できなかった。仮面紳士かな?
荒戸 : これだけ世間を騒がせてよぉ、都議会は何を考えているのかよくわからねえ。納税者は議員や職員の出張旅行にまで疑惑の目で見てしまうからよ、こんなことが明るみに出るとな。

上西 : 本当にちょっと異常な金遣いですね。地方公務員の出張費は条例の旅費規程で特別職、一般職など職種やグレイドごとに決まっていてつつましいものですよ。都の場合、人事委員会の確認によって例外を認めているようですね。でも毎回、例外が適用されていた可能性があって例外が裏規定化していたら大問題ですよね。そこを都議会がチェックし浄化できるかどうか、正念場ですね。私は規定違反と申しますか、立法趣旨に反した扱いが作為によって常態化していておれば都ぐるみの犯罪として刑法に抵触する疑いのある出張も無きにしも非ずと危惧します。徹底的な調査を外部の人間に委ねるべきですね。司法の動きにも注目せざるを得ません。

三田 : ほんと、情けない話ですね。贅沢三昧で法違反はないってほんと、納得できません。上西さんは犯罪の観点から事実関係を詰めるというお考え? 議員や職員を含めてですか?

上西 : そうです。この際、議員も含め公務員の出張すべてについて精査する必要があると思います。都民は東京都の情報公開条例に基づく開示請求権を使って出張にメスを入れる人もうんといらしゃると思いますが、事実関係は権限も足もなくそこは基本的に司法しかないとないと思うのね。しかし初めから犯罪ありきで捜査はできないでしょう。ですからまず都議会や委任された外部の第三者の活動が必要と思います。

片桐 : 東京都は富裕団体やろ。都知事御一行様のようなことが議員の旅行でもありそうなことや。しかしな想像だけではあかん。旅行先やホテルの選定、ホテルとの宿泊予約、支払なんかいろいろ旅行の手続きがあるわな。わしらの旅行でも幹事になったらいろいろ交渉し、融通きかしてもらうこともあるわな。せやからな知事や議員も一人一人ホテルと交渉せんやろ。契約を任されたもんが特権意識を使って何かやっとったら刑法上の問題も出てくるやろ。週刊誌が臭いところは情報を取り始めてるんとちゃうの。ホテル側から通報するもんもでてくるんちゃうか。

田所 : 都の人事委員会ですかかよくわからない組織を隠れ蓑に、巧妙に仕組まれた出張もあるじゃないのかな。「確認」作業がいわば必要悪として常態化していた可能性なしとしません。閉会中の恒例行事として委員の視察や派遣が行われ、その出張が費用対効果から見て金員が効果を上回る場合はやっぱり納税者にお金を返すべきと思うし、当否を追及するのは納税者の権利として当然ですね。

鬼面 : 第三者委員会が立ち上がって、都議会も調査に入るとの報道もありますね。推移を見守りましょう。公務員はやっぱり上西さんがおっしゃるとおり規定に従って行動しないとね、難しい仕事をするのだから環境を整えたいと当人が主張しても納税者は納得できません。こんなことが繰り返されると、やっぱり公務員は特別の人だからまあいいかとなりはしないか、気がかりですね。それからね仕事の重さと処遇ははっきり分けて考えないと今回のようなことが繰りかえされるんじゃないか。規定を唯一のものとして都議会を含め浄化を求めたい。それと一般論として、特別職だから出張地の有名ホテルの一番高い部屋をとるとか、ホテルに便宜供与を求めるとか、妙な選民意識がないともいえない。これは想定される出張の暗部かも知れませんね、注意して調査していただきたいですね。

田中 : そのとおりですね。私はビジネスホテルしか泊まったことがありません。(笑い) 議員さんらは一流ホテルに泊まるのかな、はっきりしません。素朴な考えとして出張旅費は条例の規定上2~3万円といわれていますね、知事でね。一般のホテル程度と思われるので、旅費見合いの部屋がホテルにあるにもかかわらず5~6万、まあ舛添さんは19万円ですか、高額の良い部屋に泊まると納税者はおかしいと思うからね、やっぱりそのあたりを調べてほしいですね。旅費規程に照らして個別ケースの精査を全都庁ベースで、外部監査人を入れてはっきりさせるべきですね。議会はある意味、利害関係者になるので自らの問題にメスを入れることは難しいでしょう。また特に事務局は議員に弱いといわれていますよね、自治体監査の限界というより任せる方が間違いですね、この旅費問題を知事ひとりの問題だけに終わらせてほしくない。

荒戸 : わざわざ高い方の部屋をとって人事委員会の確認を求めるっちゅうこと? そんなことがあれば人事委員会を含め条例違反じゃないのかねよ。それからね高い部屋を2~3万円にまけてもらってもおかしなはなしだで。強要かね。(笑い)

鬼面 : みなさんご疑問の出張費問題はいろいろ想定しますと、それはもう綱紀を逸脱した問題と思われます。都知事の問題は政治資金等についても様々の報道がなされていて、泥沼の様相を見せています。しかしこの種の問題が日本各地で潜在化していてまた、行政や政治に対する国民の信頼を回復するためにもその解明は避けて通れません。
中途半端になりますが、先を急ぐ人もいらっしゃるので今日はこのくらいにしましょう。 了」

言論の泉 NO14 年金制度は崩壊するか,投票年齢切下げの波紋,TPP条約の懸念,衆参同一選の可能性,原発の影

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鬼面兵衛門の言論の泉
座談会/2016.3.1

司会 鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美    (大学生)
植山和美   (トラック運転手)
曾根重雄    (飲食店経営)
糸島史郎   (大工)
白根小百合  (会社員)
田所康志   (商社員)
三田 信   (農業)
上西みどり  (公務員)
大野 誠   (警備員・派遣)
片桐琢磨   (露天商)
荒戸康人   (土木作業員)
金森良子   (主婦)
小寺三津美  (廃品回収業)
相良吉兼  (年金生活者)

※出席者はいずれも仮名

1年金制度は崩壊するか
2投票年齢切下げの波紋
3 TPP条約の懸念
4衆参同一選の可能性
5原発の影 

鬼面 : こんにちは。早や3月でございます。春一番が吹いて日本海岸の気候もだいぶ良くなって参りました。雪の日もあって春までもう少しですね。さて今日はいろいろとご関心のむきおありかと思いますが、まず1年ぶりに駆けつけていただいた相良さんから2月の時事問題を振り返り何なりと…。

年金制度は崩壊するか
相良 : 僕は元来、ツラさんのように器用じゃないからね。年金がなくなると生活ができません。しかしね、毎年、年金が減り続けるんじゃないかと不安になっていて夜中に目が覚めることが多くなりました。まあ、年金頼りの生活なので仕方がないですね。

鬼面 : 軍人恩給? だんだん処遇がよくなってきてるじゃないですか。

相良 : 戦争末期に18歳で志願して南方へ行ったんです。永く恩欠でしたがね、ようやく激戦地の戦地加算で受給資格ができました。それに国民年金を継ぎ足してどうにか生活できている。もう年だしね、死出の旅路にお金もかかるのできちんと準備してから旅立ちたいと思っていてね。たまにチラシを配って日銭を稼いでいるんですよ。(笑い)

荒戸 : もう90歳超えておられるでしょう。結構、結構。俺はまだ60歳の青二才だよ。でもね土方もしんどいよ。手は古傷でいつもしびれていてね、日当1万円、ままならないな。相良さん、年金があたるだけいいよ。俺なんかなんもねえだよ。若けえ衆に1億総活躍時代だって励ましてもらってるんだけどもう余力がなくてね。(笑い)

片桐 : もっともや。相良さんがどんだけもろとるんか知らんけど、俺は年金掛けとらん。かけたら生活でけん。月1万五千円もようださん。稼いだ金はやっぱ命を繋ぐことにつこてまう、ほんまに。

白根 : 苦しいのはみんな同じですよ。私なんか百均ファンだし、スーパーの特価品をあさる毎日よ。厚生年金で厚遇の人を除くと国民年金と同じね。私の会社OBでも月10万円を超える人はいい方で生活保護を受けている人もいますね。本当に年金は減るばかりで上がることはもうないんじゃありません?

田所 : なあに年金会計は株式運用で膨らんでいますよ、結構儲かっているんじゃないの。物価を上げて景気を良くすることが政権の公約でしょう。物価スライドで年金だって増額してもらえる時期が来るかもしれません。

上西 : どうでしょうか? アベノミクスが始まって以来、物価上昇率2パーセントをクリアーできたことはありません。派遣労働が盛んになって未納付の人が増えてるでしょう。それに日本の人口は減り続けていますね。支出ばかりで年金会計を支える人が少なくなれば会計は破たんします。運用で失敗すれば拍車がかかるだけ。私は共済年金を掛けていますが基礎部分は国民年金、共済も独歩じゃなくなりましたからね。私の給与は高くありませんし、個人年金をかける余裕もありません。年金制度の共倒れが怖いですね。

鬼面 : 日本は社会主義国じゃないからね。僕は、集めた年金掛金の運用にも問題が多いと言い続けているんですよ。掛け金のストック、年金ダム湖に例えるとそこが崩れて原資が払底することが一番怖いね。擁壁がじわじわやせ細って一挙に崩れる。その心配はね、ダム湖に溜まった掛金の運用範囲が余りにも知らされていないってことと、それからダム管理者の中に政権に過度に協力する者がいないとも限らないという疑念です。年金ダム湖の管理者のだれかが円安、株高に協力してダム湖のストックを投入してこなかったかという疑念ですね。欧米の経済界には円安株高を日本の策略と言う者がいますね。実態経済を反映していない株高は必ず崩れます。日本の金利政策が虚構となれば世界の人々は日本を信用しなくなってしまう。恐慌への警鐘が鳴り始めないか気にかかるよね。

田所 : ダム湖の崩壊は日本株が売り叩かれて破堤するということですか。

鬼面 : ダム湖は年金だけじゃありませんね。あちこちの基金や財団など政策プールが土台から崩れ去る危機すらあるってことです。未加入、未納付の問題も深刻だけど日本国が破たんし始めたらアウトです。

曾根 : チャイナマネーとオイルマネーが暴れると怖い?

田所 : 中国がシーレーンを確固たるものにしてGDPでアメリカを凌ぐ、名実ともに世界一の実力を発揮するようになるとやがて暴発する。一挙にそういう時代が来るとは思われませんが20年もかからないうちに中国は世界経済を誘導し始めるでしょう。世界の文化の発祥地でありユーラシアにとどろく世界帝国を築き上げた国ですよ、中国は。相当、注視しませんと木端微塵にされてしまう。

曾根 : 憲法9条の改正や領土問題の激化などの延長上にそんなシナリオがあるってことですか。

鬼面 : 警戒が必要ということですよ。政権与党は憲法9条2項の改正を含め憲法改正を党是としています。改正が俎上に上ると極東諸国に緊張が走る。戦前の大東亜共栄圏の残像が重なって日本脅威論が一層燃え盛る。ナショナリズムを刺激し抗日運動に火がつき日本観光や稀少資源などの輸出の自粛、日本製品の買い控え、戦後問題の再燃、日本の銘柄株や不動産の売り飛ばしなど日本経済の混乱を企図した日本たたきのあらゆる可能性を探ってくることも否定できない。だからね、日米がいつまでも中国やその他の極東諸国を敵視すると足元をすくわれる。失業率の改善や税収増など日本経済が回復基調にあるといっても経済にはもともと循環があるのと中国人の爆買などが源泉でしょう。中国なくして政経は語れない。そんな時代であることもよくよく考えて憲法改正を論議をしないと、年金会計の崩壊は無論、日本の行く末に暗雲を投げかけ、とんでもないことになる。

上西 : 火薬や核を使わないで中国やその他の国に平伏させられちゃったら大変ね。話がそれたけど年金の運用先と運用枠は被保険者の厳重な監視が必要と思います。管理者の暴走が怖いですね。考えすぎかも知れませんけれども。

白根 : そのとおり。年金は国民の命です。リスクの高い運用をされると怖いですね。運用先がどのようなっているのかよくわかりませんが大体、官僚OBの職責になっているんじゃありません。

上西 : 官僚OBが管理者に任用されているのかな? 余計な詮索がなされないような運用先と投資の規律が必要と思います。

鬼面 : 欧米では年金運用について投資先を含め厳しい管理がなされている事実を十分、頭に置いて論議する必要がありますね。

片桐 : 保険のことはほんまにようわからん。どうせアカンのやろ。自賠責も保険やろ。運用のことはようわからんけど掛金が高い。儲かってるんなら掛け金、下げてほしいわ。下げられんなんだら儲けを配当してくれもいいんちゃうの。

鬼面 : それはまた別の問題もありますから特会の問題として後日、議論しましょう。一般に、年金問題は未納付、無年金と給付水準が論議になると思います。だけどね、年金ダム湖が崩れるともうどうしようもなくなる。隙がありすぎます。責任者を背任で訴えても元へは戻らない。今後の政治展開などを思うと株式運用を厳しく規制する必要があるんじゃないか。政府与党へのお付き合いとしてどんどん投資額が増えると申し上げたように破たんする事態に立ち至ることだってあるかもしれないからね、はっきりさせるべきです。田中さん、何か。

投票年齢切下げの波紋
田中 : 年金の問題はさておき夏の参議院選挙が気になります。昨年6月、公選法の改正によって投票権が18歳以上に切り下げられました。新たに240万人の若者が国・地方の選挙に参入してきます。そのスタートとなるのが参院選ですよね。票の流れと投票率、それかに都市の首長選などに学生の意見がどのように反映されるか興味が湧きます。大学生を含む都市の若者人口は多いですからね。影響力がないとは言えません。

上西 : 遅ればせながらようやくって感じかな。半世紀とは言いませんが40年遅れで世界の水準に近づいたって感じですね。しかし改正国民投票法の対象となるものが憲法改正だけじゃね、田中さんが主張されているようにもっともっと世界水準に近づけて原発の再稼働、安保改定、TPP等々国民に重大な影響を与える政策は国民投票で賛否を問えるようにしていただきたいですね。

片桐 : 賛成や。国民投票もそうやけどもう。言うだけの政党やいい加減な人物、それに70歳を超えたような人に政治やオリンピックなどのビッグイベントなど任せられん。将来のことは将来をせたろうもんによって考えられるべきや。被選挙権も18歳に引き下げんとあかん。いまのままでは世の中が良い方に変わらん。もっととんでもない方向に行ってしまうんとちゃう?

上西 : 片桐さんは20歳になるんでしょう。高校生と一緒に投票場に向かう気持ちってどんなですか。

片桐 : もう20歳になっとるわ、嫁もおるで。婚姻届けをして住所は去年、現住地に移したんや。選挙でわざわざ実家に帰るんはおかしいやろ。住んでるとこで投票せなあかんのとちゃう。都会にでとる連れもおる。声かけあって去年のうちに転入届を出したで。まだ移しとらんもんもようけおるけどな、学生でも工員でも住んでるとこがわが町やし、移したら投票場にすぐ行けるやん。学校だけが学問やったら今のような世の中になってまう。学生には大きなことは言えんがもっと社会を学問してもらわんとアカン。会社でもスポーツでも良い学校でても何にもでけんもんが多いやんか。悪いことするもんもごろごろおる。経歴で人の脳力は決まらんで。社会を変える手段の一つが選挙や。だれにいれるのか選挙は難しいで。社会を知らんと参加でけん。切下げは社会を勉強する良い機会や。電車賃も生活費のうちやからな、金を大切にして田舎に帰らんと住んどるとこで投票して、俺らが中心の社会にせなあかんちゅうことや。

金森 : そうかしらね、仰っていることがよくわかりません。確かに大学生は問題ね。故郷を離れて突然、都会で勉強とアルバイトの世界に入るのね。大事な時に社会を学ぶ機会がないってことね。そういう人が社会の指導層に育っていく。当然、人のこころや情感など分かるはずがない。会社は無論、社会を暗くしたり、悪いことをする人もいるわけですけどもね。

片桐 : キャリアはあってもよいけどな、そんなもんは墓石に刻んだらええくらいのもんや。人の心がわからんとなにがでける。顔にキャリアを書いて歩いとるもんがいっぱいおるやないか。政治も会社もよおならん。住んどるとこで社会を学問して、考えて考え抜いて思いを選挙にぶつけたらええんや。

金森 : 学生は将来そこで働く保証もないわね。一生懸命、勉強して生活しているのよ。でもね、親元で育てられ学費や生活費なんかもろもろの仕送りを受けていたりしているわけだから親元から住民票を移す必要もないと思うの。故郷で投票してほしいわね。だって学生はまだ田舎がわが町でしょう。

片桐 : アホなことをいうたらアカンで。大学生活はどこでしとんねん。都会じゃろが。住んでるとこに住民票を移すんは当たり前じゃ。

曽根 : 金森さんは投票年齢の切り下げによって田舎が変わっていくことを期待されているんでしょう。片桐さん、もう少し穏やかに議論してください。

荒戸 : 田舎は高齢者中心の行政になってるだよ。政治が田舎というか地方を歪めただよ。しかし新成人じゃねえけんど新投票者が誕生するんだで高齢者べったりの行政じゃなくて若い人の意見を踏んだ行政も大事だろ。県や市のやることに少しは若者中心でやってもいいでねえの。学生はみんな田舎にけえって投票場にいくだよ。行政が変わると若者も田舎に住んでみたくなるだで。

上西  : ダメです。現に住む町に転入届を出してそこで投票しないとね。

荒戸  : だったら若けえ衆にちゃんと説明するだよ。

鬼面 : このくらいにして先に参りましょう。三田さん、農家だったよね。TPP条約が締結され何か…。国内的には国会の承認と関連する整理法の成立だけになりましたね。期待する?

TPP条約の懸念
三田 : いえ、まったく。国民の過半は不満でしょう。TPPって一体何だったんでしょうね。完全自由化圏をつくるってことだったんでしょう。農業分野でいえば消費者は農産品が安価で手に入る。それから非効率な生産者が淘汰されて農業では規模拡大が進む。生産性が向上し生鮮食料品をはじめ良質な農産品が安価で手に入り、輸出も促進されると期待しました。政府は一体何を守って何を捨てたんですか、よくわかりません。聖域を守ることがTPPの獲得目標だったんですか。自由化による経済発展が目標でしょう。違いますか。日本が参加してTPPを後退させてしまったと言われても仕方がない。

片桐 : TPPは仲間がおんなじ条件で競争するっちゅうことやろ。品もんによって税金(関税)かけたり、かけなんだりしたら競争条件が違ごてくるやろ。コメや自動車に税金をかけて身内の金儲けを助けることが国益かいな、違うやろ。保護主義をやめよゆうてTPPちゅうことになったんとちゃうの。逆走やわ。生産者を保護してもアカン、消費者もおんねんで。消費者あっての国益やろ。

田中 : 結局ね、自動車分野でアメリカが軽自動車の非関税障壁の撤廃を強力に求めていたでしょう。しかし日本はその撤廃を拒否したんですよ。その代償として、アメリカが主張した25パーセント関税の存続を認めたってことかな。米韓の二国間条約とは大分厳しい条件になっていますが日米双方がそれでも溶け合ったということでしょう。コメなど重要5項目は部分自由化に踏みとどまったものが多いですね。これじゃ何のためのTPPだったのか三田さんの怒りがよくわかります。損得なしの完全自由化じゃないと参加の意味がありません。

三田 : 特にコメですね。5万トン程度の部分自由化じゃどうにもなりません。これじゃ農地の流動化がおこらない。経営規模の拡大や生産コストの低減、担い手の育成など絵に描いたもちでしょう。ちんたらちんたら、元来た道をたどっている。将来の光が見えてこない。アベノミクスの第三の矢、農業の構造改革を放棄してしまっている。農地が流動化すれば多角な方向性の一つとして農地法の撤廃も夢ではない。これじゃ生業としての農業がずっと続くことになります。残念ですね。完全自由化こそが農業改革の引き金のなると信じ、大規模農業を目指して農地の買い増しを考えていたんですがね。これじゃ農地を手放す人がいません。本当に残念です。こんな保護主義のもとではアメリカに対抗できる米など作れるはずがありません。先の見えない輸出に農業の命運をかけろって言うんですかね。馬鹿げてる。

荒戸 : まあまあそう落胆しなさんな。政府与党は農家の生首は斬れねえよ。与党も野党も農村は票田だよ。わかるだろ。大きな農家になれちったって大方、後継者もいない高齢世帯だろ。コメの会社に田んぼ売れちったって売らねえよ。国はいまに大きな機械を使わねえかとか小さな田んぼをいくつかまとめて大きくしねえかとかいろいろ言ってきてよ、金を出すだよ。俺たちはユンボやブルを使って畔を壊して四角い大きな田んぼにするだよ。銭になるから有難いけどよ。金撒かれて怒る農家なんていねえ。生産法人や川田さんのようなコメで儲けようとする人は対象外だろ。悪いけどよ、三田さん時期が悪いよ。まだ若けえんだから10年待ちな。田舎に大方、人がいなくなるからよ。

三田 : それは農政のいつものパターンですね。対策補助金をだす意味がありません。納税者が怒りますよ。農業の将来展望がまったく開かれなかったことが過去の農政が証明しています。冗談じゃありません。

糸島 : 確かにもうそんな古い補助金づけの農業から卒業する良い機会だったんですがね。税金が対策費と称して雲散霧消するわけだからね、やるせないよね。サラリーマンが気の毒だよ。金を吸い取られてね。

田中 : TPPはこれで終わりじゃありません。対策補助金の費用対効果のデータを公開し、納税者や消費者が事後評価可能なデータを余すところなく提供してほしいですね。いい加減なことでは納税者は納得しないでしょう。

白根 : その通りですね。まったくばかげた条約ですよ。アメリカの力の衰えを感じさせましたね。それに中国が参加していないのは絶望的ですよね。

鬼面 : 11月にアメリカの大統領選がありますね。議会で難航すれば条約の発効が相当遅れてしまう。日本では夏に参議院選が控えている。TPPの発効が選挙の障害になるようならあえて選挙前に強行採決しないでしょう。荒戸さんが仰ったように農家は野党の票田でもあるわけですね。政権与党以上に農業保護主義の政党が大部分でしょう。だから対決案件となっても三田さんや荒戸さんが仰る方向とは真逆の案件ですね。いずれ国会は通るにせよ、今国会は流してもいいわけでしょう。ごり推しして条約承認案件や整理法案をあげちゃったらTPPを良しとしない消費者層と賛成派すら政権に反目する可能性無きにしも非ずでしょう。選挙になると国民はTPPを甘利さんの問題とセットで考えるから、逆効果になる可能性もある。僕はね、野党が承認案件などに反対処理の方針を貫けば案件を衆院本会議に吊るしたまま継続処理をするじゃないかと思いますね。参院選後の国会か来春の常会で審議入りする方が得策じゃないかと、そんなことも想像するんですよ。

相良 : 僕はそうは思わない。今の政権与党にはかつてない勢いがあります。かつて岸内閣が安保改定の際、国論を二分しかつ学生運動に火が着いた際、声なき声を標榜して強行し可決しましたよね。今はその時より格段に政治環境が安定しています。国民の多くは、TPPに不満もあるけれども政権与党を信頼している。政権を獲ったりとられたりする中で与党は政権運営が非常に巧妙になりましたね。ご意見番も健在だしね。要所を抑えて世論を引っ張る人物が何人かいる。いま最強だね。対抗できる野党勢力は不在同然ですからね。それにね、農家の大方はTPPを歓迎していると僕は見ています。政府与党はコメの部分輸入分の穴埋めを考えているし、農業機械の更新や土地改良に公費を使うからね。農家は願ったり叶ったりでしょう。与党は四海波静かであればTPPを今国会で通すでしょう。農村は地方選を考えると大事ですからね。衆院を解散してしまえば協定承認や整理法の案件が吹っ飛んでしまう。そのためにも政権はどうしても今国会であげておきたいでしょうね。(笑い)

鬼面 : 荒戸さん、どうかな。

衆参同一選の可能性
荒戸 : 俺もそう思うだよ。野党はよ、安保だって原発だってTPPだって世論を喚起できてねえだろ。野党同士がくっついたって逆効果だろ、相手が小さすぎるし元祖じゃねえだろ。選挙は待ってくれねえだよ。看板(党名)ぐらいは自分で掛け替えるだよ。それからだね、労働界と野党の関係がよくわからねえ。労働者の半分近くが非正規だろ。旧来の労働団体はひな壇にいて風向きを見ているだよ。昔の総評を思うことができねえな。いじめ、年金、子育て、沖縄…これだけ問題が山積してんのによ、労働界が街に出て何かを訴えたことでもあんの。くたくたの背広着てよ、だみ声で世直しを訴え続けた太田議長が懐かしいよ。環境が変わると労働界も変身しちまった。国民の多くが政府与党の政策に反対していても選挙に反映できねえって、野党の力不足だよ。マスコミも当てにできねえしな。庶民の本音なんてわからねえだよ。

大野 : 世の中がこれほど混乱しているのに何が新党ですか。陽だまりでそんなことやったって誰が見てますか。野党は一丸となって雪降る街に出て演説したことなどないじゃないの? 緊張感がみえてこない。人の好き嫌いを言ってみてもどうにもなりません。

田所 : 政策的には基本のところで与党と共産党のほか際立った対立軸がないでしょう。このままだと与党のなすがままでしょう。どこの世論調査を見ても野党の支持率は一けた台。与党は課題は多いのにね、野党の支持率が低すぎます。

田中 : 同日選のお膳立てが今ほど整った時期はないでしょう。

相良 : 閣僚の失言、原発、安保、経済政策、沖縄、領土など戦後処理、年金、いじめ…確かに政権与党に課題は多く国民の過半がその政策に賛意を示していないものがありますね。沖縄は泥沼の状態でしょう。これだけ課題を抱えておれば一昔前ならば政権は跡形なく吹っ飛んでいたでしょうね。(笑い)

田中 : 与党が一番気にしているのは共産党でしょう。小選挙区で選挙協力が行われると与野がひっくり返る選挙区がでてくるでしょう? 自共は政策的にも真逆だから議席が増えると国会運営が相当、厳しくなる。

金森 : 共産党は立候補を他党から譲ってもらう選挙区はあるのかしらね。立候補を差し控えるばかりじゃ共産党の議席が増えませんでしょう?

田中 :そこはバーターでしょう?

鬼面 : 僕はね、政権はみなさんが思っているほど安穏としてはおられないと思いますよ。まず沖縄の基地問題ですよ。アメリカはアジア、中東の安保はおろか国際政治上、沖縄の基地問題は大問題と認識しているでしょう。政府首脳は沖縄の民心をあまりにも軽く見ていたんじゃないのかな。怒り心頭でしょう、アメリカは。先の国政選挙で政権は沖縄で壊滅したでしょう。そのときの新知事に対する政権首脳の行いについて沖縄県民の怒りは収まってはいないとみるべきです。それに原発ですよね。昨日、またぞろ高浜原発4号機が緊急停止する事故でしょう。福島の汚染処理はまだ始まったばかりといってよいでしょう。アベノミクスも失敗とする見方もあります。選挙を考えるとそれら課題への方向付けをどうするか、知恵がなければ参院選の暗雲が晴れるとは言い難い。

荒戸 : 自民党は衆参同日選をやりてえだろうな。参院選の展開もずっと有利になるし、勝つと重要課題の免罪符になるだで。

片桐 : 消費増税は延期にでけんのとちゃうの。先の衆院選でつこた手口やろ。またつこたらアベノミクスの失敗を認めるようなもんや。

糸島 : 理屈が大事ですね。サミットで助け舟を出してもらう手もあるでしょう。政権には策士が多いからもの言いを熟慮して同日選、俺もそう思います。うちの家計には延期はプラスですね。嫁に言っておかないとね。(笑い)

鬼面 : 勢いに乗ってこのまま、一気に同日選に突入する可能性はあると思います。皆さん仰るとおり与党には千歳一隅のチャンスですよね。これを逃す手はないですね。まず5月の伊勢志摩サミットの成功させる、それから政策の打出しがどこまで準備できるか、課題も多いと思いますよ。衆参で単独で三分の二以上、獲れる可能性も無きにしも非ず、獲れれば憲法改正が視野に入るし、重要政策に一挙に展望は開ける。

原発の影
片桐 : そのとおりや。しかしな、原発などうまく回さんと与党の票は伸びへんで。高浜原発は再稼働して三日天下やった。4号機がへたってしもた。これが日本の原発の実態や。警報が出て緊急停止しても原因がわからんってどういうこっちゃ。新基準で合格したんやろ。全身の震えがとまらんかったで、ほんまに。合格のハンを押した先生方の能力ってどんなん? 警報が鳴った時に即時に復旧でけんようなもんが何で合格になるんや、どう考えてもおかしいで。原発を信じてきた日本人として自分が恥ずかしい。ニュース聞いてすぐチャンネル変えたわ。

荒戸 : まったくだ。恥ずかしい限りだねえ。霞が関のお役人は新しいことばっかりに目移りして電線とか配管とか配水とかに気が回らんのかね。復旧のシステムがないのもおかしいやね。細かな点検が嫌やなら早目に廃業した方がいいな。福島だって汚染水はまだ止まっていねえし、炉心の状況がわかんないんだろ。メルトダウンどころか人類を震撼させるような悪い状況かも知れねえよ。いっぺん世界の専門家に寄って詳細調べてもらうだよ。

田中 : 福島は今月、被災5周年ですね。震災対策は終息どころかいま始まったばかりですね。荒戸さんが指摘されたこと、町の復興はもとより放射線を浴びた住民一人一人の健康の問題、避難計画等いろいろと懸念されていて不安ですね。川内と高浜原発3号機は動いているけれど、住民は事故を考えると夜も眠れないでしょう。本当に厳しい状況ですよね。

小寺 : 俺は経済発展や核開発の問題を考えると原発に賛成です。存続させないと日本は経済大国としての礎を失ってしまう。極東の小さな島に安価な電力供給ができなくなれば経済も生活もボロボロ、防衛だってままならなくなるでしょうね。それにね現にそこに住む人や原発で働く人がいるわけでしょう。やめてしまえば話は簡単だけど、余りにも失うものが大きいでしょう。発災時の住民の命を守る避難計画はきちんとしておかないといけません。

植山 : 稼働しているもの、停止しているもの併せて日本に50基以上存在します。存在する以上、事故やテロなど様々な理由から原発が破壊されると住民は逃げないといけませんね。原発の再稼働を受けて避難計画は市町村が策定するわけだけど杜撰極まりないという指摘がなされているものもありますよね。避難路、避難方法や除染場所、避難先、ヨウ素の扱い等々でずいぶん問題の指摘を受けている自治体もあります。避難路にあたる道路の選定やその容量に問題があって道路に人や車が溢れ、身動きが取れなくなりやがて被ばくするとか、除染場所に被ばくした人や避難してきた人が混在し二次被ばくするとか、ヨウ素が配られていないとか様々な問題や齟齬が指摘されていますね。これはちょっと異常な事態ですね。

曾根 : それをみな市町村の責任に押し付けることはできない。そもそも国は再稼働に当たって意見を聞く地元自治体を限定的かつ狭くしていて、しかも法定事項にしていませんでしょう。原子力行政を有為に進めるための判断でしょうが大変問題ですね。発災すると10キロ圏は避難して30キロ圏は避難しなくていいということにはなりません。風向きによっては60圏の住民だって非難する。しかし意見を聞くのは10キロ圏内かつ原発所在市町村の住民と知事が対象になっているだけですね。避難、被ばくの可能性はかなり広範なのに対象になっていない。やっぱり国が基本のところを見直し、いわば発災の影響の出る市町村をブロックにして、まんべんなく意見を聞くシステムや広域避難計画をたてないと植山さんが仰ったような問題や齟齬が生じてきます。早急に中央防災会議に諮問し見直しをしないと後顧の憂いを残すことになる。それにね、市町村に避難計画を描ける専門家がいないんじゃないかと危惧するわけですね。誰もがわかるような矛盾に気づかなかったり、職員に知識がないために住民との温度差が大きいんじゃないかと。原発からはるか離れた市町村でヨウ素を配っていても30キロ圏内の市町村で配られていないとがチグハグもみられますね。

鬼面 : その通りかも知れないですね。曾根さんの仰ったブロック単位の避難計画や住民意見を聞くシステムの話、早急に実現させないと事故やテロに立ち向かえない。それにね、福島を経験していながらいまだに全国の原発所在の周辺市町村に防災の専門家が配置されていない。これはちょっと驚きですね。気象情報だって防災無線に頼っていたら判断を誤ることがあると考えるのが普通でしょう。人材はもとより避難計画の策定に資するビッグデータを国や都道府県が市町村に提供するなど技術支援の必要性があると思います。とにかく、原発の問題と避難は隠したり避けて通れる道ではありませんから、その在り方とともに常に住民すべてと危機意識を共有しないととんでもないことになる、そういう教訓を福島から学ばないといけないと僕は思っているんですよ。
田中さん、ほかに何か?

田中 : そうですね。総務大臣の停波発言それから少年事件の量刑の問題、公共事業・・・・いろいろ言いかけたらきりありませんが、そんなところですかね。
糸島 : 公共事業でどんな問題が?

田中 : 利害関係者がおられるので言いにくいのですが‘道路の掘り返しや’‘水道や下水道’の整備の問題ですね。
片桐 : どっちも整備するんはええことちゃうの。

田中 : 全然そうは思いません。短期間に何度も道路を掘り返して凸凹道ややたら交通規制をしたりと迷惑だし税金の無駄使いですね。それからね中山間地の地方都市などでは人口が徐々に減ってきてるでしょう。高度成長期と比較して2、3割、集落単位では半減ってところもあるでしょう。そんなところで投資効率も考えずに相変わらず上水道と簡易水道の統合とか公共下水道や農村下水道をつくっているところがありますね。下水道より合併処理浄化槽で対応した方がずっと合理的なところがずいぶんあります。これも補助金の費用対効果で納税者泣かせの大問題と思っているの?

片桐 : あんたがそう思っていても反対の人もいるやろ。わしらどうでもよいこっちゃ。
三田 : 私も農村にいるので田中さんの仰ることはよくわかります。掘り返しは厳に謹んで舗装後5~10年は掘り返しはしないとかいうような厳しい基準を決めて納税者の理解を得ないといけませんね。上水や公共下水の問題は20年後、30年後を見据えた整備を考えないと再整備費や管路の維持などに相当問題が生じると思いますね。議会はイケイケどんどんと思います。だれも見て見ぬふりをしてるんじゃないですか。苦しむのは納税者ですね。

鬼面 : 僕もね、道路の掘り返しの問題は国、都道府県、市町村の道路管理者が集まって協議、調整する連絡組織があるんだからその活性化をはかって苦情が出ないようにしないといけませんね。基本的には三田さんが言われるように掘り返し禁止期間を定めることのほか良い知恵がないと思っているんですよ。ヨーロッパのようにあまり厳しくしすぎると許認可に時間がかかることになって苦情が噴出することも考えないといけませんが、5~10年程度は市民が協力し我慢する、そういうことにも耐え抜かないといけませんね。市民の監視と怒りが行政運営の改善につながるんじゃないですかね。
下水道もね人口問題研究所のデータから都市の将来人口が推計できますからね、再整備の際に下水道整備区域や終末処理施設の見直し、縮小とともに、下水道から合併処理浄化槽への切り替えなど整備方式も含め抜本見直しをしないと納税者を苦しめることにならないか、よく考えてもらわないとね。

荒戸 : 田中さんが言ったテレビの停波の問題ですがね、俺は総務大臣さんよく言ってくれたと評価してんのよ。報道の自由はだいじだし無視はできないねえどよ、テレビは電波使用の許可を受けてやってんだから法律を守って放送しないといけねえよ。政治番組などでずいぶん内容の偏った番組や毒にも薬もなんねえ娯楽番組もあるだろ。だからね、放送内容をみておかしければ法律上、指導監督できる権限があるんだからいいじゃねえかよ。総務大臣に賛成ですよ。法律上、指導しても言うこときかねえ局は停破、当然だよ。

田中 : 停波は、憲法に保証された言論の自由を侵す、由々しき問題ですよ。
鬼面 : 僕は少し考えが違っていてね、電波は公共財産なんですね。使用できる電波帯は無限ではありません。そこで電波法等によってテレビ局の開設につき総務大臣の許認可に係らしめ、番組編成などにいろいろと条件があるわけですね。読者が気に入って購読する新聞、雑誌とは基本的にその成り立ちが違います。荒戸さんや田中さんがいわれてように言論は自由ですよ。しかし電波使用は許認可に係らしめているわけで電波法を遵守しなければ当然、停波になりますよね、誰もが勝手に電波を使い始めると電波の公共性がなくなってしまう。非常に厳しい法律だと思いますが公平ですね。一歩進んで、僕は電波帯の使用は許認可から競争入札にするべきじゃないかと思っているんです。テレビとネットの融合とかいろいろと市民の夢は広がるでしょう。番組内容を競っていただく。そうすることによってテレビは国民目線の良い番組がどんどん生まれる、そんなことを思ってもみてるんですよ。

相良 : ツラさんもあいかわらずだな。僕はねテレビが新聞以上に国民に親しまれ、時代の風潮などにも少なからず影響力を持っている。もう新聞の比じゃないでしょう。だからね電波法などの運用はだいぶそういう視点からも、報道の自由に重きを置いた運用がなされるべきだと思っているんです。最もあまり間違いの多い番組は問題で、そういうところは極端には停波の措置はあり得ますがやっぱりその運用にも時代の流れがあると思います。もっともっと本来のマスコミの力を発揮していただきたい。萎縮して、右にも左にも言いたいことを言っていない、編成能力の問題もあるとみますがね。
それからね、NHKが戦後一貫して報道を続けている高校野球などは見直した方がいい。もちろん全国大会を否定しているわけじゃないし、もっともっと野球人口は増えるといいですよ。しかし、報道すべきものはほかにもあるでしょうってことですよ。国民論議を求めたいですね。
それから少年事件で、殺人事件やいじめなどが本当に多くなりましたね。死刑が20歳はよくて19歳はダメ、これじゃもう世論が納得しなくなっている。刑法や刑訴法の教育刑の思想と判例重視の思想がもう全然、支持されなくなってきているんじゃないかと思っているんですよ。成人と少年の垣根を見直すべき時期に来ているんじゃないかと思います。

鬼面 : 日も暮れてまいりましたので今日はこのくらいにしておきましょう。お疲れ様でした。
了」

言論の泉 NO13 2016.1日本経済と貧困,アベノミクスは成功したか?,衆参同一選の誘い水 ,選挙と民意の狭間 

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鬼面兵衛門の言論の泉 座談会 2016.1.30
出席者
司会 鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美  (大学生)
貝原義之  (鳶職)
吉村作蔵  (ペンキ職人)
猿渡仁志  (大工)
成島 力   (内装業)
北山史郎  (配管工)
桐山芳夫  (公務員)
新玉美奈子 (鉄工所経営)
樽柿 靖   (商社員)
島崎 好  (土木作業員)
小寺三津美 (廃品回収業)
高木成実   (農業)
杵島 鶴蔵  (商社員)
神崎志朗   (魚菜市場勤務)
鐘崎辰巳   (畜産業)
マイク沢   (高校生)
市尾君子   (洋品店員)
片桐琢磨  (露天商)
※出席者はいずれも仮名

日本経済と貧困
2アベノミクスは成功したか?
3衆参同一選の誘い水
4選挙と民意の狭間
5パブリックコメントの怪

6徴兵制
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鬼面 : 明けましておめでとうございます。今日は新春放談といたしましょう。適宜、時事問題を挙げていただきましょうか。(異議なしの声)。それでは順次、ご発言願います。右回りにいきますか。貝原さんから…。
(日本経済と貧困
貝原: ‘年の暮れ救いの神や初霰’
鬼面: いきなりどういうことですか?
貝原: 暮れに詠みました。雪がなくてね、急に霰が降ってきたんだ。ビルの足場で仕事をしていてね、親方が仕事を止めようと言ったんです。地上50メートル、現場は寒いし視界が悪くなってね。今年の仕事はそこで終わり。サラリーマンはもう休んでいたからね、おかげさまで年末は人並みにゆっくりできました。
鬼面: そうですか。派遣?
貝原: 自営です。仕事は親方が誘ってくれます。
鬼面: 派遣労働法が成立したけれども期待は?
貝原: 関係ありません。僕らは日雇いと同じだから。
鬼面: でも親方が仕事をくれるんじゃないの。保険は?
貝原: 親方も自営。仲間のリーダーです。下請けに俺らを正社員にしてくれ、厚生年金や健康保険の掛け金を出してくれなんていえません。仕事があるだけラッキー。会社が掛け金を負担していたら潰れちゃう。お互い様ですよ。派遣法がどうのこうのっていえる人は幸せですよ。
鬼面: 保険は国民年金と国民健康保険?
貝原: 国民年金は掛けていません。掛ける気もありません。
鬼面: 家族は了解しているの?
貝原: 了解していません。(笑) しかしいくら掛けたっていま月7万円くらいでしょう?家賃にもならない。上がる保証もないしね。将来、年金会計が破綻するっていうでしょう。歳とって行き倒れたら生活保護を受けてなんとかなるかなって? 掛け金を払ったら俺たちは生活できないからね、本音をいうと…。
市尾: アメリカやドイツ、ヨーロッパの国々は人口ピラミッドが崩れていない。年金制度が破たんすることはないわよね。移民政策もピラミッド構成によい影響を与えていますね。ドイツのように中東から100万人も受け入れると、ちょっと別の問題もありますね。しかしいくら難民に寛容といっても日本では考えられません。アメリカも最近は、一部市民に中東難民に対する排斥運動が起こっているよね。アメリカも日本にようになると別の問題がおこるわよね。テロを恐れて建国の精神が忘れられつつある。人口ピラミッド維持する、そういう方法と体制のあり方で年金制度は当然、違うよね。中国など社会主義国は年金がウリでしょう。ホームレスにならなくて、老後は年金で暮らせるってね。(笑い)
貝原: 俺は何も悪いことをしていない。働きづめでも無年金まっしぐら、収入が伸びないからね。若いから生活保護は受けにくいけど、結構自由だから不満はないね。
鬼面: 無年金はいかんね。社会主義国じゃないよ日本は、どうするの?
杵島: どうしようもありませんね。本人が納得しているんだから。そんな人今、多いですよ。自営といってもね、聞こえはよいが1人親方ほど安定感がない。境目がよくわかりませんがね。でも、みんなが生活保護を希望すると国家財政が持たない。(笑い)
市尾: 失礼よ! だったら年金支給額を半分にして生活保護の充実に政策をシフトすべきじゃないのかしらね?
片桐: 将来、だれかが考えるやろ。今でも年金は徐々に下がってるんや。そやけど半額はあかんやろ。生活保護の家庭が激増するで。高齢者が政権を倒しにかかるで、投票行動という切り札を行使してやで。
杵島: どうですかね。社会経済のネックとなっている農地などの岩盤規制を破って、将来を担う人を中心に行政を進めないと日本は本当にダメな国になる。規制の見直しと、すぐにでも年金支給額を2~3割下げて健康保険料も下げる、トータルで年金や保険制度をうまく回していくしかないでしょう。それにゆっくりしたい高齢者には悪いけど終生、働いてもらって年金会計の負担を軽くするご理解をいただくってことですかね。働きやすいように高齢者就労の法案も出ているしね。
成島: 稚拙ですね。どの政党も高齢者の支持がなければ議席がとれない。選挙権も逆ピラミッドだよ。年金を半額に引下げるなんてできないよ。飢えで日本丸は沈没してしまう。(笑い) 生涯、働かせる選択枝もどうかな、人としても尊厳も保ちたいしね。悩ましいね。貧しい人の受給権を実質的に制限することにならないかね。
鬼面: 市尾さんはどんな政策が必要とみているの?
市尾: 人口問題研究所だっけ? 半世紀後には人口が1億人を切るとかって推計していますよね。私は国や地方自治体は座して死を待つ辛さを子や孫に負わせてはならないと思うの。1億総活躍社会だとか地方創生だとかわかのわからない標語を叫んだって中身がないでしょう。人間らしく老後を過ごす術を私たちはもっていたいですね。働きづめじゃ面白くないでしょう。杵島さんには悪いけど。(笑い)
吉村: 日本の活性化に必要な政策は杵島さんが言ってた農地の規制緩和と移民の受け入れじゃないかと思います。遠くの他人じゃなくて周辺諸国と仲良くして、まず人口問題、それから岩盤規制を砕いて、経済発展の条件を整える。それが問題解決の唯一の方法と思います。いわばこの国の土台のつくり直しが必要です。団塊の世代が逝ってしまってからというような悠長なことを考えずに、今からしっかりやっておかないととても生きのびることはできません。私はTPPがその土台にならないかと密かに期待していたんですがね、しかし中途半端だし13億5000万人を擁する中国が不参加どころか別に経済圏をつくりつつあるでしょう。ヨーロッパ、アフリカ、中東が中国になびいている。東南アジアだって人口構成や経済力を掘り下げると華僑の国って感じでしょう。国民にジャンク船の時代から中国への帰依意識が染み付いているでしょう。答えは簡単。中国を取り込んでいない経済圏ってこれからは発展どころか、経済リスクが余りにも大きいってことですよ。何もかも中途半端にしてきたツケをどうするんだろうって、不安だよ。
新玉: 当たらずとも遠からずね。太平洋戦争で日本を制圧したアメリカは兵隊さんの供給源だった農村の農地制度、大地主制を諸悪の根源とみて大地主、農会を潰して自作農を創設したでしょう。しかし今、岩盤規制を放置してこれほど遊休農地や耕作放棄地が増加してもアメリカに言われたことを後生大事に守って農村がフリーズしてしまった。農協も生まれ変われなかった。最末端の農協では集落総代制をとっていて組合員すべてが総会に出席できる仕組みになっていない、総代の選出方法も霧の中。これじゃ恐怖組織に陥って近代化を阻んでいる。要は旧態依然としていてそれに呼応するように意欲のある企業が海外に工場移転させ、国内産業は頭打ちで人口は減少の一途をたどっている。経済不安や貧困が国民の精神まで病むようになってしまったと言えなくもないわね。これほど日本経済の足を引っ張っていても国は有効な政策を全然打てないでしょう。農業経営の規模拡大を進める、企業が農地を工場用地や事務所用地、商業用地にする、そういうことが全然できていない。日本は貿易立国でしょう。岩盤規制をとっぱらえば中国や東南アジア、南米にまで出かけて工場を作る必要はまったくといっていいほどなくなると思いますよ。農村に工場や商業資本が進出することによって人口が増える、商店街ができる、街が活性化する。うまくいかなかったら見直しをすればいいでしょう。私たちの後に続く者に光が当たるように発展の条件を整えることは私たちの義務ですよ。農地法を核とする岩盤規制は百害あって一利なしですね。鬼面さんが常々言われる第2次農地解放もそういう考え方を基本にされているのでしょう? それからね、人口対策として過去、首都機能移転や地方分権、子育て支援等々洪水のように施策を講じてきたでしょう…しかし全然、効果がなかった。歪んでしまってまたぞろ一億総活躍社会、地方創生ですか? どうして言葉をかえて同じことをやるんですか? こんなことをいつまでもやっていたら数十年後には日本丸は本当に沈没する。
小寺: 国は1.8人ですか、女性の特殊出生率に「希望」という名までつけて危機感をあおっているよね。だからね吉村さんが懇々と仰ったように、土台作りからやり直さないとね。はじめからあきらめるって政治不存在の証拠、子づくりは強制されてするものではありません。そういうことは口にすべきことでもありません。人権への冒涜、政治家の責任放棄でしょう?
神崎: そのとおり。ナンセンス。少子化の病巣がわかっていない。
市尾: 出産をコントロールしようなんて思い上がりも甚だしい。いやしい発想じゃないかしらね。政治経済がよくなれば人口は増える。政治の貧困を肝に銘じてほしいわね。
鬼面: 政治に期待ができない? 一億総活躍時代だとか地方創生だとかの中身は確かに過去、実験済み。うまくいかなかった政策の山ですね。半世紀後の人口減が人口問題研究所の想定とどれだけ乖離するか関心はありますが失敗してもだれも責任をとらない。日本の将来を潰してしまうことにならないか、心配ですよね。話題を変えましょう。北山さん、何か…。
アベノミクスは成功したか?
北山: 企業の金余りと労働者の貧困、所得格差の拡大、社会秩序の崩壊、いじめ等々、本当にこんなに嫌な暗い時代ってないよね。問題は何一つ片付いていない。アベノミクスはキャッチフレーズだけが踊っていて、日銀の2%の物価上昇目標すら達成できていない。サラリーマンも中小企業の業績はダメでしょう、社員の給料が上がらない。日銀の金利政策が本当に異常! 生活は全然よくならない。度重なる金融緩和で大企業と一部の労働者が恩恵を受けているだけだよ。こんな状態は日銀帝国主義だよね。
鬼面: なんだね、日銀帝国主義って?
北山: 金融緩和が大企業や金持ちの懐を肥やして国民生活に役立たず、やればやるほど格差は拡大する。為替操作に連結しているという見方もある。世界はそのようにみて機関投資家が動く。日銀に円満な常識のある委員がいないのかな? 金利操作という強権を通じて日本経済を支配しようとするところに俺は帝国主義を感じてしまう。手口を読まれちゃったらどうにもならない。世界のどこかでやっているようなことを日銀官僚が十分検証もせず、反省もしないから帝国主義にほころびが目立つようになったね。実体経済に任せておくのが一番! 余計なことはしなくていい!(笑い)
鬼面: 日銀の金利政策の決定はいつもフィフティー、フィフティーで総裁が決定するかたちになっているよね。アベノミクスをやめない限り、悪循環する?
桐山: そういうことじゃなくて、日銀の金利政策が日本経済を捻じ曲げている。やめさせないといかんというのが北山さんの主張でしょう。
北山: そのとおりです。昨日、日銀はマイナス金利を決めたでしょう。短期的に欧米の機関投資家は日本の景気がよくなって中小企業労働者の給料が上がる、物が売れる、インフレになる、そんな見通しから日本買いを誘発すると考えるのかね。逆だと思いますよ。原油安や原材料安でいま世界経済は混乱している。日本や欧米、中国はそうではなくて莫大な利益が転がり込んで企業の財布ははちきれんばかりでしょう。(笑い) あり余る金で自社株買いや蓄財に奔走している。マイナス金利が春闘の財源となって、労働者の給料に充当され物を買う、物価が上昇する・・・大いに疑問だよね。住宅や自動車のローン金利を下げたって審査基準が甘くなるわけでもないでしょう。結局、銀行の各種手数料の値上げや中小銀行の意味のない再編を誘発し預金者を混乱させる引き金になりかねない。日銀の当座預金に頼っている地銀などは貸すところがなければ破たんしかねない。大丈夫かな?
鬼面: 参院選を控えているし、日銀が政権にインフレ目標の達成という塩を送ったと見ることもできる。北山さんが言うとおり逆効果ってこともある。中国経済や原油安に責任になすりつけるにもほどがある。
北山: まずいと思ったら日銀帝国はまた次の手を打って市場を囃したてますよ。数打ちゃあ当たるってものでもないと思いますがね?(笑い)
鬼面: 引き金を引いちゃった。局面次第で二弾、三弾の金利政策を日銀は考えている? 甘利大臣の口利き疑惑で証人喚問だのいろいろと予算審議の阻害要因もあるだろうからね、与党はマイナス金利で世論の鉾先を変えたいところだろうが逆効果になることだってある。アブハチってところかな。金と政治家の問題は今国会一番の正念場になると思います。
杵島: そうですかね。野党はもう寝転ぶようなことはしないでしょう。不祥事をテコにして政権に襲いかかることに嫌悪感を感じる議員もいるかもしれないしね。結局、予算審議と分離して甘利大臣の問題は消えてしまうのかな? 野党に力がないからね。
片桐: そうやろな。野党だって依頼者に何か頼まれてURに照会することはあるはずや。URに法外の金をださせて見返りに依頼者から成功報酬をもろたら犯罪や。そやなかったら単なる連絡やろ、あっせん利得にはならへんよな。議員事務所で誰もがやっているようなことは問題外、金が甘利さんに渡らず事務所職員が個人的に費消していたらその職員の問題や。攻めようがないように思うけど。司法もこの国の体制を崩すようなことは本意でないやろからね、犯罪として起訴することには相当、慎重になるのとちゃうの?。体制内の甘利さんの立ち位置を考えながら事件の解明に当たるんとちゃうの?
田中: そんなことあってはならないこと、ありませんよ! この国の倫理がそれほど地に堕ちたとは思いません。ただ政治家が行なう苦情処理は疑惑が生じることもあるからやめてほしいわね。国民もよく考えて行動しないとね。議員は国会審議で国家国民のことを考える。それを全うしてほしいわ。
衆参同一選の誘い水
桐山: 甘利さんの事件は終わったってこと? どうかな…過去の疑惑事件ではひょんなことから展開が変わったこともあるから少し様子を見ないとね。与党も補正で1月いっぱい審議に費やしたから、もたもたしていると予算関連法案が会期内に上がらなくなっちまう。どうもまた強行、強行を重ねて3月中に予算をあげて甘利大臣の問題は幕引き。内閣提出法案は連休明けから順次すべてきれいにあげる。その後、経済対策を打ち出して夏の参院選に突入ってところかな。自民党は同一選をやりたいだろうな。これ以上のよい環境はもう巡ってこないかもしれないからね。憲法改正や核の再生処理問題、原発再稼動や輸出、TPPの承認手続き等々国家的課題が山積みだからね、そりゃあ、グットタイミングなわけだから。来春にはTPPの国会承認手続きが迫っているでしょう。やりたいだろうな。
島崎: 政治の話はよく解らないが、俺が気になるのは金利政策より安倍政権の強引さだよ。アベノミクスははっきり言って失敗でしょう? 経済はほっといても10年ほどのタームで循環するっていうじゃない。今はサイクルが長くなっているだけですよ。景気は政府や日銀が無理に介入するような代物じゃない。恐慌に発展すれば放ってはおけないが金儲けは経済人に任せておけば良い。
鬼面: どういうこと?
島崎: 自由主義経済の基本を崩すと混乱が起こるってことですよ。日銀のやることなすことがそうでしょう。日本は社会主義国ではありません。日銀が政権になびくようなことは本来、あってはならないことですよ。
鬼面:  どうだかね。金利政策で政府と懇ろになると公平公正な経済循環の保証がなくなる。
市尾: 違うでしょう。私は大いに連携してもらっていいと思うの。だけど失敗したら辞めてもらわないとね。
鐘崎: この問題は三権分立の在り方とも無関係ではない。自由主義経済社会が壊れそうになったとき、やっぱり三権や日銀が一体となって是正すべきところは是正して社会を支えてもらう、話し合って意識統一していただかないとね。
田中: 裁判官や日銀総裁が総理総裁と話し合って判決や金利政策の決定を行っていいってこと? 違憲違反よ! 民主主義社会の崩壊じゃない?
新玉: 崩壊する前に手を打たないと、本当に崩壊するわよ。
田中: 鐘崎さんや新玉さんの仰ることは大きな間違い。先輩に申し訳ありませんがこんな人がいるから日本は良くならない。裁判所や日銀が政府の意を体して目的的に或は阿吽の呼吸で一心同体になるような判決や決定は出せませんよ、憲法違反といわねばなりません。特に司法と行政と政治の関係はそうだと思いますよ。新玉さんらの発言は民主主義の本旨にもとります。
市尾: いろいろと思案して何とか国民生活がよくならないかなって…。そういう気持ちから発言されているわけだからもっと心を広くして誤解しないでください。現実にそんなことが立証されれば私も問題にしますよ!
鬼面: 司法が時の政権の政策の方向性を踏まえてそれを判決に反映することは決してないでしょう。また判断を求めるような行為は断じてあってはならないことですね。遠い昔に、司法が政治判断を求めるべく三権の長と意見交換したことがあったかも知れないが時代が違うでしょう。田中さん、何か…。
選挙と民意の狭間
田中: 私には与党の政策のほとんどすべてが強引に見えます。原発、安保法制、TPP、憲法改正、その先に徴兵制があるのかな、男女ともに徴兵制が敷かれるのかしらね? 個々の政策に国民の過半が反対でも選挙になると野党に票が入らない。なんだか恐ろしい時代の幕開けに思われてなりません。
吉村: 選挙戦術の与野党間の格差があまりにも大きい。与党は政策の扱いもそうですが実にうまいね。先の衆院選などは経済に焦点を絞って、消費税10パーセント増税をやるか1年遅らせるかを問う選挙だと言ってたよね。市民は家計を考えると遅らせる方がいいに決まっているからね。実に、作戦が周到で単純化して巧みに戦っていたよね。勝つと原発も安保法制もTPPもその先の憲法改正も選挙で支持を得たってね。(笑い)
桐山: 野党に選挙の作戦がまったく感じられなかったよね。選挙に作戦が欠けると良い結果は得られない。共産党を含む各党が一致結束して政権党に挑むのかと思っていたら、あたふたしてなにも出来ないまま終わっちゃった。
小寺: 民主党は昔の夢を見てるんじゃないの。(笑) 相手が何歩も先に行っていても速度がみえていない。自民党がこれほど楽な時代はない。
田中: 政権党であったときはどうのこうのって、予算審議でよく耳にします。それって党勢が接近しているときに言うセリフね。
猿渡: 党内に自民党と対等に戦える人がいないってことですよ。国会は戦場でしょう。ちゃんと闘わないとね、国民は見てますよ。気概が失せると現状のような政治状況になりますね。一昔前は野党に闘将がいたでしょう。政権なんて本当に激烈を極めてはじめて獲れるものですよ。言い負かしたとか、世論調査がどうのこうのってそんなレベルのものじゃありません。血反吐を吐くような闘争からうまれるものでしょう。だから世論がついてくる。そうでないと政権なんて獲れないんじゃないの?
田中: 仰ることはよくわかります。そこはマスコミにも大いに反省してもらわないとよい政治風土がうまれない。政治家にレッテルを張るような報道をしたり、主張が偏った番組になっていないか監視が必要ね。
猿渡: それもそうですがね、まず政党同士が力の限り戦かわないとね。国会を止めると批判されるような誤った政治風土があるのは非常に残念ですね。行政は霞が関の官僚に任せておけば政党も国会も要らない。しかしそれじゃちっとも生活がよくならない。国民はダイナミックな政治を期待している。
田中: 期待していません。私は重要施策の国民投票制度が必要と申し上げています。政治に期待できないので政府と国民が直接、対話して国政を進める。この道しかないのかな。
鬼面: なんだかさみしい話になりましたが、仕事をしない国会なんてやっぱり国民の批判を受けて当然です。田中さんの国民投票制度の必要性は僕も感じています。諸外国の例を参考にそういう機運を盛り上げないといけないと思うし、それからIT時代に即応した投票制度にしないとね。マイナンバー制度も執行されたし、パソコンから投票できるようになると投票率も格段に上がると思う。ID,パスワードの管理手法に工夫が必要ですが、できないことはないでしょう。
(パブリックコメントの怪)
市尾: それと国、地方公共団体のパブリックコメントの重用ですね。今は非常に軽く取り扱われていて、国民の意見に役所の新人が片手間に回答を書いておられるようにみえます。パブリックコメントの処理の透明性、公平性を担保する観点から受付と回答は別部課にして、一連の流れを監視する組織が必要と思います。国民と行政の間に打てば響く関係が確立できれば、国・地方の議員数の徹底した削減も現実のものになると思います。
鬼面: それもそうですがね、行政機関などが制度発足時の意義を忘れかけているんじゃないかと気になりますね。そもそもパブリックコメントは市尾さんが仰るような国や地方公共団体がやろうとする施策について市民の意見を聞いて担当者がスラスラ回答を書いて、その「結果」をホームページで公開するというような単純な仕掛けではなかった。パブリックコメント求める時期が遅すぎるからそうなるわけですよ。
成島: それだけじゃありません。真に市民に聞くべきことをパブリックコメントとして求めているかどうか、策略を感じさせるようなやり方はダメですね。
鬼面: どういうことですか、具体的に仰ってください。
成島: パブリックコメントを求めると紛糾して市民の意見が分かれるような命令や審査基準、計画などいろいろあるじゃないですか。紛糾すると自治体の運営が困難になる、そういうことってあるよね。避けたいわけですよ・・・。原発事故の避難関連の基準や計画など典型でしょう。パブリックコメントを求めるべきですね。ところが集会を開いて直接、住民から意見を聞くと言いつつ実際は自治会など特定の個人を集めて意見を聞いて、質問に対する回答を「結果」としてホームページに載せる抜け穴的なことがあるんじゃないかと。
桐山: 国の法令、施策は日々動いています。したがって国はもとより地方自治体の要パブリックコメントは相当、幅広になっています。抜け穴があってよいはずがない。そういう怪しげな手続きが横行すると夜警自治体に堕ちてしまう。(笑い) パブリックコメント制度や住民説明会の意義がなくなってしまう。
鬼面: そんなことはまずないと思いますが、原点に立ち返らないといけないね。桐山さん、どう考えますか。
桐山: 間違っていなければ国の場合、行政手続法の定める意見公募手続をパブリックコメントと言っていて各省などが命令等を定める際、国民からパブリックコメントを求めなければならない法的義務を負っています。事後措置としてのパブリックコメントなどはあり得ないわけですね。(笑い) 都道府県や市町村においてもパブリックコメントを実施しています。戦後の日本は官尊民卑と言いますかそういう風土が戦後も根強く残っていて、何かの申請事案が不許可になっても市民は不許可と案件につき審査基準なり、判断の根拠を役所に質すことすらできなかった、問うても返事が返ってこなかった。そんな状況が長く続き、ようやく平成5(1993)年に行政手続法という法律が難産の末、成立しパブリックコメント制度ができたわけですよ。しかし、たかだか20年ほどの歴史しかないわけですから仰るような疑問、難問が山積ですよね。
片桐: もっぱら議員が政府や首長を追及する材料になっとるわけや。(笑い)
鬼面: 英米法で行政処分と実体法の適合性について論議されることは相当古く、歴史がありますね。しかし処分の根拠となる審査基準等の策定に当たって、事前に行政客体たる国民から意見を求め審査基準等に反映させる本来の手続法の始は1976年制定の西ドイツの行政手続法なんですよね。日本でも高度経済成長期の入口あたりでその必要性について論議されることはありましたが行政手続法の制定にそれから30年を要しています。桐山さんが仰ったようにようやく制定されてまだ20年でしょう。歴史が浅くまた公務員がパブリックコメントを命令等の策定に活かすことに不慣れであったり余計な心配をしたりしてあってはならないようなことがあるかもしれませんね。未だ十分、パブリックコメント制度が機能していない、そんな状況ではないかと思います。
桐山: パブリックコメントの対象となる命令、審査基準、処分基準、行政指導指針などについて、パブリックコメントを求めるころには省内幹部或いは地方自治体幹部の了承を得ているわけですね。だから国民や市民から寄せられるパブリックコメント件数は少ない方がよい、できれば取り上げたくない等々、担当者は斜に構えてしまう、そういう姿勢がないともいえない。(笑い)
市尾: それじゃ困るわけよね。何のためのパブリックコメントかと言いたくなりますよね。それにね特に地方自治体なんかでは対象案件の決定に当たって審議会等有識者の意見を聞いているとか対象案件の基本事項は既定であるだとか、なんだか意見を求めておきながらそれを抑制するような文言を連ねているようなものもありますね。会議録が公開されていないものもあって市民は本当に情報過疎の中で意見を求められているのね。そういう前振りを書く限り審議会等の審議過程において住民意見の提出手続きや意見集約が行われたか否か、会議録を含めて市民に示してほしいわ。また計画ものの対象案件では基本事項の改訂につきそれを認めない根拠を明記するなど、脱法行為や市民を欺くような余計な策略は厳に慎んでほしいと思うの。
桐山: パブリックコメントの募集だけじゃなくて「結果」の記述もしかりですね。特に最末端の市町村になると専門家もいないわけですね。市町村の総合計画など外注しないと書けない自治体だって現にあるでしょう。(笑い) 国や都道府県の技術的支援としてどんなことがなされているのかよくわからないところもありますが徹底した援助策を考えないと制度が独り立ちしませんし、総合計画策定の随契ばかり増えますね。(笑い)
片桐: 俺もな役所のホームページはよく見るで。木で鼻をくくったような「結果」はどこの役所も同じとちゃうの? 市民をなめとるというより桐山さんが言うたように役所の中でパブリックコメントを嫌がる風潮があるのんちゃうの。俺も興味のあるもんには意見を言うけど、役所はきちんと答えとったら仕事にならんと思とるんとちゃうの、ヌケがようけあるで、まともに答えとらんで。
鬼面: みんなで様子をみていきましょう。市民によって徐々にこの国を良くしていく義務と責任がありますからね。
徴兵制
片桐: さきほど田中さんから安保法制、TPPなど政府の対応が国民の過半の意見と異なる旨、話がありました。俺はうわべと違う隠れ賛同者がいるとみてるんや。自衛隊員は給料もろとんやから戦争に行ってもらわんといかんとか、憲法を改正して自衛隊を軍隊にしてもらわんといかんとかそんな考えを持っている人がようけおるで。30万人もいて何にもせえへん自衛隊はおかしいで。
田中: 猿渡さん、世論調査でも安保法制に反対の者が過半を超えています。隠れ賛同者がそんなに多いとも思われません!
桐山: 与党は参院選後、憲法改正を提案すると思います。そういう状況の下、日本のどこかで政治的不安が高まると徴兵制への関心が一気に高まるとみています。さらに東シナ海や日本海で小競り合いが起きると国中、そういう雰囲気になると思うよ。明治維新、二・二六事、みんな若い人が立ち上がっている。きっかけがあれば一気に若者中心に徴兵制論議に火がつく。
鐘崎: そうかな? 国民は桐山さんが仰るような反応を本当に示すかな? 若者はもっと冷静に見ているんじゃないかと思っているんですよ。例の尖閣問題の発火点となった国有化の措置などはつまるところ若者の発想じゃないですよ。日本固有の領土ならそんなことをしてもらわなくていい。あれだけ世界を騒がせておきながら領土問題不存在の確認が隣国との間でできていなかった。国家間で対話もなければ世界の世論がついてこない。野蛮な分捕り合戦とみてるんじゃないかな、世界の人々は。
吉村: 結着は話し合いでは決まらないとみるのが常識でしょう。自衛隊員が30万人いるといってもサラリーマンでしょう。いわば日の丸産業の社員さんでしょう。とても実戦で他国に太刀打ちできない。過剰な期待はできません。
鬼面: 尖閣、竹島で中・韓はもう一歩のところで踏みとどまっているでしょう。原発技術の核への転換、徴兵制…そういうことが論議されるようになると、中・韓は日本に大きな脅威を意識しはじめるでしょう。今は脅威であっても様子見の段階かな?
マイク: アメリカの傘の中にいてほしいってこと。(笑い) 中国なんかはそう思っているでしょう。経済圏もどんどん広がっているし、近い将来、GDPでアメリカを凌ぐでしょう。日本のGDPはもう中国の二分の一以下でしょう。余りにも経済力が開きすぎましたね。粛々と地力を蓄えている。しかし今は、じっとしておこうと…。アメリカと日本の仲がこじれるとかえって極東のかじ取りが難しくなる。余計な金は使いたくないとね。(笑い)
鬼面: 当たらずとも遠からず。中国がシーレーンを握れば当然、対日政策もやりやすくなるからね。極東の覇権を握るまではアメリカの出先でいてくれとね。
楢柿: 中国はよくわからないところもあるよね。TPPの経済圏はたかだか8億人。中国の人口は1国で13億5000万人ですよ、まったく比較にならないくらい巨大な消費経済圏を自国に持ち、かつ人口ピラミッドも正常でしょう。日本経済の命運も中国なしでは考えられなくなった。そこでね、僕はやっぱり世界で日本が生きていくために、現下の重要政策は土地政策だと思うんです。明治維新だって、先の敗戦復興だって基本、土地制度に手をつけて日本は躍進した。今は制度疲労をおこしている。だから東京一極集中の改善、企業の日本回帰、ひいては人口政策の大成はその上にしかつくれないんじゃないかとね。しかも今、企業は金余りでしょう。どなたかが仰っていたように農地法廃止の絶好の機会、ツラさんの言う第二次農地解放の絶好の時期と思います。
片桐: 政権の安定が条件や。憲法を改正して、9条やで、楢崎さんらが言うとる農地解放がでけて、そこらのこしらえがちきんとでけたら海外工場が祖国回帰するちゅうわけや。それをやるだけの実力がなかったら企業の腰は上がらんし財布の口も開かん、そうやろが。貿易立国になるんや、ちゃうかな? 徴兵制はやっぱり必要やな。鍵のかからん家は危なかろう。それからな自衛隊は隊員が若いやろ。兵隊にもいろんな経験持った人がおらんと戦場で知恵が働かん。戦うところは砂漠であったり密林であったり市街地であったりみな違うわけや、知恵がないと負け戦や。サラリーマン隊員ではいかん。徳があって隊員を動かせる将兵を育てなあかん。
マイク: 英米兵を日本の自衛隊に配置することもいいかな。彼らは云ってみれば戦争の専門家でしょう。戦場で極限の精神状態に耐えてきた兵でしょう。模擬戦じゃない知識を身につけています。個人的には指揮官にも採用していいんじゃないかと思いますね。戦いが始まればもう、ほふく前進のような戦いにはならない。一瞬で決着でしょう。戦いにはやっぱり実戦と瞬時の兵器の扱いに慣れた英米の戦闘員が必要と思います。
田中: まあまあ、そんなことにはならないでしょう。今年は参議院選挙があります。高校生などいわば新成人の投票行動が楽しみです。
マイク: 今から緊張しています。
鬼面: 田中さん、選挙に期待する?
田中: もちろん投票行動に関心があります。これからの日本を支える若い力ですからね。もう子供じゃないわけよね。日本の針路を投票行動で示してほしいですね。
鬼面: いつからそんなことが言える先輩になったの。あなたはまだ大学生だろう。マイクを指導できる人生経験もないのにね。(笑い) 今日はこのくらいにしましょう。冷えてきましたので皆さん、気をつけてお帰りください。
了」

言論の泉 NO12 2015.12 TPP妥結,韓国大統領名誉毀損事件,新国立競技場問題・テロ対策

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鬼面兵衛門の言論の泉 座談会(2015.12)
出席者
司会 鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美  (大学生)
佐分利肇  (溶接工)
金森良子  (主婦)
猿渡仁志  (大工)
金本佐次郎 (内装業)
北山史郎  (配管工)
桐山芳夫  (公務員)
新玉美奈子 (鉄工所経営)
樽柿 靖  (商社員)
市島三吾郎 (建築作業員)
小寺三津美 (廃品回収業)
高木成実  (農業)
荒戸康人  (土木作業員)
雨宮淑子  (役場勤務)
吉兼義人  (清掃作業員)
マイク沢  (高校生)
成島児野美 (洋品店員)
※出席者はいずれも仮名

1原発の再稼動
2日本人記者の韓国大統領名誉毀損事件
3TPPの妥結
4新国立競技場問題、テロ対策

鬼面 : こんにちわ。9月に会議をして以来、3か月休みました。体調がすぐれずさぼってしまったわけです。そこでね今日は1年を振り返って皆さんが気になった時事問題をピックアップしていただいて議論したいと思います、よろしいか。(異議なしの声)
それではご発言願います。右回りにいきますか。田中君、あんたはどんなことを…。
原発の再稼働
田中: 沖縄、テロ、新国立競技場、いじめ…たくさんありますが私はやっぱり原発の再稼働、安保法制法案の成立かしらね。
鬼貫: どうしてかな?
田中: そうですね、私は国民の過半が反対でも政権は逆方向に舵を切っちゃう。安保、原発など重要問題はそんな傾向がありますね。一体これからどうなることやら心配ですね。特に原発は世界の人の笑いものじゃないかしら。先の大戦の被爆国で、原発事故があったでしょう、本当に事故が多いですね。東北の人や国民の過半は再稼動に反対、それでも川内は動かしちゃった。政権が選挙に勝ったから云々じゃないけれどもやっぱり身勝手、政治は三流っていわれるのよね。
荒戸: 確かに動いたな。しかし再稼働してもデモはそれほど動かなかった。(笑い) 悲しいけれど今の日本人の意識レベルはそんなもんだよ。自棄しちゃっている。運動家が火つけてまわっているだけよ。それを見透かしてじっと再稼動のタイミングを計ってるだよ政権は・・・。だから三流なんじゃねえの。
田中: そこまでゆっちゃう!(笑い) 次は高浜、伊方かな? 政府も電力会社も再稼働の方向でしょう。
: 再稼動は政権のグルーピーと利権に取りすがる人たちによってどうにでもなるだよ。伊方も高浜も地元民や県知事が再稼働に同意したろう。東北や国民一般の判断とは違うのよ。地元はみんなOK。裁判所もこうした問題はどうにもならない。やっぱり体制下の裁判でしかないのかな。伊方も高浜の再稼働も時間の問題じゃねえの。
田中: 私はそういう意見、雰囲気が恐ろしいと思うのね。誰も核燃料サイクルの見直しを進めようとしない。文殊の問題など本当に恐ろしいと思うのね、アメリカは期待していると思うけれどもね、安保も通ったしもう戦後じゃないとね。しかし再稼動はそれを原子力規制委員会が新基準で承認し、もちろん政権が支持し、仮処分が覆り、地元自治体が同意したからいいというものではまったくないでしょう。
吉兼: 大飯原発は福井地裁が3、4号機について運転差止の判決がでています。動かせないにもかかわらず町民や首長が福井地裁の判決と逆の判断をしてしまう、高浜など地元でありながらですよ。そして日本全体がそれ色に染まっていく。結局、廃炉にすると原告は補償請求されてもできないでしょう、国は転職の世話もしない。判決が出ても端からこれじゃどうしようもない。国や電力会社の司法への挑戦ですよ。
マイク: だからもう一度、大飯原発の差し止め判決をよく読んでもらいたいですね。非常によく書けていて世界に誇れる判決と思います。今の水準で出来うる限りの安全対策を講じた云々で稼動するんじゃだめですよ。それで安全が保たれたことにはならない。限りなく絶対的な安全さを求めて私たちに何ができるか、それぞれが真剣に考えないといけないね。ヨウ素を配ったり避難訓練をするとだんだん廃炉が遠のいていく。廃炉を否定した原発の容認ですよね。事故が起きても誰も責任をとらない。最大限の災害対策をとっていたのに残念、仕方がない事故だった、とまあそんな感覚でしょう、きっとね。原発の改廃にも国民投票制度の適用がありません。私は来春、18歳になります。投票行動で意思を表すほかありません。身が引き締まる思いでいます。しかし考えれば考えるほど日本の政治の貧困さが気にかかります。どの政党も自民党と一緒になって後を追っかけているだけではね、あ~あ。
鬼面: 君はまだ高校生でしょう。街に出て巷の騒音に身をゆだね、人の暮らしを見聞するとよいでしょう。教室のどこにも政治の貧困を云々する材料はない。そこでね、原発の地元住民や知事は再稼働に反対はしないでしょう? 政府は交付金など原発を推進する政策をとっているから、差し止め判決が出ても労働者の転職を勧めないし、核燃料サイクルの見直しなどには全然向かわない、国や電力会社の動きも判決に反抗的でみえましょう。結局、地元の意見や電力会社の挑戦的態度が再稼働を誘引している。それは国民全部の意見じゃないからやっぱり司法への挑戦とも受け止めねばならない。マイクの言うとおりまったく国民の意思が政治に活かされない。裏返して考えると原発は地元住民の糧であり、交付金は首長の政策実現手段であって再稼働はごく自然なものもなんですね。国、つまり政府与党は原発を止めることによって生じる核燃料システムや経済システムの根幹が崩れることを一番恐れている。そりゃよく知っていますよ。政権の崩壊と背中合わせの最重要課題中の課題なんですから、原発も文殊もそれを否定することは琴線に触れることなんですね。しかし裁判で結論が出ているわけだから判決に疑問や問題があるなら判決内容について政府与党は批判しないと筋が通らない。それを徹底してやらずに地元の意見を最大限尊重する裏に原発の安全に対する政府与党の不安がある、そこに基本姿勢の貫徹と責任の転嫁というレールがひかれてしまうしまう、つまり政治の破たんなんですね、これはね。やっぱり田中さんが再三言っているように、その是非について国民投票にかけないと公正な政治が期待できない。司法制度も結局、体制下の判決に帰着する。支配層は司法、立法、行政とも一つなんですよ、阿吽の呼吸で進んじゃう。遠い昔は司法と行政が事案の取り扱いを意見交換することがありました。表向き現憲法下ではそういうことは行われないにしても、司法も含め現政権カ下の国家運営でしょう。そこにやっぱり司法の限界が特に、政治が絡む治安では顕著じゃないのかな。しかし大飯原発の再稼働差し止めの判決は消えてなくなるわけではない。それを無視して電力会社が稼働させるかどうか、大飯は政府の姿勢も絡んで重大な局面を迎えている。バックに文殊の重く、暗い影が重なって見えます。
小寺: 日本は災害が多く、テロがおこる懸念も払しょくできない。イスラム国は世界のどこにいても日本人を標的にすると言っていて、チュニスのバルドー博物館の襲撃テロで日本人3人が犠牲になった事件に対し犯行声明を出したよね。再稼動は電力会社が判断すると言っても、電力会社にテロリスクはわからない。だから再稼動の責任を1電力会社に委ねていいものか。事故がおこるとこの国が滅びかねない。どうするのか。テロの可能性について過半の国民はそれがおこると信じている、世論調査ではね。テロの分析能力もない電力会社が軽々に再稼働して事件が起きてからではもう手遅れです。だからといって電力会社に未必の故意を求めるのはちょっとおかしい。負うべき責任者は誰か、言うまでもありませんよね。今、国民が真剣に考えないと、本当にとんでもない事態になるんじゃないか。原発の問題は政府が原発に潜む負のリスク評価を徹底的にやらずして、経済発展だのやれ原発輸出だの、核技術の温存だのとふらふらしているようじゃ話にならない。規制委の新安全基準じゃまったくだめ。絶対安全であるという確からしさを政府と国民が共有できないようなら原発は廃棄すべきだ。そういう意味からマイクの言う通り、俺も福井地裁の大飯判決をもう一度、読み直すべきと思うね。要旨はネットや新聞で紹介されている。自治体は避難訓練をして住民に誤解を植え付けちゃだめですよ。それは筋違い、固定化の容認です。原発の避難訓練をしなくて済む安全な社会の構築を訴えることがまず必要です。政治が民意を飛び越えるとファッショになります。

日本人記者の韓国大統領名誉毀損事件
鬼面: 北山さん、あなたは?
北山: 12月17日、ソウル中央地裁は、かのセウォル号事故当日のパク・クネ大統領の行動についてコラムを書いた新聞記者に無罪の判決をくだしましたね。延々3時間余、判決文が読み上げられ、この裁判の異常さを感じました。裁判長は記者の取材はいい加減で事実関係が間違ったまま報道したと指摘したよね。だけど、記者に大統領を誹謗する意思はなく、公人である大統領の男関係の記事を日本国民向けに書くことは許されるとして無罪でしょう。私にはよくわからない判決だったね。新聞記事に完璧さは求めないが正確性というか事実関係のウラをとらないまま報道すると、もう新聞社の記事としての価値を失うわけだろう。そんな読者をなめた新聞、読みたいとも思わない。取材はきちんとしてほしいね。大統領は公人だから伝聞や当て推量の記事が許されると言うのもやっぱりおかしいよ。それは報道の自由に当たらない。マスコミという権力の濫用でしょう。(笑い)
金本: その通り。韓国国内でも判決に批判がある。これはやっぱり政治的な配慮が働いとしか思われない。それが判決に反映されたのではないかという疑念が生じるところに今の韓国らしさがあるのかもしれません。裁判所と大統領府との関係はよくわかりませんが、慰安婦問題とは別次元のはず、法廷外で取引が行なわれると審判の中立性に疑問なしとしない。裁判所と大統領府との取引で、判決に日本政府の要望が反映されたかどうかどうか、明らかにする必要があるんじゃないですか。韓国の裁判官の意識は100年前にもどっちゃったかな。判決で日本政府のメッセージが読まれていたしね、まあ被告の記者が当て推量で記事を書くなら小説家になった方がいいね。実刑でなくても執行猶予くらいもらって当然じゃなかったのかね。
鬼面: 判決が出たばかりで裁判の周辺事情や裁判官の人事、身分保障がよくわかりません。周辺事情が次第に明らかになって日本政府の大統領府や裁判所へのアタックの状況、報道の公益性に対する評価、韓国の民情等々が的確に評価され、検察の対応も決まると思うのでここ1週間ほど、静観しましょう。僕は控訴するとみるんですがね。政治的配慮を加えると韓国の司法が揺らいでしまうからね。
さて、高木さんあなたはどんなことを・・・。

TPP交渉の妥結
高木: 百姓ですから当然、TPP交渉ですね。10月5日、アトランタで概ね合意して11月18日にマニラで行なわれた首脳会合で妥結したでしょう。常会冒頭に早急に承認手続きをとってほしいね。農産品では834品目うち586品目がコメなど重要5項目で何らかのかたち自由化ですよ。コメなどは国別輸入枠や期間制限などがあって完全自由化にはまだまだ緩いですが前進です。しかしキロ
341 円の枠外税を支払えばこれまで通り、それにWHOのミニマミアクセスの見直しでカリフォルニア米の中粒種との抱きあわせで相当量のコメが日本市場に流通する。特に私は100パーセント、短粒種のコシヒカリを生産しています。外食産業や家庭の食生活の洋食化で中粒種に触手を展ばしたいと思っていのでこれは予想外ですね。タネモミの問題や細かい栽培技術、ほ場規模が違うので到底、アメリカに太刀打ちできない。郊外レストランはコシヒカリを使ってくれないから国内の受け入れ環境が整うまで輸入するべきではない。家庭のコメ需要が短粒から長・中粒に移行し、これからも国内産コメの消費が減りつづける傾向があるので止めてもらいたいね。
成島: ええのと違いますの。コシヒカリは水気が多いから洋食に向いてへん。カリフォルニアの夢やったですか? あっちの方が断然、カレーにもグラタンにも合います。手前の商売で自由化を非難せんといてください。補助金漬けなのに文句は言わんといてほしいわ。農家は身勝手とちゃいますか。せやからいつまでたってもおねだり集団って言われるんですよ。(笑い)
高木: 絶対にそんな気持ちはありません。農家はそんなこと言っておりません。私の主張です。補助金をばら撒いて日本の農業は堕落しました。今回も同じですよ。何が農業基盤整備ですか、何が農業機械の大型化ですか、何がバード・ソフト事業ですか、後継者は増えましたか、生産性はアメリカとどっこいどっこいにまで近づきましたか、だめだったでしょう。今回も10年たてば元の木阿弥どころか農業人口は大幅に減少します。私には無縁の世界です。私は補助金は拒否します。制度金融の改善は許されるぎりぎりの措置と思っています。そこは劇的に変えないとね。成島さん、勝手解釈で批判しないでください。
猿渡: 自由化にともなうばら撒きは日本のお家芸。やらないわけがない。野党は「足りない」という。補正予算を組んで、再び常会に大判振る舞いの予算案を出したって「もっと、もっと」だろう。自治体はもっとひどいよ。国の予算では足りない、単独事業で予算をつけろって言い出すに違いない。高木さんは1人親方でがんばっておられて、生活は俺らと同じだよ。成島さんのいいぶんはよくわからないが、高木さんは競争を勝ち抜いて1円でも安くコメを提供したい、とがんばっておられる。
マック: 高木さんのお話では既存のキロ341 円の枠外税を支払えばアメリカやオーストラリアの農家は輸出できる。こんな制度を残すと本筋の制限枠を超えた米・豪は文句をつけ始めて集荷体制や流通、品質のランク付けなどに言いがかりをつけかねないでしょう。13年後の改定時ではなくもっと早い時期に数量制限の見直しが行なわれると思います。
高木: そのとおり。だからね、いまから優良農家の選別が必要なんです。政府与党は団塊の世代の「世代代わり」を約10年程度と見ているでしょう? 80歳を過ぎて農業はまず難しいからね。私は米・豪からの輸入量の合計量を政府が買い入れたり、対策補助金をばら撒くなどの激変緩和措置は必要ないと申し上げている。生産性の低い農家は農業から撤退していただいて、農地を手放していただきたい。規模拡大によって生産性は格段にあがる。13年待っても輸入枠は2万トン程度増えるだけ、話にならない。13年後に完全自由化なら話はわかる。税務調査をしてごらんよ。きっと裕福な農家の実態がわかるよ。
金森: 官僚の皆様の努力の結晶なんでしょうけれどもね。対角に議員がいらっしゃる。農村を票田とする議員は与野党を問わず対策補助金の充実を望んでおられる。農家の顔色を見て予算を組んでいたら消費者が倒れちゃう。穀物、土物・根物、葉物みんな自由化の対象でしょ。米・麦だけがんばっていても国益にならないんじゃないのかしらね。日本の人口パイを拡大しないといけない時にね、こじんまりと農村を守護したってどうにもならなくなる。
成島: 金森さんに賛成! 集団就職から数十年、農村も都会も知っておられる。もう農村が潤う時代ではないはずや。若い人の農村離れってあるんとちゃいますか。農家というより農村の保護をやめて解体しないとあかんでしょう。農村の生活が無形文化財のなるのんとちゃいますか。絵葉書のように固まって人の姿が見えない田園にすることはよいことではないですよ。日本人の総活躍社会のためにも農村を保護社会にしたらあかんのとちゃいますの。
新玉: 農家は閉じこもっていても補助金が入るのよ。TPPでモノやサービスを自由化したってだめよね。まず自国の規制緩和も考えていただかないとね。農産品の自由化の前に土地規制の緩和が必要よ。TPPでまず3年、次に13~16年だっけ、節目を設けてまた徐々に輸入量や税率を下げてやがて完全自由化ですかね。高木さんはコメを自由化すると生産性の高い大規模農業が盛んになって米・豪に対抗できるコメづくりができるようになるって仰るのね。でも小規模農家が農業から撤退するともう農村は農村でなくなるでしょう。ほとんどすべて小規模農家なんだから。消費者や都会生活者はそれで大歓迎ですよ。農村だけが保護されて良い訳がない。だからねTPPをきっかけに農村は工場や事務所、商店、住宅が混在するところに生まれ変わるといいね。UIJが盛んになって農業をやらない若い人も私たち中年層も農村集落で楽しく生活できるようしなくっちゃね。そんな地域デザインが描けないかなって思うの。国がそういう方針を出して、道府県が法律で決められた規制地域を解除する。市町村は農地を多用途にもデザインする、そうすると農地の資産価値が上がって、都会からの移入者も増え、東京一極集中の改善だけじゃなくて経済の発展が期待できるのにね。もちろん農地法も廃止すると条件は整います。農地をこれほど規制する政策をとって人口減少を騒いでいるところは日本くらいじゃないかしらね。人口ピラミッドが崩れどうにもならなくなっていうのに封建時代そのままのエンクロージャー農政じゃあどうにもならない。だから私はTPPに余り意義を感じません。私は工場をやっているので農村は魅力なんですよ。農村でのんびりと鉄工所をやりたいですね。こんなことをいつまでもやっていると、いまにオバマさんから勧告されますよ。(笑い)
鬼面: 確かに仰るとおりかも知れんな。オバマは言いたくて仕方がない、しかしオバマさんはマッカーサーじゃないから占領政策は打てない、だから勧告かね。面白い着想ですね。
佐分利: 農村はいちど解体して、出直すべきだ。TPPはよいことだが生ぬるい。利権の保護のようなものがあってはならない。完全自由化を期待してだけに残念ですね。自動車が絡んでいたり、東南アジアの食糧事情がからんで日本は命拾いしたかもしれないが、本当に残念です。
荒戸: TPPに中国は入っていないだろ。参加12カ国で経済規模3100兆円、市場規模8億人ちったって中国は1国で13億5000万人おるよ。ヨーロッパや世界の経済が中国にシフトを始めたね。中国の巨大市場と経済力は魅力だわな。計画経済だから復元力も早い。だからね日本も中国人労働者が超長期の滞在ができるビザの発給を考えたり、帰化政策を勧めてもいいわな。中国とのパイプをつくっておかんとね、乗り遅れるだよ。派遣労働者の数がのびちまって保険制度はもう忘却のかなただろ、いずれ崩壊しちまうから転ばぬ先の杖だよ。人と言う字の杖を中国からお借りしてせっせと帰化してもらうだよ。保険料を納めてもらって特会を改善してもらうだな。間違げえねえよ、中国は漢字の国だからよ。(笑い)
鬼面: よくわかりません。TPPはよくやったと言う評価もあります。コメにしてもサービスにしても土俵に乗ったということはアメリカのルールに従うというこだから、どなたか指摘されたように逆手に取られて完全自由化のタイムテーブルが狂う可能性が十分、考えられると僕は思います。木材のようにね。それから農業の話、農村の将来像が誰も描けていませんよね、このままでは農村の消亡は時間の問題ですね。10年余で団塊の世代が亡くなったり、社会の指導的立場から退く。しかし今は人口の占有率が異常に高いから政治が触れない、負けてしまっているんですね。この層の支持を失うと与野問わず政権が獲れない。どうしようもないお手上げの中での交渉でしょう。だから高木さんが指摘するような変な後退が随所にあって段階的撤廃にどうも団塊世代の輪廻サイクルがテーブルに現れたような気がしてなりません。結論を言えば、僕的には参加すべきでなかったと考えています。世界経済は完全に中国シフトに動くでしょう。東アジアの警察権を獲得するのも時間の問題でしょうね。アメリカにとり変わる、そんな時代が迫っているとみるべきだ。日本は社会の構造から変革していかないと足を踏み外してしまう。だから新玉さんや荒戸君が言われように農地規制や農村社会の自治構造に至るまで劇的に変えることを僕らが今から検討しておかないと13~16年後、大変な危機的状況に陥るだろうね。それはね団塊の世代が姿を消すころから急激に始まると僕は感じているんですよ。将来のことは将来を担う人々によってデザインされるべきだ。そのような兆しがまったく見えてこないのは本当に残念ですね。来年の参議院選挙には高校生諸君が加わる。日本の転換点になるかもしれない。250万人の若い力に日本の将来を託したいね。
桐山君、お待たせしました。なにか、仰ってください。

新国立競技場問題、テロ対策)
桐山
: 今年1月、湯川遥菜さん、後藤健二さんがイスラム国によって殺害され、対日本人テロを公言しましたよね。このことと7月の新国立競技場の白紙撤回の出来事ですかね。3月にはチュニジアのバルドー博物館で日本人3人が犠牲になって事件でイスラム国が犯行声明を出しました。日本にはオリンピックやそこらじゅうに高層ビルやタワーが立っているでしょう。四海は海、実行は比較的たやすく被害は甚大。原発など狙われると本当に恐ろしい、想像もつきませんね。オリンピックなどのイベントはイスラム国威の発揚の絶好の機会ですわな。オリンピックはもはや返上するわけにはいかない。充分な作戦期間があるし、勢力も拡大しているようだしね。ヨーロッパ各国の事例からみてイスラム国はコマンドを直接、送り込んでいるわけではない。現地編成や賛同者によって比較的簡単に実行に至っているようですね。ですから諜報機関の再編と強化、警察等治安要員の充実・強化策がまず必要、それから情報の収集・分析につき中国、アメリカなどからノウハウを学習したり、ウェブのプロバイダーなど通信事業者の協力が必要ですね。原発やタワーのテロ対策は大変難しい。出入りのチェックも通用門や入口では近すぎるし、爆破の手法・手段もごまんと考えられますしね。やっぱり国内外の政治的安定が一番重要です。漫然と思いつくままに申し上げるとそんなところですかね。
それから新国立競技場建設のどたばた劇では国内外に日本の恥をさらしてしまいましたよね。オリンピック招致に夢のような資料を作成し、皇室まで動員して東京に誘致しましたよね。鬼面さんが2年前の2月にJOCの愚行として書かれましたよね。その競技場が白紙撤回でまたぞろ1550億円で2案を公表しましたね。設計・施工は一括発注、ゼネコンが名乗りを上げているようですね。まったく茶番に茶番を重ね、ようやくローマのコロセウムに似たような現代版が姿を現したわけですね。既存施設の再整備で済むところ、まったく理解に苦しみます。状況変化を考えなくとも招致は間違っていましたね、世界に釈明する必要がありますね。せめて各種目の競技施設だけでも既存施設の軽便な改築程度に収めてほしいですね。別途、数千億円かけるようなことはしてほしくない、納税者として当然です。それからやっぱり参加国のキャンセルも想定しておかないとね、日本の信用にかかわる問題になりますからね。テロが起きても観戦客に迷惑のかからないようにするのが開催国の礼儀です。
田中: 地震などによる大災害も想定されますね。特に東京など南関東は直下型地震の発生が言われていて防災対策が喫緊の課題。一旦、発生するとたぶん東京開催はできないでしょう。このような事態を想定したオリンピック対策はテロ対策とともに非常に重要ですから、インテリジェンス機関をはじめとして挙国体制で臨んでほしいわね。
荒戸: 本をただせば1競技団体の行事だろ。オリンピックは国家行事じゃねえよ。
田中: 基本、そうですね。だけどテロや災害など考えるとそうも言っておられないし、国や自治体が打ち上げちゃったでしょう。国の行事としなきゃ誰が責任取れますか。
荒戸: JOCだろよ。乗っかった方も悪いけどよ、行事の責任はJOCだよ。
雨宮: そうも言っておられないから担当大臣まで置いたんじゃないですか。約束しちゃったんだから総理が出席して・・・。テロだろうが地震だろうが乗り越えてこそ世界に顔向けができるでしょう。
荒戸: 俺はいやだな。そんなことだから同じことを繰り返すだよ。
鬼面: 僕は雨宮さんの意見が当然と思います。確かに後見人が母屋を乗取っちゃったようなところがあるかもしれないがもはや国家でなければ開催運営の保証ができなくなっている。国費を使ってこれほど政権のPRになるイベントはない。しかしもうこんな恒例の行事はやめたほうがいいと思っています。弊害の方が大きいからね。もっと大々的に論議した方がいいね。
全部回っていませんが今日はこのくらいにしましょう。ご出席の皆様にはよい年をお迎えください。 -平成27年12月-

言論の泉 NO11 2015.9安保法案、沖縄基地問題など

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鬼面兵衛門の言論の泉
座談会(2015.9)

司会 鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美  (大学生)
佐分利肇  (溶接工)
金森良子  (主婦)
猿渡仁志  (大工)
金本佐次郎 (内装業)
新垣次郎  (農業)
北山史郎  (配管工)
桐山芳夫  (公務員)
樽柿 靖  (商社員)
市島三吾郎 (建築作業員)
小寺三津美 (廃品回収業)
※出席者はいずれも仮名

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鬼面 : 去る9月18日夜、安保法制法案が参議院で可決され、成立しました。多くの憲法学者が法案の憲法違反を指摘し、国民の過半が反対する法案でございました。審議の経過もほめられたものではございません。与党は衆参の所管委員会で採決を強行し、本会議に上程され可決、成立しました。国会対策上、野党が共闘を組めなかった点を敗因にあげる人もいますが与野党の力の差が歴然としていて術なく可決したといってよろしい。これで与党は安保に一区切りついたわけで、政府としては沖縄の辺野古への基地移転の問題を一気に片付けたいところでしょう。しかし、去る21日(現地時間)、翁長沖縄県知事が国連人権理事会に出席し、普天間基地の辺野古への移設などにつき政府を批判する演説を行い、これに対し日本政府が反論の演説を行なったとのことであります。これは尋常なことではございません。国連を舞台にして日本国内の戦後問題が人権上の問題としても国際論議の対象にされたわけでございます。過日の安保法案の強行採決などを重ねあわせると、日本政府の統治能力や民主主義に疑問符がついている。しかし自公に立ちはだかる野党勢力は衰微する一方でございます。政治はダイナミックなものですからやっぱり豪腕と申しますか国会戦術も備えていませんとどうにもならないことを国民は認識させられた。一方、安保や貧富差の拡大、TPP妥結に伴う農業の行方、都市問題等々、日本は近い将来、大変恐ろしい課題を抱えることになる。与党の政治が絶望的な方向に向かっても野党がいない。これでは民心が不安と自棄に陥ることは自明でしょう。経済の破綻などをきっかけに不満が一挙に爆発する、そんな予感もするわけでございます。来年の参議院選挙で自民党が圧倒的勝利をおさめるとそのような流れが激流に変化するんじゃないかと思います。
日本の行政や司法の問題がしばしば国連で論議の対象となっていることは、日本のどこかに大きな病巣がある。日本が国連を舞台にどこの国とも円満な関係を築き、国際社会において名誉ある地位を占める国になるためもまずその病巣を摘出することが喫緊の課題といってよい。そこに過去を清算して生まれ変わる思想が長い潜伏期間を経て姿を現すと僕は信じているんですよ。スイスのような中立国への生まれ変わりですよね。対米国との関係や極東をはじめアジアの国々との難しい問題の清算に相当、エネルギーを要することは当然ですね。先の見えない安保や沖縄の基地問題、国会などでおこる民主主義の否定、猟奇的な事件の普遍化、倫理の崩壊など病巣はどんどん増殖している。集団的自衛権の政府見解の変更、ODAなどを通じた交際貢献をいくら謳ったって日本の病巣はもう知られてしまっている。いくら安保理の常任理事国入りを目指したってまったくナンセンス、相手にされないことは戦後の歴史をみれば明らかでしょう。
さて今回の安保法制法案の強行は特に極東諸国を驚かせました。同盟国でありながらアメリカ国民もわが国を大変危なっかしい国とみていることは自明で、対日評価も相当、陰影が深くなったとみてよいかと思います。まず安保法制法の成立を受け、みなさまのご感想を、ひとりづつ・・・。
安保法制法の成立
小寺 : 喉もと過ぎれば熱さを忘れるっていうだろう。先の安保闘争のときだってそうだろう。あれだけの騒ぎになったって結局、通ってしまえば何事もなかったように日本国は動くのよ。安保法制法の合憲性を裁判で争って違憲判決がでたって政府は従わないよ。国会議員の1票の格差問題だってそうだろう。政治なんてそんなものよ。悪いけど。
金本 : そんな問題じゃなくて、安保法案は憲法違反なんだって!
小寺 : だったらツラさんが言ったようにどうして野党は闘わないんだよ。そうだろ、山本とかなんとかいう議員が一人、牛歩で闘っただけじゃないのかよ。問責や不信任を連発するだけじゃダメなんだって。ポーズだよ、それはね。野党がまとまれば、議長だってそうやすやすと議事整理権を発動して投票の時間制限などできなかったはずだよ。闘士が一人じゃ誰もたてつかないどころか迷惑そうにしているだろう。売上税やPKOだっけ、昔は大野党が牛歩で対抗し、廃案にした法案もあったよな、今は昔だよ。結局、野党ちったって頭は与党と大差ないんだよ、端から闘争心が失せてんだよ。野党の各党は解党的出直しをして、議員サラリーマンから脱却しないとな。
樽柿 : 今はもうそんな時代じゃない。みんなサラリーマンだよ。豪腕や左翼の時代じゃない。民主党は小沢さんや旧社会党の左派を追い出して政権を運営したでしょう。結局、失脚しその痛手を引きずっている。政権運営が余りにも幼稚でしたね。しかし民主党は伝統的な日本の政党の体質を改善しましたね。牛歩は時代遅れ、民主主義の埒外。問責や不信任決議案などを連発して出来うる限りの抵抗をして19日まで成立を引き伸ばしたたわけで、批判に当たらないと思いますよ。
小寺 : 今日の出席者はほとんど自営だよ。しかし俺はそんなこと言っていないのよ! 野党が一枚岩になれば議長は議事整理権など使えなかったって言ってんだよ。だったらお前さん、野党は国民の過半が反対している法案の成立阻止に向け、どんな手口で民意を表現するんだい?
樽柿 : 何もできないでしょう。あれだけのことをやっても与党は休憩の動議によって与野等で協議をするとか、廃案にするとかの判断をしなかったでしょう。まず与党の責任が問われてしかるべきですよ。しかしそこが日本流の民主主義なんですよ。結局、数の論理が民意を蹴飛ばしてしまう。彼らの民意は選挙結果しかないわけですよ。民主主義の後進国ですね。でも国民も結構、それを許してきましたね。それに大なり小なり民社党だって安保を必要と認めているからね。騒いでパフォーマンスをして、時間を食いつぶして成立ですよ。時間待ちをしているようにみえましたよね。そこがまあ、民主党の限界かもしれません。国民だって仕方ないかっていう思いもあるんじゃないかな。
金森 : 総理は国民に対する説明は今後も続けると、おっしゃっているわけよね、話をされて理解が進めばいいじゃないのかね。後ろに官僚がいて安保やるべしと判断したんでしょうからね。世界の情勢も見極めないといけませんしね。自衛隊員が気の毒だなんてきれいごとですよ。日本が救われるわけですよ。戦闘に巻き込まれて亡くなれば殉死でしょう。政府は遺家族には十分な補償をしてあげてほしいですね。
佐分利 : 国はもちろんそうすると思いますよ。安保法制法案は時間をかけるような法案じゃない。イスラム国という敵が中東にいるでしょう。急がないといけない法案だった。いまシリアや中東からヨーロッパをめざして難民が急増していますね。やっぱりイスラム国の支配地が徐々に拡大し、内戦が激しくなってもう止めようがなくなっちゃった。アメリカは有志連合とかなんとか言ってイスラム国を攻撃したってヌカに釘、誤爆などで住民の恐怖は増すばかりでしょ。ロシアはアサド政権を支持し、敵対する勢力に攻撃を加えているというが実態がよく見えてこない。それにアメリカは軍事費の拡大を国内世論がそれを許さなくなってきている。ロシアの中東戦略の実相だってよくわからない。イスラム国を攻撃していないと言う見方もある。米ロでアサド政権との距離感も違う。要はイスラム国に対する大国の対応がバラバラ。これじゃイスラム国の版図は拡大するばかりで難民の増加を招いている。アメリカは日本の自衛隊を投入したいところでしょう。日本だって2人の同胞を殺されているからね、虎視眈々と幹部は派遣の指令を待っているところかな。アメリカは沖縄から頻繁に中東向け戦艦や戦闘機をおくり出すわけにはいかなくなっている。基地問題の激化を招くからね。また沖縄対アメリカの対決構図になっても日本政府は調停能力を持っていないことを知っているでしょう。自衛隊さん俺たちと一緒にやろうよってところかな。軍事費の問題からアメリカ議会は自衛隊に期待をよせている。僕たちと盟友じゃないかとね。
金森 : イスラム国は件の邦人殺害事件の折、いわば対日テロの予告をしているでしょう。アメリカは、安保法制法の成立を受けてイスラム国など中東対策を日米分担でと、確かにまあそう考えているでしょう。もろもろあって政府与党は安保法制法の成立を急いだといえないかしら。領土や慰安婦で屁理屈をこねて韓国と争っている場合じゃありません。イスラム国から銃を突きつけられているわけですからね。ともかく喫緊の課題であった安保法制法の成立はアメリカ国民を大喜びさせている。
市島 : 日本国民より先にアメリカ国民に安保法案の成立を約束しちゃった総理ですからね、本当に正直だ。(笑い)
猿渡 : 金森さんが言うとおり、政府与党はイスラム国の対日テロを恐れていると思いますよ。オリンピックを控えているしね。そりゃ怖いですよ。中東の戦火も激しさを増しイスラム国の勢力も拡大している。状況によっては金森さんが仰るようにアメリカが対イスラム国作戦に自衛隊を使う可能性も否定できない。それにアメリカはロシアに中東を押さえられることを嫌っているからね。そこでね、今後の安保問題は沖縄に移る。この問題が解決し文句なく沖縄が作戦の基地化すれば、安保法制法とセットになって真の国際貢献国家になる。そのために来年度予算で沖縄振興費をうんとはずみ参議院選挙に大勝して出動態勢を整える。それまでは動けないでしょう。だから案外、沖縄の処理は安保の最優先課題となる。今後はそんな動きになるのかな。沖縄は普天間の基地移転に反対していますよね。国が計画している辺野古の埋め立て工事を沖縄県知事は取り消す構えでしょう。仮にそうなった場合、まず不服審査請求を国が申し立てる。県が行なった処分を国交省が審査しますから判定は国が有利と考えるのが自然ですね。そうすると今度は県が訴訟に持ち込む可能性が高いわけですね。裁判は自然破壊か安保かと言うようなことにはならない。行政に政治を持ち込むと法の安定性を失うことになりかねない。私はここが一番大事なところで、仮に県の処分を裁判所が支持した場合、それでも国は埋め立てを強行する可能性がないとも限らない。しかし日本は法治国家でしょう。やっぱり国としては判決に従うことになるんじゃないかと、私は思っているんです。裁判の結果はわかりませんがね。
田中 : 安保法制法の成立はアメリカの作戦の幅を相当、広げましたよね。マスコミを使って中国の脅威をあおって沖縄問題をうまく誘導するでしょう。それにイスラム国の対日テロ作戦は地球上で日本人がいるところではどこでも起こる可能性がありますしね。
小寺 : テロは地球の隅々で起こる可能性がある。種をまいたのは日本だろう。テロによって拉致された一人の命を救うことは国益と主張できるんだ。だから備えとして安保法制法が必要なんだよ。日本をそういう国にしちゃったんだから安保法制法が必要なんだって。脅威は中国でも北朝鮮でもないんだよ、安倍さん自身が自分と闘ってんだよ。
鬼面 : 当たらずとも遠からず。僕はね中国の台頭やクリミヤなどに代表される国民の左傾化によってロシアが息を吹き返し、政治経済的にアメリカの力が落ちてきているでしょう。それにアメリカはいつもテロの脅威におののいていなければならない状況でしょう。オリンピックなどのイベントはもうアメリカ国にではできなくなっちゃった。その辺に境遇のよく似たもの同士が共闘を組む、そんな側面からも安保法制法は必要と考えるむきもある。件の邦人殺害事件が安倍さんの肩に重くのしかかっているはずですね。安保法制法は中国の脅威とか自由主義社会の防衛とかそんなきれいごとだけじゃないと僕は思います。しかしこれで中国は日本をアメリカの親衛隊と見ているでしょう。中国にとって日本はアジアの2大国支配の障害になりかねない。そこで日本を属国にしたい、そういう気持ちは中国にあると思いますよ。1800年ほど前、卑弥呼が中国に朝貢して倭国王に任官され金印紫綬を授けられた記録が魏志倭人伝に記録されています。聖徳太子の時代、隋に送った国書に皇帝煬帝が怒りを爆発させたのも倭国は中国の属国であるという認識があったからだと考えられないこともない。まず尖閣、次に沖縄、最後に日本国全体を掌中に納めたいと、そんな論議も日本併合論の入り口として中国にあるかもしれませんね。沖縄の併合まではそんなにハードルは高くはないとね。中国は遠大な構想の下にアメリカに接近し、理解を得ておきたいと、まあそんな夢、幻のようなことも僕は考えてしまうんですよ。
新垣 : 政府与党は今後の安保を考えると早く沖縄問題を沈静化させて沖縄を中東対策を含む日米の基地にしたいと考えるのは当然ですね。普天間の負担軽減と言ったって誰も信じない。(笑い)
TPPへの期待
鬼面 : 新垣さんあなたはTPPに何を期待しているの?
新垣 : 農業ですからもちろん米麦の完全自由化ですね。水田の経営面積は約2ヘクタール。コメの裏作で麦を栽培しています。まだまだ経営面積は少ないです。自由化すればコメの価格が急落し、農地を手放す人が出るんじゃないかと思っていて経営面積は10ヘクタールくらいが目標です。コメの輸出ができるような農業の担い手は二種兼じゃないでしょう。私たち大規模経営を目指している農業者ですよ。
鬼面 : 野菜はやらないの。
新垣 : 家族経営で人手がありませんからやりません。野菜は価格の変動が激しいし、私のところは産地形成されていないので販売ルートがありませんしね。将来はわかりません。
桐山 : TPPの交渉過程が秘匿されていて必要な情報が全然入ってこない。漏れ聞くところではコメは部分開放でしょう。5万トンの輸入限度枠を設けて段階的に拡大するってところかと思います。しかし完全開放じゃないですよね。どうなることやら。牛肉、乳製品、砂糖など農産品の関税自由化や自動車、医療、著作権等々の他分野の交渉も進められているわけで、コメの完全自由化までの道筋が描ききれるかどうか、注目しているんですがね。
田中 : コメは非常に難しい。段階的に輸入枠を増やせても完全自由化の道筋までは描ききれないでしょう。わが国は自動車分野が強すぎるんですよ。部品を含め自動車の関税撤廃を求めるとアメリカ国内のディーラーや労働者が黙っていない。日本にも軽自動車の規格や自動車税などの非関税障壁を抱えているでしょう。結局、農産品と自動車分野の自由化の均衡をどこに求めるか、政治的な思惑もあってそう簡単にまとまらないと思います。
北山 : アメリカには業界の綱引きのようなところがあるんだろう。自動車は日本のS社に実力者がいるじゃないか。ゼネラルにもフォルクスワーゲンにも尻をまくるようなおっかない親分がさ。だからね日米の業界でまず調整してもらって落としどころを作っておかないと結局、TPP交渉はよい方向には転ばないと思うよ。農業分野は日米の産業界で下交渉と言うわけはいかんわな。日本の農業は生業でしょう。農民は表面、賃労働者だろう。自動車分野に大筋決めてもらうんだな。そうしないとアメリカが治まらない。(笑い)
鬼面 : 情報が入らないので参加12カ国で合意に至っても国家間で協定を締結できるか否か、アメリカの場合来年11月の大統領選の思惑があったり、日本では特に農業分野は北山さんがおっしゃったように生業でしょう、裾野は1000万人とも言われる生活者を抱えている。そうなると議論百出、堂々巡りでしょう。日米で利害が対立しそれぞれで国会承認が得られるかどうか、非常に難しい。政府間でまとまっても協定が発効しないことになる。そんな最悪の状況だって想定しておかないと時間ばかりかかって実効が現れなくなる。それに安保の後、すぐ協定妥結、承認案件の提出というわけにはいかないだろう。国民には政府与党は世論と反対のことばかりやっていると映ってしまう。参院選が戦えなくなってしまうからね。それに砂糖で沖縄が絡んできますね。基地問題が爆発しかねない。参院選までしばらく休憩にし、できれば参院選後に承認案を国会に提出したいところでしょう。たたかれるからね。例年の秋の臨時国会は国家公務員などの給与法案くらいかな。すぐ閉めてしまうでしょう。しかしそれだけで召集する価値があるかどうかもわからない。
金本 : 中国はどうするんですか。経済的に大きな力を持っているでしょう。中国抜きではTPPは完成したとはいえなでしょう。アジアに2つの経済圏がけん制しあう状況はよくないんじゃないですか。それにねアベノミクスの問題、為替相場が動いたのでアメリカは風をひいている状況でしょう。そんなことアメリカ議会が許しますか、自動車、米麦、牛肉など徹底抗戦すると思うんだがね。
桐山 : 恐ろしい指摘ですね。円安誘導の問題でしょう。さすがに政府与党は日本は計画経済国家になったとはいわない。(笑い) 自由主義の逆バージョンがアベノミクス、経済が政治に引っ張られるようじゃ全然だめでしょう、アメリカ議会が黙っているはずがない。TPPの妥結に暗い影を落としていることは事実でしょう。完全開放しろとね。
新垣 : オバマ政権だから交渉ができている。でも議会の承認がいるわけでそこで完全開放に向け、何とかならないかと期待しています。私のように補助金ももらわずに何とか食いつないでいる者にも光を与えてほしいですね。そろそろ来春の作付けの計画も立てないといけませんからね。
田中 : 私は日米の議会にそれほどに力はないと思っているのね。こわいのは即自由化じゃなくて、最初は3合目くらいのところから始めてアメリカに乗っ取られてしまうことね。中国が参加していないでしょう。中国の人口は13億5000万人と世界一、米麦の完全自由化は食糧安保上できません。他国の事情によって生産が左右されるようなことは絶対にしない。中国共産党はヘゲモニー政党でしょう。議会を気にすることはありませんからTPPとは違う世界でアジアの食糧管理をしていくでしょうね。それがエフタープでしょう。東南アジア諸国はそちらのほうが良いんじゃないのかしら。
金森 : 日本は災害が多いし、生産構造が中山間の農業でアメリカや中国とは違うでしょう。むしろ中国やインドなどより食糧安保は必要じゃないのかしらね。
田中 : そのとおりと思います。しかし日本農業は戦後の農地解放によって多くの自作農が創出されてできた小規模かつ土地集約型のそれですから労働生産性があがらず高度成長期を境に他産業との格差が大きく開いてどんどん補助金をつぎこむようになってしまった。その中心がコメですね。コメづくりは機械化によって手間がかからない、兼業向きの農業になってしまった。そこに税金を流し込むわけですから今日的な大きな矛盾が生じてしまった。いったん自由化すると食糧安保が利かなくなります。日米関係は輸入枠割当の増加、完全自由化の流れの中でますます強固なものになります。こじれると日本国民が飢え死にしちゃう事態だって今後あるかもしれません。
小寺 : 自業自得だろう。農業だけが産業にはありません。他産業や都市生活者の生活維持がまず必要じゃないの。農業ありきじゃだめだよ。だけど抵抗するよ、きっと。与野党の票田だろう農村は。しかそんなこと関係ないやね、生活者最優先だよ。
金森 :だからどうだって言うの?
桐山: 鎖国か開国か、コメには古くて新しい問題が再燃しそうですね、もちろん小寺さんが言われるように農村は票田ですから問題を余計、悩ましいものしています。そこで対策補助金が用意されてきたわけですね。過去、農産品の自由化に際しては規模拡大、担い手の育成、農業基盤整備等々モデル事業に金をつけて自由化に対抗できる環境整備が行なわれてきました。実はそこが大問題で規模拡大も担い手も育たず兼業化が進み、毎日のように集落が消滅する事態が生じている。国会審議はなんだったのか、農業者団体は何を考えていたのかと、そういう話もよく効きますね。
新垣 : それで良いんじゃないの。中途半端だからいけない。もっとも徹底しておれば補助金は手切れ金として何の問題も起こらなかったはずですよ。コメの部分開放
によってカリフォルニア米が入ってきますよね。しかし色艶、食味などの問題で売れないと思うんですよ。待ってましたとばかりにいわば非関税障壁の撤廃をアメリカは求めてくるでしょう。いったん自由化すると木材と同じですよ、アメリカの規格になるんですよね。しかしね私はそれで結構、規模拡大によって土地生産性を上げて、カリフォルニア米が日本産と同程度の価格或いはそれ以下に下がっても対抗できる農業を目指します。そのためにもう趣味の農業にお金をばら撒く手法はやめていただきたいですね。議員の存在証明のために税金を使うようなことは止めていただきたい、本心からそう思います。
鬼面 : まだまだ議論したいことがありますが、大分時間を費やしましたので今日はこのくらいにします。 了」

言論の泉 NO10 2015.7~8 混迷の日本(TPP、安保法制法案、沖縄基地問題、総理談話、新国立競技場問題等 )

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出席者
司会  鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
新神辰夫 (型枠工)
荒戸康人 (土木作業員)
佐原辰夫 (畳店経営)
村貴志   (トラック運転手)
函南志朗 (自営業)
田中愛美 (大学生)
横田直人 (ガソリンスタンド店員)
亀山市子 (幼児園経営)
成山絹枝 (主婦)
雨宮淑子 (役場勤務)
香美和江 (スーパー・レジ係)
高石 靖 (鉄工所経営)
高木成実 (農業)
市川桜子 (接客業)
※出席者はいずれも仮名

テーマ一覧
1TPP
2安保法制法案
3沖縄基地問題
4戦後70年の総理談話
5新国立競技場の建設問題

鬼面 : こんにちは。だいぶ、凌ぎやすい季節になってまいりました。今日は7,8月分、まとめて論議します。社会の動きがあまりにも目まぐるしいもので、気にかかる出来事もたくさんございます。安保や原発など国民の過半が反対していても国や事業者が突っ走ってしまう。国民の不安が増幅し、憂慮すべき事態に陥っているものが多々あることは皆様ご承知の通りでございます。それでは適宜、ご発言願います。皮切りに高木さん、あなたからご提案願います。

TPP
高木: 私は百姓なのでやっぱりTPPの行方が気になりますね。全然進まないでしょう。遅すぎます。実施中の農地の流動化も思ったほど進んでいない。国や自治体は賃貸でやろうとしているから余計に進まない。借り手も伸びない。もともと無償貸借で人に頼んで管理してもらっていた田んぼが多かったからね。借料を払ったら赤字だから当然の成り行きですね。TPPでコメが自由化されると、農地は大規模農家に集積され労働生産性が上がりアメリカ産米に対抗できるのにね。国や自治体は逆のことをやっている。TPP交渉は安保関連法案が成立してから本腰を入れるんでしょうがね?
荒戸: 農地の所有権が米作企業に移動すれば、生産性でアメリカに対抗できるってことですか。そうならないと大規模農家は資金の融通が受けられないってことかね?

高木: そのとおり。賃貸では農地を(担保に)とってくれない。農地価格は土地の生産性を基準に決まるのが自然です。今のままじゃ金融市場から農業は産業として認定されないからね。規制を受けてタダみたいになった農地に、補助金を流し込んで農民の生産意欲をかろうじてつなぎとめるような政策はとるべきではありませんよ。戦後、農村の生活水準が上がったというけれども、兼業化の産物でしょう。工場で働いた金がトラクターに化ける?(笑い) しかしそれではもう、労働生産性でアメリカに対抗できません。だからね、1集落の農地は1人の農業経営者に集積、売却してですよ、大規模経営に誘導することが農政の提要でないといけないと思います。農業経営者の耕地面積は西日本の場合、平均的には20~30ヘクタールを目標にすればよろしい。1集落の平均総耕地面積はそんなものでしょうからね、一応の目標にしてよいでしょう。それでもアメリカの米作農家とは到底、比較になりませんがね、仕方がないでしょう。政府は本腰をすえてTPPを引き金にして農政を引っ張っていかないといけませんね。そのツールの一つが市場開放と思っているんですよ。競争力のない農家は農業から撤退してもらう。農地は岩盤規制を取っ払って時価取引にすれば、自然と流動化します。

荒戸: 集落を潰すつもりかね。農業ばかりか日本の人口は半減してしまう。俺は土方をしているが実家は元農家だよ。山林で仕事をして木を売り、冬は炭を焼いて生活をしていたのよ。それが自由化でアメリカ、カナダから原木が入るようなって、例のツーバイフォーの普及によって木材価格が暴落してやめちゃった。コメも同じよ。数量制限付きの輸入枠を設けて3万トン、いや5万トンくらい輸入するのかな? しかし一旦、開放するともうアメリカの土俵で勝負することになりますね。色つやの美しいコメ、美味しいコメにこだわっていたら非関税障壁で提訴され、負けてしまう。木材がそうですからね。すぐにアメリカの規格に置き換えられてやがて完全自由化になりましたよね。しかしコメは木材とは異なって規模拡大がうまくいけば、生き残れると思うよ。あぶれちゃった人はサラリーマンの方に専念すれば収入はもっと増える、そうでしょう?

高木: どういうこと?
荒戸: 労働生産性の問題だよ。木材は伐期齢に達するまで5、60年かかるわな。コメは1年サイクルで回転する。その違いだよ。木材は規模拡大が進まず山林は荒廃した。しかしコメの自由化によって、競争できない農家は農地を手放すよ。二種兼はサラリーマンに専念できるし、その方が家計的にはいいよって言ってるわけだよ。農地解放の後遺症なんて今はぜんぜんないよ。農家は農地を高値で売りたがっているからね。自由化すると農地は大規模経営を目指す専業農家や法人農家に集まる。コスト的にアメリカに太刀打ちできるようになると思うよ。借金して500万円のコンバインを買って補助金をもらいながらコメを作るばかげた農業はやめてもらいたいね。もう税金を投入してコメをつってもらう時代ではないよ。納税者が怒るよ。

高木: その通り。百も承知。私もコメを開放すれば一気に農業問題は解決すると思っています。荒戸さんの言うとおり自由化をやらないと農村、農民の将来はありません。
木村 :荒廃した農地と山林で国土が埋まっているわね、あーあ。しかし私は現状維持でいいと思うの。黄金の稲穂に緑の山々、刈り入れが終わると村の鎮守から笛太鼓が聞こえる農村。それって残していただきたいわ。

横田: そんなこと言っているからいつまでたっても日本はアメリカになめられ、責められ続けている。アメリカを叱りつけるくらいの積極性がないと農業も産業として自立できないですよ。特別扱いはするべきじゃない。景観や習俗の保存は別の問題ですよ。農地を手放した人は別の仕事につくわけでしょう。集落がなくなるわけじゃない。サラリーマン、自由業、農家などが混在する田園集落に生まれ変わる。魅力いっぱいの田園にね。TPPは生業農業が大海に漕ぎ出し、淘汰され、時間をかけていろんな職業の人が住む集落に生まれ変わるきっかけになるわけで、いわば田園革命の千歳一隅のチャンスじゃないですか。祭りも滅びることはない。むしろ活性化しますよ。

雨宮: 最近、林業振興が言われていますよね。荒廃した山林の再生にまず間伐をやらないといけない、やるなら大規模林業を推し進めるという具合にね。木材市場も昔ほど悪くはありません。国産材の市場に光が射しはじめています。木材輸出国が森林をインフラとみるようになっているからね。ロシアなどは輸出関税率をあげはじめた。だから国産材の市場価格もあがっているわけですね。アメリカや中国だっていまに輸出制限をかけますよ。そうすると日本の木材価格も自給率もはねあがる。自給率30パーセントから徐々に上がりはじめる。それにはまず間伐。間伐材で合板をつくって売りさばく。そういう大規模経営の企業家を育てる必要があると言う指摘があるわけですね。荒廃した山林は林業企業家に集積していく。木材はすでに自由化されているし米ほど規制が多くありませんから山林経営は産業として有望です。

荒戸: 役場の窓口みてぇな話だな。田舎に戻って山林経営をしようかな。(笑い)
雨宮: それにしてもTPPはどうなっているのかしら、進みませんよね。

鬼面: 8月10日、閣僚級交渉の最後と言いつつハワイでTPP交渉がございました。しかし、何も決まらなかったようですね。アメリカはこぶしを振り上げることもなかった。農産品、自動車、結局そのあたりの交渉がうまくいっていない。日本政府は安保や沖縄で暗礁に乗り上げているでしょう。一歩間違うと60年安保のような事態になりかねない。ここでTPPをねじ込むと混乱に拍車をかける。パートナーをアリ地獄におとしてしまうと大変だと、まあそんな判断がアメリカ側にあったかも知れませんね。TPPでゴリ押しをするとアメリカへの憎しみになりかねない。ご主人様の顔色を窺ってする生活はもういやだと言い出しかねない。そりゃアメリカは一番、気にかけていますよ。自由と愛の国ですからね。アメリカ人はみんなそう自負している。道徳観を問われることを一番恐れている。

(安保法制法案)
そこでね、アメリカ人は日本人の順応の速さもよく知っているわけですよ。例えばね、九電は鹿児島の川内1号機を再稼働させましたよね。9月10日から営業運転に入ると言っています。国民の過半は原発の再稼働に反対しています。しかし、再稼働してしまえば反対論も徐々に収まるとみる人も多いわけですよ。政府はもちろん、アメリカも日本人を知り尽くしているから反対を押し切って強行するわけですよ。安保しかりでしょう。昨日(8月30日)、安保法制法案反対の12万人(主催者発表)デモが国会周辺で行われたでしょう。しかし法案が通ってしまえば闘争心がなえてしまう。この諦観と申しますか、順応の速さは、根底に御霊信仰があるのではないかと僕は思います。それは「悪もまた善」の考え方ですね、悪人が神様として祀られてきた古い歴史が日本にはあります。しかしね、安保関連法案を通すため政府与党が国民に銃を向ける

ようなことになれば話は別。いまは60年安保のときのような単純さが社会にありませんでしょう。官憲が催涙弾とか放水銃を放った途端、暴動になりかねない。テロを誘発する恐れも否定できません。官制の暴力が自由主義の否定であることを国民は自覚し始めたといってよいでしょう。だからね、アメリカはそのあたりの日本人の感覚、性向を為政者以上によく分析していますよ。繰り返しになりますが、TPPは安保法制や原発と何のかかわりもないように見えるが、国民の意思とは別次元のところで舵がきられようとしているところは同じですね。振り上げたこぶしが日本人にストレスを与えることは得策ではないと判断し、安保、原発の嵐が過ぎ去ってから一気に決着をつける、とまあそんな読みから静観のかまえに出たと、僕はそう思っています。

さて、安保法制法案に話を戻します。国会の方は9月14日から「60日ルール」が使えます。しかし参議院の姿勢として、13日までに採決を行って法案審議の結果を示したいとまあ、そう考えるのが順当でしょう。「60日ルール」を適用すれば安保法制法案は衆議院に戻され再可決されるわけですからね。そうならないように参議院の存在感を示したいとね。

香美: 安保法制法案は国民の過半が反対し、12万人もの人が国会周辺で安保反対を叫んでも政府与党は方針を変えない、原発もまた同じ。万事がそういうことなら、民主主義って何ってことよね! それって独裁でしょう!

雨宮: 国民の大勢は安保法制法案に反対乃至未だ説明不足と言っていますよね。為政者が「審議を尽くして最後は採決するのが議会制民主主義」と言える状況がないわけで、筋違いも甚だしいですね。過去の重要法案の審議時間と比較して120時間審議をしたとか、140時間やったとか言っても意味をなさない。究極の間違いですね。法案は個々に立法趣旨も内容も異なるわけで与党の法案を通すための技術論みたいなものが横行し始めると国民の意見が国政に届かないファッショ政治の最たる兆候と見て、よほど警戒しないとこの国を危うくすると思うの。また為政者が「選挙で国民の意思は示されている」と叫んでも、議会制民主主義とは別次元の主張ですよね。結局、選挙の公約と選挙結果を取り違えて、多様な国民の意見や国会審議の本質をわきまえない言ってみれば詭弁なのね。そういう論法には十分注意しないといけないし、強行採決は民主主義の否定になります。

鬼面: その通り。強行をすれば次期参議院選挙の雲行きも怪しくなる。与党は敗北するかもしれないね。
市川: 60年安保のときは当時の岸首相が国民の圧倒的な反対をまえにして「声なき声」を叫んで、安保を通した後、総辞職しましたね。この反対闘争の鎮圧に官憲が投入され、大混乱の末、反対運動に加わっていた大学生1人が国会前で亡くなりました。官憲が再び放水銃など銃を使う事態になると、もう国民が政府与党と官憲を許さないでしょう。内紛に火がつく可能性だって否定できないわね。

鬼面: 僕はね、与党は参考人質疑とか公聴会とか、いろいろ提案して乗ってこなければ9月11日から12日にかけ法案の参議院通過を目指すとみています。60日ルールの適用は参議院不要論になりかねないからね。そこで与党は9日あたりの採決を提案し、野党を揺さぶりながら11日に安保特、本会議の看板をかけて野党不在のまま、まず安保特で強行採決。同日、本会議に緊急上程、そんなストーリーもあるのかな。野党は与党の強行採決に反発し、安保特委員長などの問責案件を連発する状況の下、なかなか本会議が開けない。最期は議運委員会を強行し本会議を開会。人事案件、安保関連法案の討論、採決の段取り。採決は牛歩で対抗するんじゃないのかな。与野党ともに高齢者や持病のある人もいるし、命がけの攻防になると思うよ。

雨宮: 問責決議の人事案件を2、3件と安保は一括採決でしょう? 世論はどちら側に立つのかな? 私は政府与党が徹底的に悪役にされると思うの。政府与党が本会議を突破することはなかなか難しいtと思いますがね。議員は牛歩で疲労困ぱい、こう着状態の本会議を議員の健康上の理由からいったん休憩にして、再開されることなく時間切れ。14日に60日ルールを適用、参議院のみなし否決をする。あるいは懐の深いところを見せて2、3日参議院の様子を見て適用するかもしれませんよね。しかし、そんな悪役を与党が選択しますか。それだったら採決をしないまま14日に60日ルールを適用するほうがずっと楽で、双方傷つかないでしょう。法案が衆議院に戻って野党が内閣不信任案の提案なんかしてひと悶着あってもその方が参議院の議員は楽ですしね。それに衆議院は与党の議席数が総議員の2/3以上ありますしね。しかし衆議院は参議院ほどの結束が与野党にないにせよ、連休が続くでしょう。27日の会期末ぎりぎりに成立するか否か大変難しい状況と思うのね。それに例の維新の分裂騒ぎが野党の結束に水を差しているし、与党寄りの野党ばかりだし、共産党は牛歩より審議を尊重する政党だしね。可決の可能性は高いと思うの。国民不在の国会に国民はしらけきっています。オール与党化時代に入ったこと、それに国民は第一野党の民主党の実力を知ってしまったしね。自民党は、本当に裁きやすくなったと思うのね。与党は時を読み、成立ありきの手法を選択すると思うわ。

鬼面: 僕は日本の議会がそれほど地に堕ちたとは思いたくはありません。参議院無用論が一層、強くなり、野党への風当たりも相当強くなるでしょう。参議院は与野党に関係なく、この問題には敏感ですからね。だから僕は安保特で与党に強行採決を打たれると、本会議で牛歩で対抗するんじゃないかと思っています。雨宮さんのパターンじゃ議員自ら国会を否定することになりませんか。憲法上、国会法上の問題はまったくないとは思いますが、汗をかいている参議院を横目に60日ルールを適用するようなことはできないし、それでは国民は納得しない。そこはまあ、参議院野党の作戦がいろいろとあるかと思いますね。

田中: 安保関連法案に国民の過半は反対、その意思に反して強行採決が行われ法案が成立すると、為政者に対する国民の信用は揺らぐでしょう。それに普天間基地問題も一向に良い方向に向かっていない。周辺諸国との緊張も沈静化のきざしもなく、概算予算要求で防衛予算の要求額が史上最高。これじゃ東アジアの脅威は日本だと言われかねない。それに法案が成立しても新安保体制に国民が順応するかどうか疑問です。鬼面さんのように御霊信仰を持ち出して割り切ることはできません。(笑い)
それからね、安保法制法案の提案以来、友好国たる韓国に説明すらしていない。首脳会談のセットすらできない。中国や韓国の安保法制法案に対する反応は激烈を極めるでしょうね。安保後の国内外の困難を考えるととても来年、同日選を戦える環境もつくれない。安保法制法案は一旦廃案にするか、衆議院で継続審議にして国民に説明を尽くすべきだと思います。それから民情を見極め、秋の臨時国会に臨むべきじゃないですか。それほど安保は重いです。

沖縄基地問題
鬼面: そこでね、あんたはいま沖縄の基地問題をどう考えているの。
田中: 過日、官房長官と沖縄県知事の4回目の会談がありましたね。思想の違う二人が会談を重ねても、光が見えてこないですね。沖縄は基地の県外移設、政府は普天間基地の辺野古移転で負担軽減をすると言っています。これじゃすれ違いですよね。何回やっても同じ。誠意を示したことにも全くなりません。これほど違和感のある対話はありません。政府は沖縄を防衛の前線基地と認識している。アメリカも世界戦略上、これほど使いやすいところはない。しかし、もう沖縄に新鋭の武器を並べ、抑止力を競う時代ではないでしょう。パートナーとしてアメリカに寄り添う、そういう関係からも卒業し、自立の生き方を学ぶ時期じゃないかと思います。

佐原: 中国の海洋進出や尖閣問題など中国側の主張が大変厳しくなっています。また日本の南京大虐殺などに対して慰安婦問題同様に日本に補償を求める動きも中国にあるわけで、さらに領空の問題もある。それらかね、中国もまた日米の戦力を脅威とみている。その接点に在って一番苦しんでいるのは沖縄。これじゃかみ合うはずがない。

志村: 僕はこの時代になぜ沖縄なのか、よくわからない。戦力比較で、中国と比較できるところは世界にないほど中国は軍事大国化している。兵隊さんは日本の8倍、核武装の鎧を着けている。アメリカもヨーロッパも射程圏内。弾道弾は何発もっているのかわからんくらい持っているだよ。どこの国もやられる時はやられてしまう。とても対抗などできやしない。そうだろう。だからね、平時の付き合いが大事だよ。情報収集ができ、人間的にも立派な人物によって国が治められ、血の通った外交が行われば沖縄にこだわる必要なんて日米ともにまったくないだよ。中国経済が風邪をひくとアベノミクスなんか吹っ飛んじゃう時代だろ。中国の株式市場がおかしくなって日本の4~6月期の国民総生産は対前期比でマイナス成長だろ。輸出もそう。体制の問題など云々しておればもう日本の経済は成り立たたない時代だよ。給料が上がった、失業率が減少したといったって政経談合でそうなっているだけ。腹を割って中国とも韓国とも仲良くすればいいんだよ。そんな努力もせず遠くから眺めていて、なんで抑止力かね、なんだかんだと言いわけして兵器だけ立派になるようじゃ、アジアに平和が訪れるわけがない。田中角栄さんが中国と国交を回復したときに、角さんと周恩来があれほど喜んで日中間のわだかまりが解けた時はなかったね。いまも頭に残っているだよ、その時の記憶がね。外交なんてそんなもんじゃないのかな。できるかどうかは人材の問題だよ。外交する人は、落語でも聞いて人格を磨くだよ。その方がよっぽどいい。

戦後70年の総理談話
鬼面: 久々に志村節をお聞きしました。官僚も政治家も社会を知らないってことかな。沖縄の普天間基地の問題は、沖縄県が海洋調査中ということですね。埋め立て許可が取り消しになる重大な瑕疵の存在を指摘する者もいます。こう着状態でございますので、推移を見守りましょう。田中さんあんた、さきほど自立の生き方を学ぶ時期とか言ったよね。非武装中立ってこと?

田中: 違います。スイスのような中立国を目指すべきです。
鬼面: 兵役を課すのかね。
田中: もちろんです。男女平等に兵役を課すべきと思います。中立国に向かう条件整備をして日本の態勢の方向性を内外に示しておくべきですね。そのために、世論や国際社会を引っ張る政党も育てないといけません。
鬼面: 条件整備って、例えば?

田中: 憲法改正を伴いますから国民の権利義務、社会経済の態勢の確認、内外の重要課題の整理等々は最低限必要。それに指導力と円満な常識を持った人物の出現に期待します。

鬼面: それはあんたの主張としてお聞きしておきますが、重要課題の整理って例えばなに?
田中: まず、国内外の戦後処理。これはみんなで乗り越えないといけない大きな山ですね。14日の総理談話が閣議決定され、実に長い談話になりましたね。これはね、どこを読んでも安倍さんが先の大戦をどのように評価し、どのような決意のもと行動していくのか、よくわかりません。さらに私は談話中、「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」というくだりがございますね。‘謝罪を続ける宿命を背負わせない’とは、だれがそういう状況にするのでしょうか。総理でしょうか、閣僚でしょうか、よくわかりません。5兆円を超える予算要求を行った防衛大臣でも決してなさそうですね。それ

はどうも私たち「日本国民」じゃないかと思います。しかし、どうすりゃいいのか具体の行動が示されておりませんのでまったく意味不明の文章になっています。私なんかは靖国問題がすぐ頭をよぎります。戦犯を靖国に祀っておいて、「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とは論理上、文脈上もおかしいわけで、やっぱり戦犯を分祀する、諸外国から批判を受けないよう名実ともに戦後問題をクリアーする、そういう努力が必要じゃないかと思います。失礼ですが官僚や政治家にその力はないと思うので、若い世代が声をあげ人を育てないといけないのかなって思うの。私たち市民は正直、隣国とは仲良くやっていきたいので、戦後何十年もアジア諸国から指摘を受けていることには正面から向き合いクリアーしておくことが必要と思います。言い合いをし、いきり立って高価な兵器を買ってしまう行動は、反省していないことと同じでしょう。子や孫に謝罪を続ける宿命を負わせているのと同じね。そうじゃなきゃ、再戦して勝利を目指すことになっちゃうでしょう。そんなこと考えて閣議決定したのかしらね、恐ろしいですね。

新国立競技場の建設問題
鬼面: 次へまいりましょう。高橋さん何か?
高石: 新国立競技場の建設問題ですね。7月に白紙撤回、8月27日に総理の口から1550億円の建設費になるって、会見でそうおっしゃっていましたよね。1500億円から2520億円に膨らんでさらに3500億円でしたかどんどん贅沢というか高騰してついにパンクしたわけですね。とうとう担当大臣は交代。体よく更迭されたわね。新競技場は1500億円でもぜいたくすぎると思っていたので、元に戻ってまたぞろ1500億円じゃがっかりです。相次ぐ増税で国民生活が圧迫されるなか、税金の使い道を考えると500億円でも高すぎます。500億円でもオリンピック史上、最高額でしょう? 1500億円は桁外れの高額競技場ね。根本的に間違っています。よく考えてもらいませんとね、がっかりです。

函南: それから五輪エンブレムの盗作疑惑とかオリンピックにまつわる問題が噴出してるやろ。新競技場についでまたぞろこんなことでほんまにオリンピックを開催できるんやろか。情報公開が進んで、悪いことがでけんようになったなったことはよいことや。IT社会が見張っとるさかいにな。ロゴや写真なんか盗作するとすぐバレる。ネットを駆使してかなりの確度で盗作なんかがわかるわけや。一般人がオリンピック組織委員会(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)や諜報機関以上の探偵能力をもっとる時代になったんとちゃうの? ええかげんなことは絶対にでけんようになった。そういう時代の流れに対応できとらんのがいまの日本や。そもそもやで新競技場の建設費やエンブレムの適否は組織委員会に円満な常識と調査能力があったらこんなことにはなっとらなんだことや、盗作はあかん言うて切って捨てんといかのに取り下げてもろとるようじゃ鼎の軽重が問われるわな。これから徹底的に調べてもらわんとTPPの著作権交渉にも影響が出るわな。これで日本の国際的な信用もがた落ちや。恥ずかしい限りや。オリンピック招致で皇室まで担ぎ出して、ほんまにできるんかいなというくらい派手なアドバルーンをあげて、IOCもおかしいなとおもとったんとちゃうかいな。これからおかしなことがいっぱい出てくるで、俺はそう思うな。

新神: それだけじゃないでしょう。オリンピック関係の組織がごろごろできたよね。人選やいま函南さんが仰ったもの事の決定過程などが不透明で胡散臭いところがありますね。規約や決裁規定などすべて公開してもらわないと危なくて見ておられないよ。結局、関係者と言うかグルーピーで何もかも完結していまっているんだろうね。そこが大問題ですね。結局、信頼するに足りない組織だったことが露呈しちゃった。委員は出処進退を明らかにしてほしいね。

亀山: いわゆる「たかり」の組織問題ですね。大きなプロジェクトによくある人事と運営ですね。採用基準もなにも一般人にはわからないでしょう、知名度や親分子分、人格高潔など得体の知れない採用基準のようなものが一人歩きして、祭り上げられた委員が踊らされ、国民に迷惑をかけ、本人の職業生活も台無しにしている。世界の人々に顔向けできない。恥ずかしい限りですね。祭り上げられた人は自業自得と言ってしまえばそれまでですが、かわいそうですね。

新神: 組織人事の選考過程、今回のような建築物やロゴなどデザイナーと委員との関係等々もあわせて明らかにし、議事録はきちんと公開し、問題が起これば組織の責任問題をはっきりさせておかないと疑惑が疑惑を呼び、泥沼化する。あってはならないことですね。東京オリンピックもこれで地に堕ちかけていて本当にオリンピックを開催できるのか、心配ですよね。テロや事件事故、いろいろ考えるとオリンピック会場には近づきたくないですね。しかし日本の信用を貶める行為を日本人にやってほしくないですね。

鬼面: よもやこんなことになるとはね。誰も立ち止まって考える者がいなかったということかな。
志村: ツラさんだったかな。オリンピック招致に懸念を表明(WEB ばかげたオリンピック招致の挙手挙動)していましたよね。国民の多くも状況をわきまえて反対や懸念を表明する人がずいぶんいたのに、首相や都知事が飛び跳ねて、皇室まで巻き込んで招致してしまった。プレゼンテーションをもう一度ごらんになるとよろしい。今となっては、本当に忌まわしい。

函南: もっともっと実力を蓄えてから招致すべきやったね。北京で開催中のワールドカップを見ていても日本人の競技結果は残念やけど全然、オリンピックで芽が出る期待がもたれへん。日本人は野球には熱心やけどその他の協議にはあんまり関心がないのと違う? 優秀なアスリートあってのオリンピックやろ。競技成績が振るわんのに招致する気がわかりまへん。北京もそうやけど競技場の広告は日本企業のものがほんまに多いやろ。結局な、国や自治体に金を出させて金儲けをしたい企業の餌食になってるわけや、ちゃうかな。税金の無駄使いやね。競技力をつけないと、開催の意味がないのと違うかな。TVはあい変わらず野球放映にこだわっているようじゃいつまでたっても陸上などその他の競技は付録のようなものやね。日米で、リトルリーグからプロまで集めて野球オリンピックをやった方がいいのとちゃう。TVマスコミの姿勢を治してゴールデン時間帯や高校野球放映の時間帯に野球以外の競技を放映し、広告料を政府が出すという方法もスポーツ振興のためになるやろね。そうせんとアスリートの競技レベルも上がらんのとちゃうのかな。対策を打たにゃあかん。特にテレビはNHKも民法も国から電波をもらって放送しとるわけやから、電波の割り当てを入札制にして意欲があるところに使わせることにすると、野球だけでないスポーツ振興になるんやと思うけどな。すぐにもでける話やしな。それから、競技場の建設費を削って、もっともっと削って選手の強化費やTV放映の広告料に回したほうがええな。

田中: 傾聴に値しますね。特に高校野球の放映問題は本腰を入れて取り組まないと日本のスポーツ水準は向上しません。やっぱりテレビの影響は大きいからね。それから選手の育成・強化費の情報をもっともっとオープンにしていただきたいですね。費用対効果の検証ができません。

鬼面: 成山さん、お宅は子供5人の大家族だったよね、夏の間何をしてたの?
成山: 九十九里に近いので、平日の午前中はラジオ、土日は海水浴。

鬼面: 毎日? なんで。
成山: 安上がりだし、子供も結構、楽しそうですよ。主人は東京から自動車の運転でぶつぶつ言っていますが、お金もないので海に行くしかないのでね。(笑い)

鬼面 そりゃーどうだか、しかしどうして毎日ラジオなの?
成山: ラジオで夏休み期間中、NHK第1放送でこども科学電話相談という番組があるの。子供の電話相談に専門家が回答してくれるのね。親が子供の疑問に答えられないことってあるよね。私は子供のころから番組を聞いていて、親となった今でも毎日聞いているのよ。番組、ご存知?

鬼面: 知ってるよ。番組、聞いているのはあなたですか。
成山: そう、もちろん子供も聞きますよ。

鬼面: 僕もたまに聞いているけど確かに面白い。亡くなった歌舞伎の勘三郎さんも聞いていたらしく、こどもの素朴で実は難解な疑問に対する回答がこれまた素晴らしい、目からうろこだと言って激賞されていたことを覚えています。今年は「カマキリはなぜ三角形の顔の前に目玉がついているの」って相談。コオロギやバッタの目は頭の横についているでしょう。疑問も回答も素晴らしかったね。

成山: コーディネート役のアナウンサーもまた機転が利いて、子供と回答者の間をうまく取り持っていて、回答が的を得ていなかったり、子供の頭に入っていないと思うと自ら回答者に質問するアナもいるのよね。NHKには頭が切れる女性アナもいて、本当に面白いですね。子供との接し方、こどもの心のつかみ方、おしゃべりの仕方など実演つきですからね、勘三郎さんが聞かれていたと言う意味がよくわかります。

高石: ラジオ文芸館だったっけ、NHKには朗読に長けたアナウンサーもいるよね。ラジオは人材の宝庫だよね。とかく批判の宝庫でありがちなNHKにもよい番組もよいアナもいる。私たちも一方的な番組批判は避けないといけませんね。

香美: BSにもいい番組がありすよ。火野正平さんの「こころ旅」。この映像をみていると日本のことぜんぶわかっちゃう。どんなところになにがあって、どんな人が住んでいるか、地図みていてもわからないでしょう、火野さん流の解釈によって人情までわかっちゃう。こんな番組もNHKはつくれるんですよ。

鬼面: 今日はこれくらいにしておきましょう。お疲れ様でした。   了」

鬼面兵衛門のWEB著作 言論の泉-時事評論  

 鬼面兵衛門は京都府綾部市在住のジャーナリスト。思想家、コラムニスト、紀行写真家としての顔もあります。「鬼面兵衛門の時事評論」は筆者が時事問題を論評し、事象の真相に迫ろうとするもの。併せて、座談会(出席者は仮名)を主宰し、時事問題を多方面から討議する「鬼面兵衛門の言論の泉」を公開しています。
 ご訪問いただいたのも何かのご縁、ときには脱線もする‘鬼面世界’をお楽しみいただければ幸いです。
                                                                 2008.8  丹波の寓居にて
 鬼面兵衛門の時事評論
  原爆の日に寄せて(核廃絶への道)
  戦後の日本社会からみえてくること ―TPPを中心にして―
  原発事故の教訓 
  日本の農山漁村の今後
  選挙制度と農山漁村崩壊の谷間
  TPP
  国防と警察の任務
  国会改革
  消費増税反対論の本質
  メイドインジャパンの尊重
  石油と代替エネルギーの行方
  教育崩壊の現場-大阪で‘やらせ受験?’の不詳事-
  ちょっと気になること-文楽-
  おかしな大阪の文化行政-渡辺邸の破壊-
  オール与党化の行方
  オリピック招致の挙動挙手
  無策な外交、防衛
  TPPの警戒水域とテレビ
  テレビと社会
  TPP破滅の回廊-日米事前協議の結末
  農山漁村と地縁社会の狭
  失われた時代と日本の再生
  こまった政治家の群像
  飯島勲内閣官房参与の訪朝が示すもの
  事故原因の検証と再評価(止まらない汚染水の流出)
  米軍の駐留と安保(安保改定の疑問)
  小手先の選挙制度改革
  おかしな議会におかしな政治家
  高市発言の核心と問題
  諜報機関と通信情報
  日本の憂鬱な日々
  体罰の背景の暗部
  ‘はだしのゲン’の閉架―松江市教育員会―
  日本外交とアジア・太平洋海域の2大国支配
  座談会 オリンピックの光と影-日本は信頼にたる国か
  座談会  農業に未来はあるか、規模拡大とTPP-
  座談会  新春放談-私たちが求める日本-
  座談会  理研といわゆる「小保方問題」の行方-
  座談会 変貌する日本-その進路を問う-
 言論の泉
  NO1 2014.8-理研、消費増税、地震政策の貧困、平和祈念式典など-
  NO2 2014.9-御岳山噴火、アベノミクス、TPPの絵空事、電源対策-
  NO3 2014.10 -揺れ動く日本(TPP、消費増税、派遣労働、原発など)- 
  NO4 2014.11-政治と金、TPPの行方-
  NO5 2014.12 -農業とTPP、原発と国民投票、産経新聞の前ソウル支局長の起訴-
  NO6 2015.1 -テロを考える-
  NO7 2015.2~3-上村さん殺人事件、辺野古基地の建設問題などー
  NO8 2015.4~6-安保、TPP、沖縄など
  NO9 2015.7 緊急対談-東京オリンピックの賭け-
  NO10 2015.7~8 混迷の日本(TPP、安保法制法案、沖縄基地問題、総理談話、新国立競技場問題等)
    NO11 2015.9 安保法案、沖縄基地問など
 NO12 2015.10~12原発再稼動、韓国大統領名誉毀損事件、TPP妥結、テロ対策など
 NO13 2016.1日本経済と貧困、アベノミクスは成功したか、衆参同一選の誘い水など
 NO14 2016.2年金制度は崩壊するか,投票年齢切下げの波紋,TPP条約の懸念,衆参同一選の可能性,原発の影
 NO15 2016.3~5衆参同日選の可能性、女性遺棄事件と基地の行方、TPPと農政、東京都知事の海外出張
 NO16 2016.6~8都知事選とオリンピック,沖縄の決断,地方分権の功罪と地方創生など

 The message from Japan

  For what do we ask politics?
  TPP negotiation participation of Japan
  Nuclear power plant disaster
  A foolish deed of a Olympics bidding
    Society in Japan which gets confused

言論の泉 NO9 東京オリンピックの賭け-2015.7緊急対談-

リンク NO1(2014.8月 NO2(2014.9月) NO3(2014.10月) NO4(2014.11月) NO5(2014.12月) NO6(2015.1月) NO7(2015.2~3月) NO8(2015.4~6月)   NO9(2015東京オリンピックの賭け) NO10(2015.7~8月) NO11(2015.9)
 NO12(2015.10~12) NO13(2016.1)    NO14(2016.2) NO15(2016.3~5) NO16(2016.6~8)  TOP

鬼面兵衛門の言論の泉
座談会/2015.7.23

出席者
司会   鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美   (大学生)
北島省吾    (廃品回収業)
※出席者はいずれも仮名

鬼面 : さる17日、安倍首相は、新国立競技場計画の白紙撤回を表明いたしました。新国立競技場は2020年開催の東京五輪・パラリンピックのメイン会場となるところでございまして、波紋がひろがっているわけでございます。先月の座談会におきまして、新国立競技場の問題につきまして私の方から、「散財もほどほどにしないと納税者は身がもたなくなる、税金だからね。還付を受ける者が都内の商工業者や大企業だけじゃそりゃー納税者は怒るわね。」と指摘しておりました。またぞろ今度は白紙撤回でございます。衆院で安保関連法案の強行採決が行われ列島がヒートアップしておりますので、話題をオリンピックに180度、方向転換するという意味あいもあるわけで、安保の方は時間だけ経過しもはや60日ルールが適用になるんではないかと、やきもきする向きもあるわけでございます。そこでね、このたびの騒動は日本の今の立ち位置を知るうえで私たちに良い機会を与えられているんじゃないかと思うわけでございます。孤立する政府与党とマスメディア、私たち日本人の無責任体質と彷徨する日本…とまあ私はこのたびの競技場騒ぎからそんなことを連想しているんですよ。しかしこれはほっておくと日本の大変な重荷になる、そんな思いあって田中さんと北島君にお出まし願ったわけでございます。お2人が時間がさけるということもございましたのでね、よろしくお願いします。

北島 : どうして1650億円の競技場が1年余りで2500億円にも跳ね上がるのか、そもそもそういうでたらめな設計と見積もりをしておいて、批判を受けるとだれも責任を取らない。招致運動の旗を振ったのは政府(首相)じゃなかったですか、東京五輪・パラリンピック組織委員会ですか、よくわかりません。東京都知事などは関係ないと言わんばかりの態度でけしからんね。もともと招致に熱心だった前知事の後任であるにもかかわらず足を引っ張り続けている。いさぎよさがない、政治家として実に情けない。得点するつもりがやりすぎて舞台を壊わしてしまった。(笑い)

田中 : 仰るようにオリンピックの原点が壊れてしまった。やれ国威の発揚だの、先進技術の見本市だの、アスリートの自己陶酔だのいろいろと弊害が指摘されていますよね。そういう中で1年ほどの間にアベノミクスによって為替相場が円安に動いて、建築費がとんでもない値段に跳ね上がった。建築資材の大半は輸入でしょう、これからも上がり続けるでしょう。私はねオリンピックの競技条件は開催地によって変わるのは当たり前、しかし競技者全部が同じ条件で戦うわけでしょう。ですからね、あえて新競技場でなくともいいと思うのよ。10万人を収容するために競技場を新築する必要はありません、改築、増築で事足りると思うの。競技場を全部、新築でという発想はやめていただきたいですね。

鬼面 : 僕もオリンピックは、原点に戻って競技場問題を考えてほしいと思うね。競技種目の削減が言われ始めたのはもともと費用の問題とか放送権や広告、はたまた汚職の問題などが重なってIOC自体が問題を抱えていた。だからね、日本でこんなに大騒ぎになっているのにIOCが口を閉ざしていること自体、おかしいといえばおかしいですね。

北島 : オリンピックの光と影(2013.9座談会)で論議されましたよね。開催地の選定がショー化していること自体、奇妙だし、オリンピックはやはりアヤチュア精神の堅持と非商業化の下でやるべきと思うよ。タイやベトナム、中東で行われてこそ俺たちは本当のオリンピックに立ち返ることができると思うんだ。

田中 : 国家や政治が絡むとこんなことになる。それにマスメディアの影響が大きいですよね。彼らの事大主義は異常ですよね。マスメディアもまた商業主義ですからオリンピックの東京開催はまたとない稼ぎ時なんですね。批判しつつも痛し痒しのところがあって結局、迎合主義なんですよ。利権が確保できればいいとまあ、基本そんな姿勢ですね。

北島 : 絵になる競技場も欲しいし、アスリートに記録も出してほしい。喉から手が出るほど新国立競技場が欲しいだろうね。イデオロギーに左右されないこれほど気楽で、金づるがついて回るイベントはないからね。春夏の高校野球と同じだよ。いい加減にしてほしいね。放送免許の在り方にも言及されるべきですよ。そうじゃないですか。

鬼面 : 今日は言わない。放送と社会の問題はもっと広く、さんざん申し上げてきました。しかし北島君の言うとおり、放送免許の問題はもっともっと追究されるべきですね。そうでないと結局、1000億円の競技場でどうですかっていうような珍奇な議論になってしまうからね。言論機関としてのTVの責任は大きいね。

田中 : イスラム国の問題とか安保に絡む周辺国との対立激化等々、懸念材料は山積みですよね。しかし辞退するわけにもいかいないし、韓国や東南アジア諸国に競技の分散開催を申し出ても受け手がないでしょう。やっぱりイスラム国との関係と言いますか、安倍さんは中東政策を誤ったと私は思うの、テロと隣り合わせになっちゃったからね。それに韓国は原発にも相当、敏感でしょう。倫理観が許すかどうか。そんな状況ですから、容易には引き受けてくれませんよ。

北島 : さきほど建築資材の話がありましたが、特殊鋼などこれからどれだけ値上げになるかわからない。予測もつかない。それにテロ対策、原発対策等々、オリンピック関連の予算は際限がなくなるでしょう。5年後に迫ったオリンピック、これが無事乗り越えることができるかどうか、中止や延期になりはしないか。どうかギリギリの工事はやめていただいて、お金をかけないで簡素で効率的な場を提供していただきたいですね。

鬼面 : もう少し掘り下げた論議もしたかったわけですが、時間が取れません。来月早々にもまた、座談会を予定しておりますのでその時にまた、大いに語り合いましょう。  完」

言論の泉 NO8  2015.4~6-安保、TPP、沖縄など

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鬼面兵衛門の言論の泉
座談会/2015.6.30

出席者
司会   鬼面兵衛門(ジャーナリスト)
田中愛美   (大学生)
植山和美    (トラック運転手)
曾根重雄     (飲食店経営)
糸島史郎   (大工)
白根小百合 (会社員)
田河康志  (商社員)
三田 信   (農業)
上西みどり (公務員)
大野 誠  (警備員)
富島譲二 (建築作業員)
小村三治 (食品移動販売)
※出席者はいずれも仮名


(世界の中の日本)
鬼面 : こんにちは。僕の体調不良から会合が延び延びになりました。4月から6月まで、まとめて論議します。梅雨もまたよし、ぼくはこの季節が好きでね、蘇ったようになります。(笑い)
<オバマ・カストロ会談>
さて4月から6月までにバンドン会議、エルマウサミットなど国際会議や、オバマ・カストロ会談、安倍首相の訪米など各国首脳の重要会談がございました。オバマ・カストロ会談はキューバ危機以来の快挙ですね。確執を乗り越え、また親密な交流が始まるでしょう。白人の大統領じゃ実現しなかったかも知れませんね。オバマ大統領がアメリカの政治を変えた功績のひとつでしょう。
<地震と原発への懸念>
世界で人災、天災が相次いでおります。ネパール大地震や小笠原諸島西方沖地震、特に小笠原地震は日本全土で震度1以上の揺れが観測されました。観測史上初めてといわれていますね。火山は数千年、数万年の眠りから突如、目を覚まし活動をはじめます。自然の営みに驚嘆するばかりでございます。日本は地震国。原発の再稼動を懸念する向きには、心配のタネがまたひとつ増えましたね。
<人災とテロへの心構え>
中国で起きた長江クルーズ船の転覆は人災でしょうね。韓国に続いて中国で巨大船の転覆事故が起き、多くの死傷者がでています。わが国もまた、大きな海難事故を経験しました。本四架橋は海難との闘いのモニュメントと言っていいでしょう。航行安全の対策強化や船舶検査の充実で海難事故は減りましたが安心はできません。

陸上でも過日、新幹線車内で焼身自殺とみられる火災がありました。運行管理者の気の緩みが大事故につながりかねない。日本はイスラム国から攻撃対象にされている。原発や新幹線、タワーや高層ビルなど巨大建築物に対するテロ攻撃など心配すればきりがない、このたびの新幹線の火災などを考えると事業者、公安当局など関係機関の一層、精緻な安全確保とテロ対策が不可欠です。しかし、人事の限りを尽くして隙がでてきますね、結局身の安全は自身で守るしかありません。
<東アジアで孤立する日本>
それからね周辺諸国との政治的対立も基本的には何も改善されていませんね。拉致、尖閣、慰安婦等々まったく解決の糸口すらつかめていない。懸念材料が噴出してわが国が究極の事態にさらされることがないよう願いたい。安保法制法案が成立すると対立が激化してむしろその発生確率が高くなるかもしれない、このあたりの理屈は後ほど論議いたしましょう。
〈高齢化社会への警鐘〉
団塊の世代がすでに人生の終末期に入っています。国、地方の財政もままならない。東京都の高齢者の地方移住など富裕都市の責任放棄とも見られる施策に追随するむきも出て参りましょう。僕はね、20年後、30年後の人口ピラミッドをよくよく考えないと保健施設の維持・運用や家族のあり方に崩壊がおきる。首長が耳障りのよい言葉を連発して保健施設を誘致・整備し、若者の雇用の場が創出できたなどとうそぶくことのないよう祈るばかりです。国も地方もパイの限界を超え、家族の崩壊をもたらすような政策に手を染めるべきではない。
〈繁栄と散財〉
また、高齢者対策に限らず、オリンピックなど巨大イベントに国が悪乗りしてまたぞろ散財が始まっている。冷めた目で見ている人も多いわけよね。オリンピックの東京誘致を仕掛けた東京都知事は失脚してしまった。散財もほどほどにしないと納税者は身がもたなくなる、税金だからね。還付を受ける者が都内の商工業者や大企業だけじゃそりゃー納税者は怒るわね。(笑い)
〈少年事件への対処〉
それから横浜に続いて愛知でしたか、またぞろ少年リンチ殺人事件がおこりました。川村さん殺害事件の教訓が全くいかされていない。残念ですね。川村さん事件の際、座談会でいろいろと傾向と対策を申し上げたので、参考にしていただきたいね。
〈安保法制法案-狂った歯車-〉
国会では安保法制法案の審議が始まっております。そこでね、憲法審査会に参考人として出席した憲法学者3人が3人とも‘集団的自衛権の行使を含む安全保障関連法案’を憲法違反と断じましたね。折しも福井地裁では関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の再稼働の差し止めを命じた判決が出ていて、司法も学者も政治に厳しい目を向けるようになりました。自民党は安保法制法案を強行採決できなくなったと見ることもできる。しかし審議を尽くせば採決は当然と言い切る為政者の顔もある。このあたりのセンスがよくわからない。戦後の議会制民主主義が為政者に与えた負の遺産、影の部分といえそうですね。与党単独のそれは国民の総意でも天の声でもございません。国民投票制度が未成熟なわが国では、やっぱり時々の世論を感じ取って政策を実行するという円満な常識が政治家にないと国家の舵取りなどできません。会期から法案の出口を読み、審議時間を決め、機械的に採決するという実態が変わらない限り、国会はあってもなきがごとしです。与党や為政者は世論を感知してもブレーキがかからない、強行してしまうわけよね。為政者の質の問題もあるわけですね。それ以上に野党のあり方も一考の余地がある。与党に擦り寄って党勢ばん回のツールにする野党もないでもないが衣の下がよく見えません。公明は影が薄くなった分、心外だろうね。自民は公明や一部野党を道連れに、国会を強行突破するかもしれない。要注意でしょう。公聴会をセットできればいつでも採決できるとして、少なくとも衆議院で強行すると見る人がいますね。こんな化石のような国会運営に対し、街に出て危機を訴える野党もありません。日本の将来は推して知るべきでしょう。(笑)

公明は早晩、与党から離脱すると僕はみています。安保法制法案が成立すると中国、韓国、ロシア、北朝鮮など周辺諸国が黙っていないでしょう。これらの国は先の大戦を仕掛けた日本を脅威と見ていています。安保法制法案の成立は事実上、日本の再軍備つまり武力行使を宣言したとみられてしまう。周辺諸国は、世界の平和を揺るがす暴挙として国際世論に訴えるでしょうね。日本の国連における立場はますます悪くなり、理事国入りなど夢のまた夢。逆に言うとわが国にとっては世界の世論への対処が一番難しい、簡単にねじ伏せることはできなくなるということですね。

国力の伸張が著しい中国はアメリカに対抗するいわば超法規の警察権を持ちはじめている。だからね、法案成立後の日米のいわば新安保体制に対し、中国は日本に何かと攻勢をかけてくるでしょうね。アメリカだけが世界の警察ではない、中国もまた世界の警察だとね。中国はヨーロッパやアフリカに対しても広範、多様な経済活動を行なっているよね。アメリカは自由主義を維持するコストの負担にあえいでいるし、国民は、アジアは中国との2国支配を望んでいるんじゃないのかな。それでも膨大な財政負担は避けられない。もう手が回らなくなってきているからね。そんなときに、奇しくもわが国が新安保体制へ突入する。アメリカはわが国に対中、対鮮、対韓戦略に多くを期待しなくとも財政負担の軽減になると思っている。いわばアメリカの1分隊として活動するわけだからねそりゃー、安保法制法案に諸手を上げて迎するわけだよ。

与党は安保法制法案の成立後も周辺国の脅威に危機感をあおり続けるでしょう。来年の参議院選挙辺りに衆議院を解散し、衆参同日選に打って出る可能性もありますね。単独で衆参両院で議員定数の三分の二を上回る大勝を収め、憲法改正を発議し、集団的自衛権やその他の懸案を一挙に片付けにかかるしょう。そこでね、憲法改正が成ると再軍備へと歩み始める。自衛隊の名称も変更され、シーレーンなどを巡って中国と激しい攻防が始まる、とまあーそんな流れになるのかな。

さておき、秋口まで超長期の会期延長が決まりましたね。戦後最長ですね。安保法制ははアメリカ議会との約束がある。どうしても今国会で通したい、95日も延長しておいて世論を敵に回して何も決まらなかったではそりゃあ安倍政権はもたないですね。だから当然、採決前提の延長ですよ。

さきほど申し上げたように、原発の差し止め判決や安保法制法案への学者の意見など政府方針とまったく違う断面が見え隠れするようになりました。これは政権の安定性の面からも由々しき事態といえますね。政権の行き詰まりと言ってもいい。長引くとよい方向には転ばない。戦後の重要法案はほとんど強行採決によって成立した歴史があります。喉もと過ぎれば何とやらで日本人は案外、すんなりと受け入れるからね。やりたくて仕方がないでしょう。しかしマスコミを含めその盲目さが結局、戦後の民主主義が歪めてしまった。沖縄県民がもがき苦しんでいても国民は何も手を差し伸べていない、身に降りかかる火の粉を振り払って安穏とした生活をしていては安保も他人事になる。

折もおり、自民党の政調の青年局長が沖縄の報道2紙をめぐる発言によって更迭されましたよね。これだけ与党に暗雲が漂うと普通なら解散風が吹きはじめる。しかしそうじゃないでしょう、国民の目はオリンピックや世界遺産に向いてやっかいなことには蓋をする。僕はそこにも野党の凋落した姿を見てしまう。第一野党の民主党には有言不実行の致命的な傷跡が残っています。共闘も組めない、かつ野党の中に与党に迎合的な政党もご承知の通りあるわけでございます。ざっとこのようなことも頭の隅において論議を進めてまいりましょう。

(いわゆる沖縄問題と日本年金機構の個人情報流出事件)
白根 : 国内では5月30日の沖縄県知事の訪米も一つの重大事件かしらね。日本年金機構で起きた個人情報流出事件も国民生活を揺るがす大事件でしたね。特に前者の沖縄問題で首相や官房長がとられた沖縄県知事に対する対応は人非道の行いで、子供に顔向けできないほど大人への不信をいだかせてしまいましたよね。おごりは誰でもあります、しかし論理をすりかえて同じ発言を繰り返す手法はいい加減になさいませんと、日本人の評価がますます悪くなりますね。‘普天間基地は住宅が建て込んでいて危険なので辺野古へ移転する’などの説明がそれですね。そもそも沖縄に基地は要らないという主張とは別次元の理屈でしょう。国家にたて突くなといわんばかりに県民にオキナワを押し付けて、問題を真顔ですりかえ、何度も同じことを繰り返したあげく、人の道を外れた言動を繰り返しておられるでしょう。選挙に負けた嫌がらせじゃないのかしらね、議論になりません。何度聞いても恥ずかしい行動をとっておられる、こんな恥ずかしいことって過去の為政者にあったかしらね。本当に恥ずかしいですね。

(安保法制法案、選挙権年齢の引下げ)
田中
 : 私は安保法制法案の閣議決定と国会提出それから選挙年齢を引き下げる公職選挙法改正案が衆院本会議を通過しましたね、この二つの動きを見逃してはならないとみています。安保法制法案は鬼面さんが指摘されたようにごり押しで通そうとすると、安保反対の国民運動に火がつく可能性があると思っています。成立すると辺野古の基地建設やオスプレイの全国展開に対する反対運動が急展開するでしょう。中国、韓国、北朝鮮の動きも一層、激化すると思います。選挙権の問題は性急に過ぎます。国民投票年齢とは分けて考える必要があります。高校生が一番、驚いているんじゃないかしら。2年前まで私も高校生、学校で政治の議論らしい議論もしていない。大分問題あると思うの。実施すると議員年齢の若返りや国会改革などに一定の効果があるでしょう。一方では小党乱立、めまぐるしい政権交代など政治の不安定化を招く恐れがありますね。与野党が反対するはずもない変更で、そりゃ与党は不利でしょうからね。しかし決まった以上、若者の選挙環境を良くしてほしいですね。まず、投票場のあり方を一新しないとだめと思うのね。今までと何も変わらないような会場風景では若者は足を運ばないですね。選管委員の若返り、選任の透明化とともに受付や投票場のレイアウト、人の配置を基本から見直さないとだめですね。古色蒼然、地縁社会をそのまま引きずるような厳しい、入りにくい会場、人選ではだめですね。近代化してほしいですね。

鬼面 : そうですか、安保法制法案はまだ衆議院で審議中ですよ、まだまだ紆余曲折がありますよ。強行突破してすぐ施行じゃ戦争推進法案になっちゃう。公明党や野党の一部の支持基盤がまず揺らぐでしょう。だから僕は強行すると公明等が与党離脱するんじゃないかと思っているんですよ。

田中 : 鬼面さんが紹介されたように去る6月4日の衆議院憲法審査会で集団的自衛権の行使を含む安保法制法案について参考人質疑が行われ、3人の参考人全員が憲法違反だと陳述しましたよね。審査会もやりっぱなしじゃなくて審査結果をしっかりまとめていただきたいですね。ホッチキスじゃどうしようもありません。安保法制特別委員会(「安保特」という。)任せにしちゃ他国に笑われますよ。参議院では関係委員会と連合審査を行なったり、公聴会も連合審査方式でやってほしいですね。

鬼面 : あんた、他国にどうして笑われるの。(笑い)

田中 : 日本の議会制民主主義がどのようなものか、アメリカも西欧諸国も日本の戦後政治の実態をよく知っていますからね、やっぱりそうかの笑いですよ。与党は安保特で80時間やったとか100時間やったとか審議時間の実績がほしいわけですよ。審議を重ねても自公は聞く耳をもっていますか。最後は強行採決で通してしまう。これが戦後政治の実態で、与野党ともに暗黙の了解の下で審議を進めている、これじゃ世界の笑いものですよ。

鬼面 : そうかね? 一旦法案が国会を通過すると国民もマスコミもそれを全く問題にしなくなるのは過去がそれを物語っています。あの激烈な安保改定の反対運動がそうだったな。残念ながら海外には日本の国会や国民性の本質が底割れしている。僕もそう思いますよ。与野党の品のない芝居が一向に書き改められない、だから笑われる。悲しいかな日本では民主主義は育っていない。法案を出し直す、廃案にするくらいの決断が与党にはない。(笑い)

上西 : お二人には同調できません。それは鬼面さん、田中さん流の見方でしょう。私はね、日本の国会はそれでいいと思うの。自民党は昨年の衆議院選挙で絶対安定多数をとったわけね、集団的自衛権の憲法解釈などを含め安保法制について国民の支持を得たわけでしょう。小選挙区制下でいわば自民党は勝利をおさめたわけですから提案された法案中、公約と違うところは徹底的に論議していいわけですが、骨格は変えないでしょう。最後は採決で決める、それが民主主義の基本でしょう。選挙で大筋、勝負はついているわけですから廃案になれば国民も有言不実行だと怒りますよ。それからね、安倍首相は去る4月29日の米議会両院で、安保法制法案を今夏には必ず成立させると演説し、アメリカ国民に約束したわけでしょう。あなたがたが与党や国会運営を批判したって廃案にはできません、有権者の意思に反します。それにね、総理が約束したことは実行しなきゃね、アメリカ国民に不信を抱かせるようなことはできませんよね。立つ瀬がなくなれば日本はすぐ沈没します。どうもよくわかっていらっしゃらない。

糸島 : まあまあそういうことだろうね。領土や戦後補償、経済政策などで日本が周辺諸国からチクチクやられているから国民誰もが危機意識をもっていると思うよ。しかし日本はどうすることもできないし、かといってやられっぱなしじゃ腹が立つ。結局、国民は集団的自衛権の解釈変更によって米軍と自衛隊の抑止力に期待して投票行動を起こしたわけだよ。それが安保法制法案でしょう。憲法の制約はあるが自衛隊と米軍と一緒になって、我が国やアメリカの脅威となる国と戦ってほしいと思っているわけだよ。だから安保法制法案に対する懸念を表明する人はいるが大きな反対運動にはならないわけですよ。

富島 : 安倍さんの叔父さんに岸信介という自民党の政治家がいて首相当時、安保改定をやったよね。俺の生まれる前のことで先輩に話を聞くと、反対運動がおきて国会周辺は連日大騒ぎになって機動隊と衝突、放水銃などが使われ犠牲者も出て岸内閣は安保改定後に倒れたと聞いているよ。だからね、いくら自公が選挙に勝ったからと言っても安保法制法案にもろ手を挙げて賛成しているわけではない。現に自公の支持者の中にも安保法制法案に反対の人がいて、国民の過半は説明が足りないとか、成立を急ぐ必要はないとか、世論調査だって懸念満載でしょう。だから自公が国民をあなどると衆参同一選どころの話じゃなくなる。自公が転覆することだってあるんじゃないか。

上西 : どうでしょうかね。昔のことは知りませんがもう、そんな時代じゃないでしょう。製造業の主流を派遣が占めるようになり、学生は就職に四苦八苦でしょう。真剣に国政を論ずる暇などないわけね。生活を考えると給料や社会保険、諸手当など少しでも分の良い会社に就きたいわけで、進路を絶たれるようなことは学生もしたくないでしょうし、私たち労働者も誰からもデモる誘いなどありませんよ。シーレーンとか領土、慰安婦、抗日発言など周辺国との喧嘩が毎日のようにありますよね。そんな問題は政治家や外務官僚などの専門家に任せ、爆発すれば米軍や自衛隊に鎮圧を任せておいて良いんじゃないかしら。自衛隊員には高い給料を払い、駐留米軍には思いやりのお金を払っていてみんな税金でしょう、がんばってもらうのは当然ですしね。しかし自衛隊員に万が一ってことがあるでしょう。海外派遣の部隊が誤って敵国の攻撃を受けて全滅することだってあるかもしれませんね。だけど危ないところに自衛隊を行かせないわけですから犠牲者への法制上の補償はありませんよね。過去、掃海派遣で犠牲者が出ていますよね。弔慰金という形で十分積上げ、彼らに後顧の憂いなく戦える環境をつくってあげる、そういう努力が私たちに求められているんじゃないかしら。自衛隊員はもちろん、特に沖縄や九州、山陰などで小競り合いに巻き込まれて国民に犠牲者がでることも想定外の想定として考えておかないとないといけませんね。国はそういう場合に備え、不慮の被害者や遺家族へ手厚い補償ができるよう弔慰金などの規程を別途、設けておくべきと考えているんですね。そういう現実的な議論こそ国会でしてほしいと思っているんですよ。もちろん、安保法制法案が通ることを前提にしなくとも そういうことは起こる可能性があるので、万端手を尽くしておくべきですね。

鬼面 : そういう意見もあるんだなあ、通り魔による殺人等被害者に対する見舞金規定もあるわけだから、上西さんがおっしゃることはよくわかります。ところでね、安倍首相は折に触れ、日本は法の支配を尊重する国と言っているね。ところが閣僚の中には憲法改正ができないから実態法にあわせて憲法を解釈すると主張してかなり歪んだ思想の持ち主がいる事実、それから安保法制法案自体、憲法違反と国内外の学者が指摘しているわけでしょう、これはもう政府与党が法の支配を否定したといえますね。法の解釈権が一義的に政府にあると言っても、自衛官が敵対する国に射殺される事件が起こり遺族から賠償請求がなされる場合や訴えにより安保法制法が憲法違反とされた場合、一体誰が責任を取れるのか、そんなことになるとこの国はもう世界の奔流を渡れなくなる。100年かかっても名誉が回復できない。誰もそんな日本になることを望んではいないでしょう。

(原爆の投下責任と平和)
僕はね、いま日本は戦後からの脱皮にもがき苦しんでいるのだと思っています。原爆被爆国で敗戦国、再軍備して再戦に挑むことは論外ですね。アメリカに追随することも好まないが、戦勝国たる周辺国からチクチクやられるからいやだけどアメリカの傘の中で身の安全を確保して、いやなことは忘れて金儲けに励んで金で周辺国を見返してやるんだとね。僕たちの世代はそんな考えの者が多かったように思います。アメリカは原爆実験に成功してすぐ広島、長崎に投下した。チャーチルなど連合国の首脳は直近の会談でアメリカの原爆投下を支持していた。しかしアメリカ国民は原爆投下で相当、罪悪感がある。それは今も変わらないわけで、特に議会や代表部は問題が再燃することを相当恐れている。だから日本のとどめを刺した原爆を宝器として扱い、展示館までこしらえている。日本に核を否定させず、原爆投下の責任を問うと懸命に否定するわけだよね。彼らも人間、いかなる状況下にあっても使ってはいけない兵器が存在し、保有してもならないことは知っている。しかし他国がそれを開発したり保有したするとアメリカのみならず、西側の核保有国は経済制裁などで対抗する、そんな状況が続いているわけでしょう。私はねそんな白人のいわば選民思想が存在する限り、地球上に永遠に平和は訪れないと、そう思っています。心あるものは過去と現実のハザマでもがき苦しんでいる。彼らが心から広島、長崎に悔悟の情を示さない限り、それはこれからも彼らの原罪として苦しみを与え続けるでしょう。毎年、8月になるとそんなことを考えます。

田河 : 国民の中には上西さんがおっしゃったような考えの者もいると思います。しかし僕はそんな矛盾から抜け出さないといつも喧嘩を続け、怒りが絶えず、不安と隣り合わせの生活しか期待できないんじゃないかと思います。永世中立国の立場を明確にして、時間がかかってもきっちりと戦後処理を行なって、周辺諸国と仲良く暮らしていける国づくりへの挑戦をするべきだと思っています。アメリカとの別離は苦しいかもしれませんがそこが正念場、血反吐を吐いても後世に平和を残せるほどすばらしいことはないじゃありませんか。

大野 : そこが一番大変なことで国民の決断がまず不可能じゃないか。生活は苦しくとも、アメリカ傘下の心地よさを感じているのは政界、経済界ばかりじゃないでしょう。国民の生活スタイルを変えることはそう簡単じゃありません。中国の台頭によってアメリカの覇権が揺らぎ、日本が併合されそうになってはじめて気づくことですよ。

田中 : 私たちにどこへ向かうのか。私はとても上西さんのような割り切りはできません。このままでは沖縄は独立を選択する状況じゃないかと危惧します。奄美や南西諸島の運命も変えてしまうんじゃないかとね。日本の悲劇がまたはじまります。沖縄を見下し追随、強要させようとしても、沖縄県民が屈することはないでしょう。あれだけ苦難の道を歩んだ県民はいません。沖縄を捨石にするほど残酷なことはありません。わが国は、先ほどから縷々お話がありましたように未処理の問題が山積みの状態ですよね。どこから手を付けていいのか誰にもわからない。アメリカの顔色をうかがいながら、チクチク痛む肌に塗り薬を処方し遂に、集団的自衛権の解釈変更まで行って自公は安保法制法案を提出したわけですよね。しかしこれは抑止力の向上に何の役にも立たないばかりか、周辺国も含め軍事費の増こうをもたらす効果しかない、悲しいですね。

鬼面 : 国民の過半数は安保法制法案に反対しています。この状況はね岸内閣の安保改定時の状況に似通ってくるんじゃないかと、僕はみているんですよ。

上西 : そうですかね。当時の状況はわかりません、しかし先ほど申し上げたように社会の状況や学生の政治への興味など当時とは大分、違うと思いますね。安保反対を叫ぶ学生っています? 就活に忙しく遊び優先でしょう、違いますか? それに労組もまったくダメでしょう。指導者に闘争心も行動力もなく、もう政治参加もできない、貴族化していて労使の境目がわからない、同じ顔に見えますからね。

糸島 : 俺なんかでもそうなんだけど、自衛隊が地球の裏側まで出かけて行ってアメリカ軍の後方支援をして、日本の国益が守られるわけだろ、いいようになるわけさ、だけどそれも戦争参加だろ、聞かれれば安保法制には反対ということになるね。しかし憲法で戦争放棄の条項がなくなったわけじゃあるまいし、まあそれまではいいかということになると思うよ。学生も労組も上西さんが言ったような状況だしね、国会で強行採決になっても、ああ通ったねと思うぐらいで怒りも何もない、大概の人はそうだよ。

猿原 : そのとおりね。自分が戦うわけじゃあるまいし、死ぬわけでもないでしょう、日本の守秘範囲を広くして平和が維持されるならいいことだよ。自衛隊が頑張ってくれるわけだからね。 金森 :そうかしらね。お2人は安倍さんをよく知らないからじゃない。2015年4月30日の米国議会での演説ではアメリカべったりのおべんちゃらに終始していて、アメリカ国民を安堵させたわよね。そこが怖いのよ。安倍さんのおっしゃる戦後レジームからの脱却って突き詰めると安保法制法案だけじゃなくてTPPだってそうよね。スタイルのアメリカ化じゃ過去の自由化と同じ道をコメも自動車も保険などもたどるわけだからね。

大野 : 俺もそこがよくわからないから安倍さんを信用していない。学者連中で安保法制の反対署名をする者が日に日に増えている。
田中 : 安保法制法案の論議は集団的自衛権の解釈や運用の論議に終始していては少し本筋を逸れたものになってしまう。つまり日米安保はアメリカの仮想敵国が存在し沖縄を拠点にアジアの共産化を排除し、自由主義を守るってことがそもそもの発想ですね。岸首相の安保改定はロシアの脅威を前面に押し出し、今の安倍首相の安保法制は中国のそれですね。だからアメリカは安保法制を親米政策と解釈し、首相を国賓級の扱いにする、しかしそうかなって思いますね。朝鮮動乱や台湾海峡の危機ではアメリカ軍は沖縄を拠点にして戦いましたよね、当然中国との紛争では沖縄を拠点にしてアメリカ軍を支援する。だからアメリカは日本の中立化乃至非軍事化を最も恐れています。アメリカが中立化路線を模索した石橋湛山を非難し、岸信介を激賞した根拠はそこなんですね。

猿原 : 親米の線は今後も崩せないでしょう。安倍さんは不用意に戦後レジームからの脱却って言っちゃってアメリカをひやひやさせたかもしれないな。でも日本の非武装化、中立化路線は毛頭ないってことを確認し、沖縄を頼むよってアメリカの意思を安倍さんに伝えたんでしょう。沖縄県知事が訪米した際にはアメリカも日本ほどでもないにしろ相当、邪険に扱っていましたね。沖縄に勝手に基地をつくって居座り、筆舌に尽くしがたい性的暴行を女性に加えた兵士もいるわけで法の支配を二重、三重に破っている。放置してきた日本政府も同罪ですよね。県民と正当に会話すらできない状況をつくってくオスプレイまで持ち込んだ。だからアメリカは沖縄県民への対応は日本にゆだねざるを得ないし、アジアが共産化すると資本主義は人口や版図の上でもしぼんでしまうからね。そりゃアメリカはいろいろと想定していると思うよ。日本が非武装化したり沖縄の離反が現実のものとなれば、すぐにアメリカが乗り込んでくるはずだよ。そして諜報機関は首謀者を抹殺するくらいの情報をばら撒くだろうね。中国は領土拡大に本気だし軍備では日本は歯がたたないわけだよ。周辺は蜂の巣だらけですしね。日本は親米でいかなくちゃ将来はありません。安保法制法案を通して、自衛隊にはがんばってもらって銃の手入れを怠ることなく世界をまたにかけよい仕事をしてほしいな。自民党のどなたかが3000人の訪中団を習主席の前に並ばせた行為は愚行と非難されてもそれも一つの多角的な安保でしょう。与党外交も硬軟がってよい。私たちも安心して暮らせるからね。鬼面 : かなり時間を費やしました。話題を変えましょう。

(TPPとコメのたどる道)
三田 : TPPの行方が心配ですね。アメリカ議会は交渉権を代表部(政府)に与えましたよね。一挙に攻めてきますよ。日本では情報がシャットアウトされていてよくわかりませんが巷間、年間5万トンの自由化枠をアメリカに与えて決着するようですがこれじゃいかにも甘いですよね。代表権を得たアメリカはこれで満足するはずがない。木材の自由化は半世紀前に自由化されましたね。部分自由化から始まって完全全自由化され日本の林業は粉々に粉砕されてしまった。この二の舞になるんじゃないかな、日本の米は。

植山 : 軒下を貸して母屋を取られるってこと?
三田 : そのとおりです。私はコメの完全自由に賛成、段階的というか余りまどろっこしいことはやめていただきたいね。それから交渉経過の扉がオフになっているでしょう。自由化反対論者もいるわけでそんなことをしていたら、恐ろしくてフタが開けられなくなる。情報はそのまま流さないとだめですよ。

鬼面 : そこは大変悩ましいところじゃないかな。交渉はそんなに簡単なものじゃないでしょう。トータルで国益の判断をするわけだかね、コメで譲歩しても保険や自動車は飲めないとかね、いやらしい裏舞台があると思います。それと中国主導のエフタープが後ろに控えていますから中国に情報を取られたくない、とまあ、あれこれ考えながら進めるのが交渉ですよ。

三田 : だからそれではだめですよ。交渉経緯を明らかにしていただかないと国民は納得できないわけですよ。国会承認だってままならなくなる。保険や軽自動車の部品の税率、規格などの非関税障壁を守ってTPPに道を開いたっていいじゃないですか。コメの完全自由化を譲って軽自動車や保険を守れば国民は工業立国の方向性を再確認できるでしょう。コメの部分開放に伴う農業補助金がどれくらい流れるのかなって事業者レベルで対策のシュミレーションができるでしょう。昭和39年でしたか木材を一部解放して、後に完全自由したでしょう。そして建築基準法の改正を通じアメリカの規格を日本に定着させたでしょう。コメもその道をたどるでしょうね。部分開放してそう遅くない時期に完全自由化される、コメの作付や品質評価の在り方など、徹底的に叩かれるでしょうね。アメリカの生産者は意気込みが違いますから案外、コメは早く倒れるでしょう。そうなることを期待しています。今のままじゃ耕作していなくても農地を手放すものが案外少ない。ダイズや小麦のように地権者がアメリカ産のコメを食べはじめたときが正念場ですね。農地の問題が解決すればコストはまだまだ下げられます。アメリカ産と競争して勝ち抜くを正念場ですね。東南アジアが横を向けば日本は2国間でまとめるかも知れませんね。

田中 : 安倍政権は安保で得点しておかないとTPPで敗北を重ねるのじゃないかしらね。そのためにも安保法制法案は通しておきたいところですね。民主党の足元がぐらついているでしょう。
曽根 : 飲食店をやっていてコメは北陸の銘柄米を取り寄せています。高価ですが客に人気がありますからこだわっています。外米はいくら安くても買いません。

鬼面 : コメの完全自由化はさして問題にならないということですね。しかし消費者のすそ野は広いわけで一般消費者はカリフォルニア米に向かうでしょう?
田中 : そうだと思います。自由化は対象品目やサービスがカメリカの基準に移行するってことですね。日本の大規模農家がコメの輸出農家になって利益が上げるとか日本人好みの品質が追及されるとかいろいろと取りざたされています。しかし木材におけるツーバーフォーのようにいやおうなしにアメリカの規格が対象品目に適用されるようになる。拒否すれば提訴され、ねじ伏せられる。木材の例からわかるように日本の林業は壊滅的被害を受けたでしょう。コメだって同じだと私は言っているのね。

田河 : 三田さんが期待するようにはならないでしょう。ひと波乱あると思いますよ。東南アジア諸国は多毛作地帯でコメはいくらでもとれるように思っているけれども決してそうじゃない、むしろ不足しているから自由化にもろ手あげて賛成というわけにいかないでしょう。輸出が常時可能なところはアメリカ以外にありません。だからTPPよりも緩やかなエフタープに同調するところもあって難航必至でしょう。ともかく自由化すると、コメの色つや、乾燥度、等級等々品質にかかる競争条件が取っ払われアメリカナイズされる。そのうち太刀打ちできなくなると思いますよ。

鬼面 : 気が付けばアメリカのコメを食っています日本人は。頼みは三田さん方のようなヤル気のある大規模農家の発奮ですよ。そのための条件整備に金を使わないとコメは木材と同じ運命をたどるでしょう。

田中 : 鬼面さんはコメの自由化に反対でしたよね。
鬼面 : その通りですよ。しかしもう大勢は決まりましたね。団塊の世代の平均余命はあと15年ほどでしょう。農家世帯もまだまだ多いわけだから、後顧の憂いのないよう十分、気配りしてあげてほしいですね。多分、完全自由化までに10年余の時間をかけ軟着陸すると思うのでその間、大型機械の導入や土地改良など基盤整備事業より所得補償や転作奨励金に重点を置いて余生を農業で全うさせてあげたいね。三田さん方のような大規模指向の農家には農地や大型機械の取得につき制度融資の充実を望みたいと思います。それから都計法上の線引きや農地法上の土地規制を取っ払うなど大幅に岩盤規制を緩和して農地の流動化と農家所得の増大を図ることが国地方のせめてもの償いじゃないのかな。 今日はこのくらいにして散会にいたしましょう。   了」